海岸沿いで楽しめる「ビーチコーミング」というアクティビティが話題です。特別な道具は不要で、家族連れや友人とみんなで楽しめるのが魅力。さらに、場所や訪れる時期によって、採取できる漂着物が異なるのが特徴です。今回はビーチコーミングで、お宝に出会うためのポイントを解説します。
手軽に誰でもできるビーチコーミング
ビーチコーミングとは?
ビーチコーミングとは、波とともに浜辺に流れてくる漂着物を見つけること、観察して集めることをいいます。ビーチコーミングは海外で一般的に行われており、日本においても最近注目されているアクティビティのひとつです。海へいき、流木やサンゴ、貝殻、小石のほか、波で角が削れて丸みを帯びたガラス片(シーグラス)を採取できます。
ほかにもプラスチックゴミなど、自然界に残ってしまったゴミが見つかることがあり、ビーチコーミングを通して環境問題を考えるきっかけの場にもなります。
また実際に貝殻や流木などを探しに行った場合に、さまざまな海の生き物と遭遇することもあり、生態系や生き物の様子を観察する場として、活用されているのも特徴です。潮の流れによって流れてくる漂着物はさまざま。日本においても多様な漂着物に出会えます。
中には何十年も前に製造された瓶類や、海外の珍しい瓶や小物類が流されていることもあり、ちょっとした宝探し感覚で楽しめます。
ビーチコーミングの醍醐味とは?
採取できたものは、持ち帰ってそのまま飾ってもよいですし、DIY作品やハンドメイド作品の材料として利用できます。特別な用意は不要で、ふらりと浜立ち寄った際やお出掛けのついでに浜辺で楽しめて、家族や友人、カップルなどで一緒にできるのが魅力です。
砂浜を掘るアイテムがあれば、土や砂に紛れた貝殻やビン類、シーグラスなどをゲットすることも可能。どんな漂着物に出会えるのかとワクワク感が味わえるのはビーチコーミングの醍醐味といえます。
ビーチコーミングにおすすめの時期
ビーチコーミングは1年を通して楽しめますが、その中でもおすすめの時期について解説します。
台風が頻繁に訪れる9月から11月頃
ビーチコーミングにおすすめなのは、台風が多く発生する秋頃。なぜかというと台風による強い雨風によって海が荒れ、海の深いところにあったものがかき回され、激しい波によって、多くの漂着物が浜辺に打ち上げられるからです。台風の後に限らず悪天候の翌日など、海が穏やかになったタイミングで浜辺に行ってみるのもよいでしょう。波によって打ち上げられた漂着物が多いため、お宝に出会える可能性が高くなります。念のため台風のシーズンに浜辺へ行く際には、海の状況を事前に調べて、穏やかなときに足を運ぶのが安心です。
このようにビーチコーミングへ行く際には、ここ数日の天候を前もってチェックしておくことをおすすめします。
冬から春
漂着物は風の流れによって浜辺に流されます。日本海の海岸では、北風が吹く冬場に漂着物が打ち上げられるため、冬から春にかけての時期もビーチコーミングに最適な時期です。日差しのある暖かい日にビーチコーミングに出掛けてみるのもよいでしょう。
夏場は避ける
ビーチコーミングは、浜辺のさまざまな場所で漂着物を発見でき、1年を通して楽しめますが、夏場は海水浴などで浜辺を訪れる方が多く、珍しい漂着物などは先に採取されてしまう可能性があります。また、時間帯によっては直射日光が強いため、熱中症にならないような対策が必要です。
夏場に行く際には、比較的紫外線が落ち着く午前中か夕方ごろに時間を調整し、浜辺を訪れてみましょう。
見つけやすい時期
効率よくビーチコーミングを楽しみたい方は、漂着物を見つけやすい時間帯を知っておくとよいでしょう。せっかく浜辺へ行っても、思ったほど収穫がないことがあります。せっかく行くのであれば、漂着物を見つけやすい時間帯を狙いましょう。
ここでは1日の中でも特に漂着物を観察、採取しやすい時間帯について解説。漂着物を見つけやすいタイミングに行ってみると、思いがけないお宝に遭遇できる可能性も高まります。
早朝
