スケートボードの車輪部分のことを、ウィールといいます。滑走時のスムーズさや安定感、乗り心地、トリックのしやすさなど、非常に重要なパーツです。さまざまな種類があるため、ウィール選びに悩む初心者は少なくありません。今回は、安定感で定評のあるレックウィールのブランド詳細と商品種類を紹介します。
安定感を求める方におすすめのレックウィールの特徴
レックウィールとは
レックウィール(WRECK WHEELS)は、米国カリフォルニア州ダークスター(DARKSTAR)社のスケートボードブランドです。創立者は1980年代に世界的なプロスケーターとして活躍したチェット・トーマス。トップスケーターが所属する「A-TEAM」を脱退し、 1997年に自らの手で会社を設立しました。
会社運営に加わったのは、グラフィックデザイナーである弟のマット・トーマスです。アメリカンなポップイメージを保ちつつも押さえた色調を用い、ゴシックロマンが漂う独特のデザインで、コアなファンを獲得しています。兄弟それぞれの得意分野を活かし、会社は着実な歩みを見せてきました。
レックウィールは、ダークスター社設立から17年かけて、2014年に立ち上げられたブランドです。研究に研究を重ね、トーマス兄弟が送り出したのは耐久性、リバウンド性、グリップ力に優れたスケーター垂涎のウィール。それを実現したのは、他社で類を見ない、独自開発の高精度ウレタンです。トップクラスプレーヤーの経験をもとにした商品開発によって、ボードを自在に操ることができるウィールが世に送り出されました。
レックウィールの特徴
レックウィールが誇るのは、世界トップクラスといわれる高精度ウレタン「Ruin Formula」。同ブランドでは摩耗試験のビデオを公開し、他者を寄せ付けない性能の高さを示しています。実際のライドシーンで感じられるのは、何といってもそのグリップの強さです。
ボードのコントロールがしやすく、安定感がありながら加速がスムーズ。加えて、軽やかさ、なめらかさも素晴らしく、多少状態の悪い路面でのライドでもストレスが軽減されます。スケートボード初心者であっても、ウィールが提供してくれる安定性能のおかげで、爽快感が堪能できます。
レックウィールは強度なグリップ性能を備えつつも、パークやストリート、コンクリートボウルなど、場所を選ぶ必要がありません。思い通りの滑りができる、適度な硬さが持ち味です。足元が安定するので、アールでの姿勢制御も容易に感じられるでしょう。
ショートビット、オーリー、フリップなどのトリックに挑戦する際、ブレのない安定感が非常に重要です。しっかりと地面を蹴り上げ、スピードに乗れるウィールでなければ対応できません。レックウィールは、そのようなトリックにチャレンジするための足元も、しっかりと支えてくれるウィールといえるでしょう。
ウィールの基本を知ろう
ここでは、ウィールについての基本知識に照らし合わせて、レックウィールを見ていきましょう。
ウィールの構造
スケートボードのウィールは、ボードの前後両側にあるアクスルシャフトに、2つずつ取り付けられるため、通常は4つセットでの販売です。ウィールは、ベアリングを取り付け、ナットで固定します。このときのナットの強さが適当でなければ、滑走時にトラブルが起きる可能性があるため注意しましょう。
ナットの締め付けがゆるすぎると、外れてしまう危険性がありますが、逆に締め付けすぎるとスムーズな滑走の妨げとなる可能性があります。店舗やスケートボード経験者から適切な加減を聞いておくと安心です。
ウィールの種類
ウィールの種類は、大きく分けると「ハードウィール」「ソフトウィール」の2つあります。ハードウィールは、一般的なスケートボードに適しており、細かな足の動きが伝わりやすいことが特徴。一方で、ソフトウィールは、ロングボードやペニーなどファッション性の高いミニクルーザーで採用されることが多いタイプです。
その名の通り柔らかな素材で作られているため、走行音が比較的静かでスピードがあげやすく、長距離のクルーザーに向いています。路面の状況が悪い場所でも、衝撃が伝わりにくい点はメリットです。しかし、その分細かな操作がしづらいのがデメリットです。
レックウィールは、ハードウィールに属します が、「他社製と比べるとグリップ力が高い」というソフトウィールのメリットも同時に備えています。適度な硬さと優れた快適性により、乗る人を選ばず、さまざまなライドシーンに対応可能です。
ウィールのサイズ
ウィールの大きさは直径と幅によって決まり、さまざまなサイズがあります。ウィールのサイズによっても、ボードの使い勝手は大きく左右されるのが特徴です。直径が大きいほど1回転あたりの距離が広がるため、スピードは速くなります。
