スキムボードは、浜辺から波に向かってボードを滑らせて走り込み、その勢いを利用して波に乗るマリンスポーツです。まだ知名度は低いですが、手軽に始められるとして人気を集めています。今回はワックスやデッキパッドなど、スキムボードを始めたい方に必要なアイテムを紹介。
スキムボードに必要なアイテム
スキムボードは手軽に始められるマリンスポーツです。これから始めたい場合、何を準備すればいいのでしょうか?ここではスキムボードに必要なアイテムを紹介します。
ボード
まずは何といってもボードです。スキムボードにはさまざまな種類があり、初心者が自分にぴったりのボードを選び出すのは至難の技。
スキムボードは、大きく分けてフォーム(コア)・クロス・レジンという3つの素材で構成されており、それぞれ使用される素材によって性能や価格が変わってきます。簡単に説明するとフォームがボードの中心部分のことで、クロスはコアに貼り合わせてボードを補強する部分、レジンはボードの表面をコーティングしている素材のことです。
注目すべきはクロスで、使用される素材によってボードの価格や性能が変わります。種類としてはカーボン、Eグラス、Sグラス、テキサリウムなどがあり、中でもEグラスなど柔らかいクロスはボードが海面からの衝撃を吸収するため、波の上で安定しやすく初心者にはぴったりです。
デッキパッド・アーチバー
デッキパッドとは、ボードの表側(デッキ)の後ろ足を置く部分に貼るものを指し、アーチバーというのは、前足用のデッキパッドのことを指します。デッキパッドとは、滑り止めや足を置く位置を確認するために貼るアイテムです。アーチバーはボードにより力をかけるために貼るもの。どちらも、スキムボードを安全に楽しむためには重要なアイテムです。
ワックス
デッキ側に塗るワックスと、ボードの裏側(ボトム)に塗るワックスがあります。ボードの裏側に塗るワックスはボトムワックスと呼ばれ、ボードを滑りやすくするために塗るワックスです。ボトムワックスを塗るとスピードが出て技が決めやすくなります。
ボードを購入したらまずはデッキパッドとアーチバーを付ける
ボードを購入した次は、デッキパッドとアーチバーの貼り付けです。ここではデッキパッドとアーチバーについて詳しく見ていきましょう。
デッキパッド
デッキパッドは先程少し紹介しましたが、ボードのデッキ部分の後ろ足を置く位置に貼り付けます。デッキパッドを貼る理由はいくつかあります。まずひとつが滑り止めのため、そして後ろ足の位置を確認するため。さらにもうひとつがキック(デッキパッドのテール側の盛り上がり部分)を使ったクイックなマニューバのためです。
マニューバとは、波の上で進行方向を変える際の1つ1つのテクニックの総称で、これを素早く行うためにはデッキパッドを貼っておく必要があります。上で紹介した3つの理由は、スキムボード上達のために欠かせない重要な要素です。
アーチバー
アーチバーについても上述しましたが、こちらは前足用のデッキパッドのことで、スキムボード特有のアイテムです。アーチバーを貼っておくと前足の土踏まずあたりが高くなるため、ボードに対してより強い力がかけられます。
そのためエアーなどの技を出す際、足の引っかかりがよくなるのがメリットです。デッキパッドやアーチバーを一度貼ってしまえば、ワックスのように何度も塗る手間がかからないので非常に便利。ただし、貼り付けると剥がすのが大変かつワックスに比べて価格が高いことがデメリットです。
デッキパッドの貼り方
続いてはデッキパッドの貼り方について紹介します。まずデッキパッドを貼る前にデッキの汚れや埃、ワックスなどはきれいに落としておきましょう。デッキパッドの裏面には両面テープが貼られています。表面のフィルムをはがしてデッキに貼り付けましょう。
このとき紙フィルムを少しずつはがし、空気が入らないように貼り付けていくことがコツです。アーチバーも同じ要領で貼り付け、貼り付け終わった後は体重をかけながら足裏を使って圧着させましょう。
2種類のワックスで準備万全に!
