スキムボードは、波打ち際で浜辺から波に向かってボードを滑らせて走り込み、その勢いで波に乗るマリンスポーツです。ボードさえあれば、サーフィンよりも手軽に始めることができます。今回はスキムボード初心者の方のために、基本的な手入れ方法やメンテナンス・保管の注意点について紹介します。
スキムボードのおさらい
まずはスキムボードがどのようなスポーツなのか、そこから紹介します。
スキムボードとは?
スキムボードとは、波打ち際で浜辺から波に向かってボードを滑らせて走り込み、その勢いで波に乗るマリンスポーツです。スキムボードは、1920年頃カリフォルニアのラグナビーチ発祥とされており、ライフガードの遊びが起源とされています。
同じく波に乗るマリンスポーツのサーフィンやボディボードと違い、波打ち際で行うため比較的安全で、経験のない初心者でも始めやすいのが特徴です。
スキムボードの魅力
スキムボードの魅力は何といっても手軽にできること。サーフィンやボディボードは、パドリングをして沖まで行かなければなりません。スキムボードは波打ち際で浜辺から波に向かって走り込めばよいだけなので、大きく体力を消費せずに済みます。
さらに、スキムボードはボードさえあれば始められます。ボードの大きさも長さ約130cmで厚さも約2cm程度と比較的コンパクト。大きくて重いサーフボードのように、持ち運びのわずらわしさもありません。
さらに、スノーボードやスケートボードなどと同じく横乗りです。横乗りのスポーツが好きな人は上達も早いですし、はまりやすいという特徴もあります。
初心者が注意すべきこと
スキムボードはボードさえあればすぐに始められますが、何の予備知識もなくいきなり始めるのはおすすめできません。スキムボードをする人同士のマナーなどもありますし、波打ち際とはいえ浅瀬でも溺れてしまうことがあります。
今は初心者向けのホームページや動画など、簡単に探せます。まず始める前に基本的な知識などを学んでから実戦しましょう。
基本的なお手入れ方法
続いては、ボードの基本的なお手入れ方法について紹介します。まずは、お手入れに関わる3つのポイントです。
①真水でしっかり洗い流す
基本的なお手入れとして、海からあがった際、まずはスキムボードを真水で洗うことが重要です。スキムボードやサーフボードは海で使うため、海水に強いものだと思う方も多いでしょう。しかし実際には、海水に含まれている塩分は、ボードを傷めてしまいます。家や車が塩害にあうように、スキムボードも海水に濡れたままにしておくと傷んでしまうので注意しましょう。
そのため海からあがった後は、まず真水でスキムボードについた海水を洗い流しましょう。このとき大切なのは常温もしくは冷水を使うという点です。お湯を使った方がきれいに洗い流せそうなイメージもありますが、ボードにお湯をかけてしまうとボードが傷んでしまいます。熱いお湯に限らずぬるま湯もNGです。洗い流すときは必ず真水を使いましょう。
②柔らかいタオルなどで水気を拭き取る
真水で洗い流したあとは、柔らかいタオルなどを使って水気をやさしく拭き取りましょう。このとき、ゴシゴシと強く拭いてしまうとボードを傷付けてしまう恐れがあります。それを避けるため、ボードは柔らかいタオルや布で拭きましょう。
保管する場合はボードケースに入れておくことをおすすめしますが、入れる前にしっかりボードを乾かすことも忘れないようにしましょう。まだ濡れた状態で入れてしまうと、湿気でボードが傷んでしまうことがあります。
傷などがないかチェック
海からあがったら、ボードに傷などがないかチェックすることも重要です。大きな傷はもちろんですが、小さな傷でも放っておくとそこから海水が侵入し、ボードが傷んでいく恐れがあります。
傷を見つけたらすぐに修理しましょう。自分で修理するのが難しい場合は、知識のあるお店のスタッフさんに相談して修理してもらうのもひとつの方法です。
ワックスでお手入れ
スキムボードを長く使用するためには、ワックスを使用して手入れすることが必要です。ここではワックスを使用し、スキムボードを手入れする方法について紹介しましょう。