漂着物を見つけやすい時間帯としておすすめなのが早朝です。まだ誰もいない浜辺では、先に漂着物を発見される心配がありません。ゆっくりとビーチコーミングを満喫できます。
「早起きは三文の徳」ともいい、日の出を見ながら素晴らしい景色のもとで浜辺周辺を散策するのは清々しくて気持ちが良いもの。観光や出張で海沿いのホテルや民宿に泊まった翌日の早朝など、誰もいない浜辺でのビーチコーミングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
干潮時間の1~2時間前
漂着物を見つけやすく、拾いやすいといわれているのが、干潮時間の1~2時間前です。浜辺の面積が通常よりも広がるため、普段は海水に隠れている場所の漂着物を観察できます。
潮干狩りができる浜辺は、シーズンになると観光客で混雑するため要注意です。さらに潮位は場所によって変わるため、どの浜辺に行くのか事前にチェックし、潮位表を調べるとよいでしょう。干潮時間が夜間帯であれば、ナイトビーチコーミングを楽しめることも。昼間とは違って、ライトに反射するシーグラスを探してみるのも趣があります。
潮が満ちていて観察できなかったところも、干潮時間前に行けばじっくりと観察できます。
海のお宝を見つけやすい場所
ゴロゴロとした石の間に、きらりと光るシーグラスや貝。ビーチコーミングは思いがけない漂着物との出会いを求めて、宝探しをしているような気分になるでしょう。ここでは海でお宝を見つけやすいおすすめスポットについて紹介します。
高潮線沿い
満潮時、海面が陸地と接している線を高潮線といい、潮位が下がってくると、満潮時の波の跡がくっきりと砂浜に浮かび上がります。高潮線には漂着物が集まりやすくなっているため、ビーチコーミングをする方にとっては外せないポイントです。
陸側に目を向けると、潮位によって波の跡が何カ所かラインとなって現れます。そのラインに沿って端から端まで散策してみましょう。海側をみると、潮位が下がるにつれて帯状のラインを確認できます。
ラインの場所によって採取できる漂着物はさまざまです。違いを観察しながら、ビーチコーミングを楽しめます。
岩棚
棚のような外観で平らな面が特徴的な岩棚では、タカラガイや巻貝といった貝類を見つけることも可能。タカラガイは丸いシルエットが特徴的で、光が当たるとキラキラと光ります。インテリアとしてもアクセサリーとしても、さまざまな場面で活用できるため人気です。
河口付近
山の木々が台風や雨風によって流され、流木となって河口付近に集まります。流水によって削られた独特なフォルムが特徴的で、ビーチスタイルやお部屋のインテリアとして取り入れている方が多いです。
流木はフリマアプリやホームセンターなどで購入することができますが、ビーチコーミングに行くとお金をかけることなくお気に入りの流木を手に入れられます。
岩浜
ゴツゴツとした足場の岩浜には、砕かれた貝殻類を発見できます。足元が凸凹しているので、運動靴が安心です。よく観察すると、海の生き物を発見できます。
砂浜
砂浜では貝殻やシーグラス、小石などが発見できます。干潮時は、より広い範囲を散策できるため、海の中に隠れていたお宝をゲットできるチャンス。
角がとれて丸みを帯び、太陽光に当てると柔らかい色を放つシーグラスは、アクセサリーなどハンドメイド雑貨やインテリアとして人気です。さまざまなサイズや色合いのものを発見できます。
まとめ
特別な用意は不要で、ふらっと海辺に立ち寄った際でも気軽に楽しめるビーチコーミング。さらに漂着物を発見しやすい時期や時間帯を狙って行ってみると、珍しいお宝に出会う可能性もアップします。同じ場所でも、毎回異なる発見があるのはビーチコーミングの醍醐味でしょう。漂着物を通して、そのものの美しさや生き物の生態、自然環境について思いを馳せてみるのも楽しいです。
ぜひ仲間や家族と一緒に、浜辺へビーチコーミングに出掛けてみてはいかがでしょうか。
海の漂着物を探すビーチコーミングの魅力やおすすめスポットを紹介