スケートボードのデッキブランドの一つとして知られているのが、「トイマーシン(TOY MACHINE)」。アメリカの子ども向けアニメや、映画を思い起こさせるようなイラストが魅力的です。ここでは、トイマシーンのデッキの主な特徴や、その魅力などについて解説していきます。
トイマシーンのキャラクター
トイマシーンは、1994年に写真家であり芸術家の、ED TEMPLETON(エド・テンプルトン)が設立したデッキブランドです。アメリカのカリフォルニア州にあるハンティントンビーチを拠点としています。
トイマシーンの成り立ち
当初は、一部の間で知られていたブランドでしたが、Jamie Thomas(ジェイミー・トーマス)がチームに加入したことで勢いが増します。1996年には、スケートビデオ「Welcome to Hell」をリリース。1998年には瞬く間に世界一のBest Skate Team of the Yearに選ばれるほどの急成長を遂げ、その後もさまざまな賞を受賞しました。
また、自らの会社を「Blood Sucking Skateboard Company(吸血のスケートボード会社)」と表現しており、今までJosh Kalis(ジョシュ・カリス)やBam Margera(バム・マージェラ)など、数多くのスーパースケーターを輩出してきました。
トイマシーンはその名の通り、アメリカのおもちゃに出てきそうな怪物やエイリアンを思わせるキャラクターに加え、芸術的かつ独創的なデザインが特徴です。アメリカらしい配色とコミカルなデザインが目を引きます。
トイマシーンという会社の名前を考える際、「Toy Skateboards」「Machine Skateboards」の2つの案が出ましたが、どちらにするか決めかねていました。そこで、友人のプロスケーター、Ethan Fowler(イーサン・ファウラー)が、「両方の名前を組み合わせれば良いのではないか」と提案し、トイマシーンとなったそうです。
創業者のエド・テンプルトンとは
トイマシーンを立ち上げたエド・テンプルトンは、1972年生まれのアメリカ・カリフォルニア州出身。自身も1990年代を代表するプロのスケートボーダーです。しかし、2012年のスケートデモでトリックした時に着地に失敗して足を骨折したことで、スケートがほとんどできない状況に。現在は自ら滑るというよりも、芸術活動の方に主軸を置いています。
エドは、中学生のときにスケボーに出会うと、メキメキと実力をつけました。13歳のときに「サークルA」という企業がスポンサーとしてエドを援助。わずか5年ほどで自分の名を冠したモデルを「ニューディール」から販売。その後、初めての会社「T.V.」を立ち上げますが、経営上のトラブルが発生し、すぐに解散してしまいます。
そして、1994年にトイマシーンを設立し、今や有名なブランドにまで育て上げました。しかし、エドは自分自身を「あまりよくない経営者」と語ります。商売の材料としてのスケボーを捉えるのではなく、楽しむ気持ちが、さまざまな芸術活動や会社経営のエネルギーとなっているのかもしれません。
さらに、エドはヴィーガン(動物性食品を口にしない主義)であり、何度か来日した経験がある日本好きとしても知られています。特に、鎌倉がお気に入りで、地元のハンティントンビーチと雰囲気が似ていることを理由に「いつかは住んでみたい」と思っているそう。
あのキャラクターの名前は?
トイマシーンのデッキでよく見かける、大きな一つ目のエイリアンのようなキャラクターがあります。このキャラクターの名前は「トランジスターセクト」。基本はオレンジですが、パープルをはじめとしたさまざまなカラーバリエーションが展開されています。
「トランジスターセクト」が生まれたきっかけは、スケートツアーの移動中、バンの車内でエドが他のスケーターたちを楽しませるために描いていたマンガで、偶然誕生したもの。しかし、緑のキャラクターはタートル(亀)とも呼ばれており、その他にもトランジスターセクトをベースにしたピラミッドなど、さまざまなデザインが展開されています。
もう1つ有名なのが、赤い顔に黄色いツノが2つ生えたキャラクター。どこか憎めない雰囲気です。そんなキャラクターが大きく描かれたデッキをよく見かけます。
トイマシーンのデッキの特徴
トイマシーンのデッキの特徴は、やはり不思議でコミカル、アメリカナイズされたキャラクターが目を引くデザイン性。プレイをしていても目を引きます。また、キック(ノーズとテイルの反っている部分)やコンケーブ(デッキが湾曲している部分)が比較的ゆるくなっているのが特徴です。
そして、初心者でもとっつきやすいモデルが比較的多くなっています。ただし、それぞれのデッキによるので、実際にお店で確認してみたほうが良いでしょう。ここでは、トイマシーンの代表的なデッキについて、何点か紹介していきます。
まずはこれから!「MONSTER BLACK DECK」
まずは、オーソドックスなコンプリートモデルとしておすすめなのが、「MONSTER BLACK DECK」。ロングセラーグラフィティのチームモデルで、おなじみの2本ツノが生えた赤い怪物のキャラクターが大きく描かれたデザインとなっています。
デッキは、カナダのメイプルが素材の7プライ(薄い7枚の板)、コンケーブがゆるやかに設定されていますので安定感が高いのが魅力。力を軽くかけるだけでテールをたたけるため、「パーク」も「ストリート」もどちらのコンディションでも活躍します。
デッキのサイズは、「7.75インチ」「8.13インチ」「8.38インチ」の3種類が用意されているため、自分の足のサイズや自分の体型に合わせて選ぶことが可能です。目安として、足のサイズが26cmの方は7.75インチ、27cmの方は8.13インチを選ぶと良いでしょう。
デッキのサイズが大きければ大きいほど横幅が広くなり、安定感が増しますが、その分重くなってしまい、回し系のトリックが難しくなります。そのため、「自分がやってみたい」と感じるプレイに合わせても選ぶのがおすすめです。
目立ったもん勝ち!デッキのデザインに注目
きれいな色のデッキで目立ちたい方は、鮮やかなレインボカラーが目を引く「CHARACTERS COMPLETE(MULTI)」はいかがでしょうか。キャラクターが所狭しと並んでいて、目を引くこと間違いなし。
その他にもトランジスターセクトが大きくプリントされたものなど、デザインはさまざま。高品質なので、トイマシーンならどのモデルを選んでも問題ありません。また、トイマシーンのコンプリートデッキを選ぶと、ウィールにもキャラクターがプリントされているなど、デザインに統一感が出ます。
カスタマイズすることも可能ですが、まずはコンプリートモデルで揃えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はアメリカ発祥でスケートボードの人気デッキブランド「トイマシーン」について、創業者や会社の成り立ち、デッキの特徴などについて紹介してきました。名前の通り、アメリカの玩具に出てきそうなキャラクターが全面に出ているのが特徴です。
子ども向けのデッキのようにとらえてしまいがちですが、老舗ブランドのため品質は折り紙付き。目を引くエイリアンや怪物のデザインは、アメリカの雰囲気が全面に出ていることから、ストリートファッションにフィットします。トイマシーンでは、ウィールなども取り揃えられているため、まずはひと通りコンプリートデッキから揃えてみてはいかがでしょうか。