さらに、ウィールの幅が広いほど地面との接地面積が大きくなるので、安定性が増します。しかし、直径が大きく幅が広くなれば、その分ウィールの重量も重くなるため注意が必要。ボードに対してウィールが重すぎる場合は、小技が効きにくくなります。操作性が低下してしまう可能性があるので、注意しましょう。
ウィールの直径
現在、般的なウィールの直径は、50~60mmが主流 となっています。通常、初心者がショップで選ぶ際には、重量と大きさのバランスの取れた52~53mm程度がおすすめ。50~52mmの小さめサイズは軽く、扱いやすいので回し技などをしたい場合に適しています。
それより大きい53~55mmサイズは、スピードを確保しやすいので、ダイナミックな技をする人向きです。小さめのウィールよりも粗い面でのライディングに対応できるので、ストリートで乗るスケーターに好まれるタイプといえます。
55mm以上の大型は、粗めの地面でも減速せずに進めるため、クルーザーに向いています。しかし、ウィールが板に当たらないよう、調整が必要となります。レックウィールの売れ筋の直径は、51~55mmと、使いやすいサイズでの展開です。なかでも、初心者向きの52~53mmの商品は人気が高く、店舗によっては在庫切れになっていることもあります。
ウィールの幅
ウィールの幅については、アクスルシャフトとの兼ね合いもあり、直径ほどのバリエーションはありません。数値的にも、直径のように決まったものはなく、各ブランドによって異なることも。その場合は、見た目でおよその幅を見極める必要があります。
幅が広いウィールは、接地面が広く安定性に優れるため、パークのように滑りやすい場所でもしっかりとホールドしてくれます。幅が狭いウィールは、ボード全体の重量が軽くなり、ショービットやフリップトリックなどの回し系トリックにチャレンジしたい人向きです。
また、ノーズやテールがすれるようなトリックの場合にも、引っかかりが少なく比較的スムーズにこなせる可能性が高まります。レックウィールでは、33~35mm幅でのアイテム展開が多い傾向です。形状は、スクエアカットで接地面を広く取り、グリップ力と制御力を向上させています。
ウィールの硬さ
『ウィールの種類』でも少し紹介しましたが、硬さはウィール選びの重要なポイントです。硬さのあるウィールほどトリックには向いていますが、路面の凹凸が激しいところでは、衝撃が足に伝わりやすく技が決めにくい場合もあります。
ウィールの硬さについては、95~101の数値と「A」「D」「S」などのアルファベットで表記されているのが特徴です。アルファベットについては、ブランドごとに違う規格を設けているため、問題ありません。数値については、付いているアルファベットが変わってもほぼ同じです。
数値は、大きいほど硬くなり99が標準とされているため、初心者のうちは99を基準に選ぶとよいでしょう。また、良く滑る場所が決まっている場合には、路面によって数値を選ぶことも方法の一つ。例えば、路面が粗目のストリートであれば柔らかめの95~97、なめらかなパークが多いのであれば100、その時によって場所を変えるのであれば98~99がおすすめです。
レックウィールは、適度な硬さで知られていますが、グリップ力と共に高い操作性に定評のあるブランドのため、多彩なライディングシーンで活躍してくれるでしょう。
レックウィール商品の紹介
・W1 ORIGINAL CUT BLACK 51mm 83B
直径:51mm 幅:31.5mm 接地面:15.5mm
・W2 SQUARE CUT ORANGE 53mm 83B
直径:53mm 幅:33mm 接地面:18.5mm
・W1 ORIGINAL CUT WHITE 52mm 83B
直径:52mm 幅:32mm 接地面:16mm
ファン多数のレックウィール
トッププロスケーターが立ち上げ、育て上げたレックウィール。抜群のグリップ力と安定性の高さで初心者からベテランまで幅広い層を満足させてくれるでしょう。技を決めるためのスピードも十分で、滑る場所の多様性にも対応しています。初心者にとっては、足元がしっかりと保持されていることが上達するうえでも重要です。
人気の商品だけに国内では売り切れ続出のようですが、機会があればぜひ手にしてみたいですよね。また、レックウィールの運営元「ダークスター社」では、ファッショナブルなウェアも提供しています。国内でレックウィールが入手できないときには、本家サイトをのぞいて見るのもおすすめです。
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