初心者のサーファーにとってアップス&ダウンズは、基本テクニックといわれています。テイクオフ同様に、最初に身につけるべき技ですが、実際にチャレンジすると思うようにいかないことが多い傾向です。ここでは、初心者がアップス&ダウンズをスムーズに身につけるポイントをまとめて紹介します。
テイクオフに慣れたら技にチャレンジ!
アップス&ダウンズは、テイクオフを身につけたあと、ぜひチャレンジしてもらいたい技の一つです。
テイクオフからアップス&ダウンズへ
パドリングの基本動作を覚えたサーファー初心者の方が、最初に身につける基本テクニックがテイクオフです。サーフィン初歩的な技であり、ベテランになっても練習しつづけるという奥深いテクニックでもあります。
初心者の方でテイクオフができるようになったあと、最初に身につけたい技の一つがアップスとダウンズです。英語の「Ups&Downs」が由来の言葉で、日本ではアップス&ダウンズや、単にアップスやアップスンと呼ばれることもあります。
日本でアップス&ダウンズが大切なわけ
日本は、海外と比較して波が小さく勢いに乏しいことから、サーファー自身で加速して波を横走りしなければならないサーフポイントが大半です。そのため、日本のサーフィンは、横に走るアップスの技術が求められます。
アップス&ダウンズは、基本テクニックとはいっても、初心者の方にとって簡単に身につくものではありません。ショートボードであれば、波を上下にうまくキャッチするだけで楽しい滑りができます。
しかし、日本のパワーの弱い波に対応するため、初心者のうちからアップス&ダウンズをチャレンジしておくことは大切です。
スピードのあるサーフィンをするために、役立つアップス&ダウンズのテクニック。どのようなテクニックなのか、見ていきましょう。
初心者おすすめ!アップス&ダウンズ
これからサーフィンを楽しむためには、ぜひアップス&ダウンズを身につけることをおすすめします。
サーファーのテクニックが必要
波のパワーが弱い日本のサーフポイントで、ぜひ身につけたいアップス&ダウンズ。一般的にサーフィンは、波が海岸へと打ち寄せる力を利用して、サーフボードが水面を滑っていきます。しかし、波の状態が弱ければパワーが得られないため、サーファーのテクニックでカバーしなければなりません。
また、サーフィンに慣れてくると、さまざまなテクニックにチャレンジしたくなるときがやってきます。アップス&ダウンズから次の技に入ることになるため、初心者の間に基本をマスターしてください。
アップス&ダウンズのポイント
アップス&ダウンズのポイントは、サーフボードに立ち上がった状態で、体重移動を繰り返していくことです。重心を瞬時に移動させながら、波のフェイスを縫うように上下していきます。サーフィンの基本となる「進行方向に目線をあわせる」ことが大切。
また、広い視野をもって波全体を見わたしながら、次に乗りたい波の割れ方をキャッチしていきます。なお、アップス&ダウンズの練習で海に入る前に、岸辺の高いポイントから波の状態を観察しておくと安心です。
波のボトムの起き上がり方は、サーフポイントの天気や時間帯によっても異なります。初心者の場合、波を察知する余裕がありません。なぜなら、実際に海に入ってからではパドリングやテイクオフに意識を集中してプレイしなければならないからです。
そのため、「波をいかに読み取るか」についても、アップス&ダウンズがうまくできるようになるコツの一つといえます。
アップス&ダウンズの基本動作
いよいよ、アップス&ダウンズの基本的な動きを見ていきます。最初に、全体的な身体の動かし方の確認です。
目線
アップス&ダウンズでもっとも基本ポイントは、目線を常に進行方向に置くこと。乗り変えるボトムは、次々とやって来ます。サーフボードやノーズのすぐ前方にばかり目線をとらわれていたのでは、タイミングが遅れてしまいかねません。そのため、必ず次に乗りたい波のボトムに目線を置きます。
つまり、目線は常に進行方向の斜め下にあるボトムのあたりが正解です。波の下半分を意識しながら、トップから滑り下りるようにすれば、自然に加速がついていきます。
スタンスで大切な膝と前足