スキムボードにおいては、ワックスも必需品です。ここではスキムボードに塗るワックスについて紹介します。
ワックス
スキムボードに塗るワックスは、大きく分けると2種類あります。表側のデッキ面に塗るワックスと、裏側のボトム面に塗るワックスで、デッキ面に塗るワックスの主な目的は滑り止めです。
デッキパッドとアーチバーを貼り付ければ、滑り止めは必要ないと思われる方もいらっしゃるでしょう。実際デッキパッドとアーチバーを貼り付け、ワックスを塗らない方もいます。そして、滑り止めだけならそれでも十分です。しかしデッキ面に塗るワックスには滑り止めだけでなく、ボードの耐久性を高めるという目的もあります。
さらに、アーチバーの面積はそれほど広くないため、特に初心者の場合は必ずしもアーチバーに足が置けるとは限りません。ワックスを塗っていなければ、アーチバーに足が置けなかった場合に滑ってしまい、ケガに繋がる可能性もあります。そのため特に初心者の場合はワックスを併用し、アーチバー以外の部分に塗っておくと安心です。
ボトムワックス
ボトムワックスとは、その名のとおりボードの裏面に塗るワックスです。デッキ面に塗るワックスが滑り止めのために塗るのに対し、ボトムワックスは逆に滑りをよくするために塗ります。
スキムボードは、砂浜から波に向かってボードを滑らせることにより、その勢いで波に乗るスポーツです。ボードのボトム面の滑りがよくなければスピードが出ないため、ターンやトリックなどをうまく決められません。そのためボトムワックスは非常に重要です。そして、ボトムワックスには滑りをよくするという目的だけでなく、ボトム面を保護するという目的もあります。
ワックスの塗り方
ワックスを塗る場合は、汚れをきれいに落としてから塗るようにしましょう。あとは必要な場所に塗りこんでいけばOKです。上述したようにワックスには滑り止めや、滑りをよくするという目的があります。それだけではなく、耐久性を高めたり保護する目的があります。塗っておくとメンテナンスが楽になり、ボードを長く使えるというメリットがあります。
そのほかセットで購入したいアイテム
上記で紹介したアイテムは、スキムボードを始めるうえで特に必要なアイテムです。ここではその他に合わせて購入したいアイテムを紹介します。
ボードバッグ
まず紹介するのは、ボードバッグです。その名のとおりスキムボードを入れるバッグのことで、1枚収容のものから複数枚収容できるものまで、さまざまな種類が存在します。中でも分厚いクッションが使われているボードバッグは、衝撃から守ってくれるのはもちろん、熱からもスキムボードを守ってくれる優れもの。
ボードをそのまま持ち運ぶとワックスが色々なところに付いてしまいます。持ち運ぶときにぶつけてしまうと、衝撃で割れてしまうことがあります。ボードバッグに入れて持ち運ぶと、まわりにワックスを付ける心配がありません。衝撃や熱からも守ってくれるため、ボードが長持ちします。
ウエットスーツ
1年を通してスキムボードを楽しむのであれば、ウエットスーツは欠かせません。サーフィン用のウエットスーツでも構いませんが、スキムボード用のウエットスーツを選べば、さらに動きやすく快適です。
ウエットスーツには、フルスーツやロングスリーブスプリング、シーガル、タッパーなどの種類があります。フルスーツは長袖長ズボンのタイプで、ロングスリーブスプリングは長袖半ズボンタイプのウエットスーツです。シーガルは半袖長ズボンタイプで、タッパーは上半身のみ長袖タイプのウエットスーツ。着用する時期などに合わせて選ぶといいでしょう。
水着・日焼け止め
夏にスキムボードを楽しむのであれば、ウエットスーツでなく水着でも十分可能です。ただし、夏場に水着で行う場合は、全身に日焼け止めを塗る必要があります。ウエットスーツを着用する場合も、顔には日焼け止めを塗ったほうがいいでしょう。海水でも落ちないようにウォータープルーフタイプの日焼け止めがおすすめです。
まとめ
今回はこれからスキムボードを始めようと考える方のために、スキムボードに必要なアイテムを紹介しました。スキムボードに必要なアイテムにはボードやデッキパッド、ワックスなどがありますが、最も重要なのはやはりボード選びです。初心者の方には、波の上で安定しやすく、クロスにEグラスを使用したボードをおすすめします。他にも準備しておくと便利なアイテムもありますので、お店の方に相談しながら選ぶとよいでしょう。
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