ベースコート
スキムボードの表側に塗るワックスは、大きく分けると2種類あります。ひとつがベースコートで、もうひとつがトップコートです。ベースコートとは、その名のとおりベースとなるワックスで、下地の役割を果たします。その上から重ねるように塗るのがトップコートです。
ベースコートは何度も塗る必要はありませんが、トップコートは流れ落ちやすいため、海に入る都度塗る必要があります。ただし、ベースコートは季節の変わり目に一度全部剥がし、きれいに落としてから再度塗り直しましょう。ワックスを剥がす際は、ドライヤーの温風を当ててワックスを溶かし、乾いたタオルで拭き取りましょう。そうすることで、ボードを傷付けることなく剥がせます。
ワックスの塗り方
ワックスの塗り方に決まりはありませんが、まずはベースコートをスキムボードに直接塗り、その上からトップコートを塗るのが一般的です。ベースコートを塗った方が次回の手入れが簡単になりますし、トップコートが剥がれにくくなります。ワックスを塗るとスキムボードの耐久性を高められるため、スキムボードを長く使うためには欠かせない手入れのひとつです。
ボトムワックス
ボトムワックスとは、スキムボードの裏面に塗るワックスのことです。ボードの表側に塗るワックスは、ボードに乗ったときにグリップを利かせ、滑りにくくするために塗りますが、ボトムワックスはボードを滑りやすくするために塗ります。
スキムボードは砂浜から波に向かい、ボードを滑らせて波に乗るスポーツです。ボードの裏面が滑りやすくなければ、スピードが出ません。もちろんボトムワックスを塗る理由には、ボードのボトムを傷などから守るという手入れ面での目的もあります。
メンテナンス・保管する際の注意点
スキムボードは、メンテナンスや保管する際にもいくつか注意点があります。ここでは、その注意点について紹介しましょう。
お湯で洗い流すのは厳禁
上記でも紹介しましたが、海からあがって海水を洗い流す際は、必ず真水を使用してください。お湯を使用するのはもちろん、ぬるま湯もNGです。お湯を使ったほうがきれいになりそうな気がしますが、なぜお湯を使用してはいけないのでしょうか。
それは、スキムボードは熱に弱いという特徴があり、お湯を使用するとボードが傷んでしまったり、剥離を起こしたりする恐れがあるためです。真冬の寒い時期であったとしても、ボードに付いた海水を洗い流す際は必ず真水を使用しましょう。
温度管理
スキムボードを保管する際、重要なひとつとして挙げられるのが温度管理です。上述したようにスキムボードは熱に弱いという特徴があるため、高温にさらされることで剥離という現象が起きてしまいます。
剥離はコーティングがフォームから剥がれて、ボードの表面が浮き上がってきてしまう状態のことです。ボードの中の空気が高温によって膨張し、それがボードの表面を押し上げることによって起こります。
日当たりの良い場所に設置された物置の中に、ボードを保管している方は要注意です。夏の強い日差しを受けた物置の中は高温になるため、風通しの良い日陰のような涼しい場所で保管します。
直射日光を避ける
直射日光を浴びる屋外でボードを保管することはもちろんNGです。直射日光による熱でボードが変形してしまったり、剥離を起こしたりする恐れもあります。
立て掛けていた場合、風などで倒れた衝撃でボードが傷付いてしまうことがあります。ボードを保管する場合は、屋内の日陰で涼しい場所に保管するようにしましょう。
まとめ
今回はスキムボード初心者の方やこれから始めようとお考えの方のために、ボードの手入れ方法や保管方法について紹介しました。スキムボードはサーフボードより小さいため保管場所もとりません。手入れも比較的楽ですが、正しく手入れや保管をしなければ長く使えません。ボードの海水を洗い流す際は真水を使うことや、高温の場所で保管しないなどの注意点を押さえましょう。正しく手入れ・保管してボードを長く愛用し、スキムボードを楽しみましょう。