アップス&ダウンズでは、スムーズでなめらかな動きが基本です。ターンはやさしく、前足よりも後ろ足を前方に意識します。加速したいときほど、勢いをつけたターンは必要ありません。ゆったりと縫うようなソフトな動きを心がけてください。
フロントサイドの動き
ここからは、アップス&ダウンズをフロントサイドから見ていきます。
フロントサイドとは
サーフィンのテクニックでは、進行方向によってフロントサイドとバックサイドで方向別に使い分ける必要があります。フロントサイドとは、波に対して正面に向いた姿勢です。進行方向が身体の前面に向いているので、視界が前方に開けています。
トップやボトムといった波の状態を観察しやすく、前足や後ろ足の加重を意識しながら加速します。そのときの体重移動は前方となるため、初心者でも次のテクニックにつなげやすい点がメリットです。
一方で、「視野が広く見える」「体重移動がしやすい」といったことから、テイクオフで早く立ち上がってバランスを崩しやすいのがネック。波の状態をしっかりと察知しながら、スピードに乗った状態でアップス&ダウンズに入ることがポイントです。
フロントサイドでの動き方
1.パドリングでサーフポイントに出たら、波が切り立つタイミングをつかみます。切り立ったトップのタイミングでサーフボードを波に乗せましょう。このとき、サーフボードは岸辺の方向を向いています。
2.波に乗ったら、自然にサーフボードが進行方向に向いてきます。岸辺のほうを向いていた上半身は、進行方向に向けるのがポイントです。つまり、身体とサーフボードの向きは同じです。上半身だけ、もしくはサーフボードだけ進行方向以外の向きでは、横走りができずバランスを崩したり、失速したりします。
3.スタンスが安定してきたら、サーフボードを岸辺の方向へと再び向け直します。このとき、波の切り立っているトップをつかんでおくと、滑走しやすくなるでしょう。
4.前足に加重をしながら、レールを波の表面へと入れていくと、加速がついてくるのを感じます。
5.上半身とボードは、進行方向に向けておくのがポイントです。
バックサイドの動き
ここからは、アップス&ダウンズをバックサイドから見ていきます。
バックサイドとは
波に正対するスタンスがフロントサイドだったのに対して、バックサイドは背を向けているのが特徴です。バックサイドの場合、進行方向に対して背中側を意識して加重していくため、バランスを崩すとサーフボードから背面で海に落ちやすくなります。
また、首や上半身の可動域の関係で、進行方向の目線が届きづらいのがポイント。バックサイドで波にうまく乗るためには、前側の肩をできるだけ波に向かって開くことが大切。視界を広く確保するために、もっとも大切なコツです。
波に対して肩を開く角度が狭くなるほど、波全体の様子がつかみづらくなります。肩が自然に開くためには、テイクオフに入るとき、あごを前側の肩につけながら腰を落としていくことが大切。すると、重心が下がって肩が開きやすくなることを実感できるはずです。
バックサイドでの動き方
1.テイクオフから横方向へと加速していきます。
2.波を観察しながら、波のブレイクをキャッチして乗るタイミングをあわせます。バックサイドでは波が見えづらいため、肩を中心に上半身を開きながら視界を十分に確保してください。
3.前足に加重をかけながらボトムに下りていきます。無理に滑り下りようとせず、波が作る傾斜を滑っていきながら加速をつけてください。
4.ボトムの下まで滑る直前でサーフボードのレールを波の表面に入れます。スピードを維持しながら横方向へとスムーズに移動してください。トップに上がるときは、後ろ足に加重をかけながらアップします。
5.目線は、次に乗る波を素早くキャッチ。同時に、サーフボードを上下に細かく動かしながら、次の波のトップを目指します。
まとめ
アップス&ダウンズは、テイクオフとセットで初心者の方が身につけたいテクニックです。ただし、基本を覚えるまでには、テイクオフよりも時間がかかります。日本では、波の条件からアップス&ダウンズを初心者のうちから学んでおきましょう。目線をうまく移動させられるか、フロントサイドとバックサイドで視野の確保や足の加重の仕方をうまく切り替えられるかなど、覚えることはたくさんあります。一つ一つの動きを大切にしながら、練習を重ねていってください。
初心者でもわかりやすい!サーフィンのパドリングのテクニックを紹介