サーフィンとスケートボードを足したような、海辺の注目のスポーツ「スキムボード」をご存知でしょうか。スキムボードは難しそうに見えますが、乗り方のポイントを覚えると、初心者でも楽しめます。ここでは、初心者向けに乗り方のポイントについて解説します。
初心者でもわかりやすいスキムボードの乗り方
スキーであれば初心者はボーゲンから始めますが、スキムボード初心者はどのような練習から始めれば良いでしょうか。ここでは、効率よく上達するために3つのステップの練習方法をご紹介します。
スキムボードに乗り込むことから始めよう!
スキムボードの最初のステップでは、ボードを持って波打ち際を走り、ボードを落としたところに飛び乗る「乗り込み」と呼ばれる動作をマスターすることから始めます。最初に浅いところで乗り込み、まっすぐに滑ることが第1のステップです。スキムボード初日は、まずボードを浅瀬に置いた状態で乗り込み、前に進む練習から始めます。
ビーチを滑るように動く ビーチスライド
乗り込みが上手くいくと、そのままバランスを取りながら波打ち際を滑っていきます。これを「ビーチスライド」と呼び、慣れるまでは滑る距離は伸びないかもしれません。ビーチにもよりますが、慣れてくると滑る距離が長くなり、スケボやスノボ系の技もできるようになります。
波の力を利用してターンする スピードラン
ターンの一種で、三角波が崩れた後の薄い波の力を利用し、浅瀬でターンすることが「スピードラン」。数あるターンの中でも簡単なので、ターンの基礎練習としてもおすすめです。スピードランを完全にマスターするのは難しく、上中級者の中にも完全に取得していない方が多いです。形になるまで3か月~1年くらいかかると言われています。
乗り込みやビーチスライド、スピードランを取得すると、中級へとステップアップしていきます。
まずはボードに乗り込む練習
スキムボードの基本になるボードの乗り込み方は、初めてスキムボードをする方にとって難しく感じるかもしれません。順を追って練習し、タイミングをつかむコツを覚えると、後は身体が自然と覚えてくれますので、安心してチャレンジしましょう。ここでは、ボードに乗り込むときの乗り方を、もっと詳しく紹介します。
・ドロップの練習
まずは、砂浜を利用してボードを落とし、乗り込むドロップの仕方を練習しましょう。ボードを落とす(ドロップ)ときには、前足の斜め前にボードのテールの部分がくるように落とします。
・オンボードの練習
ボードに乗り込むことを「オンボード」と呼び、利き足を後ろにし、一歩踏み出すような感じで前後に足を乗せます。膝を少し曲げて中腰のような体勢で身体と頭は前を向き、バランスを取りながら乗り込みます。砂浜で練習するときには、乗り込んだ勢いでボードが少しでも前に進むのがベストで、足はボードの中心線に乗っているのがポイントです。
・波に乗るタイミングを知る
砂浜である程度乗り込むことができれば、波打ち際でボードを滑らせる練習をしましょう。上手くボードを滑らせるには、水深2、3cm位が望ましく、だいたい波のピークから3秒後ぐらいを目安にするとよいでしょう。
・助走なしでの練習
まずは、寄せて来た波が折り返す位置で波を待ちましょう。波が折り返すと3秒待ってボードを押し出し、後ろ足から乗り込みましょう。小柄な方がボードを持つ場合、後ろ側の手を少々前に置くと持ちやすくなります。
・助走ありの練習
折り返す波の場所から、助走する分だけ後ろの位置で波を待ちます。あとは助走なしの場合と同じ手順ですが、助走がある分スピードが出て失敗した際の怪我のリスクが高くなるので、気を付けましょう。
乗り込み方のバリエーション
スキムボードの乗り込み方は主に3つのスタイルで、それぞれの特徴があります。自分で乗りやすいスタイルを見つけて、身につけましょう。
後ろ足乗り
ボードに乗る際、後ろ足から先に乗り込んで滑る方法で、一番メジャーな乗り込み方。後ろ足乗りで乗り込み、ボードのギリギリのところに後ろ足を置いてしまうと、乗った瞬間にシーソーのようにノーズが上がり、失速の原因になるので注意が必要です。
初心者のうちは乗り込んでからバランスを保つのが難しいので、必ず膝を曲げて姿勢を低くしてください。転倒したときに姿勢を低くしていた方が衝撃を弱められるため、怪我のリスクが減ります。安全に楽しむためにも、低めの姿勢を心掛けましょう。
前足乗り
足は通常、ボードの中央線に沿って両足を広げて置き、バランスを取ります。前足乗りは、前に置く足を先に置いて乗る方法です。慣れないうちは、スピードを上げて助走した際、前足を置くと勢い余って顔面から転倒する可能性があります。また、乗り込む際に勢いよく飛び乗ると、失速の原因になります。ボードに乗り込む際、飛び乗るのではなく、できるだけスムースに乗り込むよう心掛けてください。
ハンドプラント(モンキークロール)
別名モンキークロールとも言われるハンドプラントは、ボードを両手で持って走り、波打ち際ギリギリまで手を離さずに乗り込むスタイルです。ギリギリまでボードを持って素早く乗るため、慣れるまでタイミングを合わせることに苦労するかもしれません。コツをつかむとそれほど難しくありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。
慣れたらビーチスライドを楽しむ
ボードに乗り込むことに慣れてきたら、そのまま水面を流れるように滑る「ビーチスライド」の練習をしましょう。ボードに乗り込んだ後にバランスを保ちながら滑っていくと、そのままビーチスライドにつながります。ボードにしっかりと乗れていれば、心配することはありません。
波の上を滑ると地面との摩擦から解放され、日常では味わえない感覚は何とも言えない気持ちの良いものです。ビーチスライドに慣れるまでは、波の上を滑っているだけで楽しくなります。ビーチの状態にもよりますが、慣れてくるとスピードに乗り、20m以上の長距離を滑ることも可能です。
ビーチスライドに慣れてくると、滑っている途中にスケートボードのショートビットやオーリー、スノーボードのジブのような技を使うこともあります。「フラットランドスキム」という、ビーチスライド時に技を使う新しいジャンルも登場して、注目を浴びています。
その他にも、ターンの基礎になるスピードランは、スキムボードの中級・上級者でも正しく取得できていない方が多いです。まずはスピードランを正しく取得することが、中高難易度の技を取得する近道にもなります。スピードランは身体の動きでボードをコントロールでき、波の力を上手く利用できると考えられるためです。
スキムボードは波に乗って滑り始めた時点から、空気抵抗や水面との摩擦によって減速が始まります。波に当ててターンをするには、波の力を使って上手く加速したり、波に乗る瞬間に全速力にしたりします。また、滑っている時の減速をできるだけ減らすことや、ターン直前にレールを入れるなどしてターンできるでしょう。
コツを掴んでスキムボードマスターに!
スキムボードは乗り込むときのコツを取得すると、比較的短期間でビーチスライドまで進められます。さらに、ビーチランを完璧にマスターすれば、ターンやその他の色々な難易度の高い技も練習して少しずつ腕をあげていくと良いでしょう。乗り込み・ビーチスライド・ビーチランをしっかりとマスターして、脱初心者を目指してください。
スキムボードのメンテナンスを指南!しっかり手入れして保管しよう