サーフィンを楽しむには、事前に波の情報を知ることが大切です。せっかくサーフポイントに出かけても、波のコンディションが悪いと、十分に楽しめません。しかし、現代では、いろいろな手段を使って波を知ることが可能です。ここでは、事前に波の情報を正確に知る方法について、説明します。
波の情報で何を知る?
波の情報を知るのは難しいと思ったかもしれませんが、気象情報で明日の天候を知ることと変わらず、簡単に知れます。では、どのような情報をあらかじめ知っておく必要があるのでしょうか。
事前に必要な波の情報とは?
サーフィンを楽しむのに必要な波の情報の中でも、特に大切なのは「波の大きさ」と「風向き」です。低気圧によって発生するうねりの方向に対して、風の向きがちょうど真逆になると、サーフィンに最適な環境になります。
低気圧が発生している場所と風向きが正確にわかれば良いので、まずは天気図で低気圧の位置とうねりの大きさを正確に把握することが大切です。その上で、各地の風向きをチェックし、オフショア(岸から海に向かって風が吹いている場所)になっている地点について、候補を挙げます。
満潮と干潮にも注意
候補に挙げた地点に関するピンポイントな天気予報と、満潮・干潮の時刻を確認。潮の満ち引きによって、波のコンディションが大きく変わるため、満潮と干潮のタイミングを見ることが非常に重要です。
満潮を迎えた後、干潮までの間を「下げ潮」「引き潮」という海面が下降した状態。逆に、干潮から再び満潮になるまでの間は「上げ潮」「満ち潮」という海面が上昇した状態です。この下げ潮・上げ潮となっているときに波のコンディションが良くなります。
一方、満潮・干潮を迎えたときは波が立ちにくくなるため、サーファーにとっては休憩時間です。そのため、干潮や満潮がいつ来るのかが、サーファーに大きな影響を与えます。
公式情報で確認
波の情報を事前に知る方法ですが、最も簡単なのはインターネットを使うことです。ここでは、いくつかのサイトを紹介します。
公式サイト
最初にチェックしておきたいのは、海上保安庁のサイトにある「海洋速報&海流推測図」。信頼性の高い正確な情報を多く提供しているため、多くのサーファーがチェックしています。「海水温度が何度あるのか」が、色分けされてわかりやすく表示されているため、ワックスの準備などにも役立つサイトです。
潮の満ち引きを詳細に確認するなら、気象庁のサイトにある「潮位表」です。2021年1月現在で、全国に約240カ所の潮位に関する予測値の速報を見ることが可能。普段とは違って遠い場所でサーフィンをするときにも役立ちます。
気象情報もチェック
サーフィンに限らず、普段の気象情報を確認するのに使っているサイトの中にも、サーフィンに役立つ情報が含まれています。例えば、「goo天気」に掲載されている「波予測」では、波の高さや周期、風の向きや速度などの予測値が確認が可能です。日本地図や色分けでわかりやすく掲載されています。
「tenki.jp」は、一般財団法人日本気象協会などが運営する天気予報専門の情報サイト。全国のあらゆる地点の波の予測状況が図示され、毎時ごとの潮位も表にまとめられていて、見やすいのが特徴です。
「海天気.jp」は、全国に約8,200カ所もの海に関する天気予報や気象情報、風の向きや速度、潮汐などに関する気象データを無料で使える海洋気象情報サイト。サーフィンのみならず、マリンスポーツや釣りなど、海に関するさまざまなアクティビティで活用できます。
ネットの情報を活用
公式サイトにより、気象情報をつかむことも大切ですが、インターネットでさらにピンポイントな情報をつかめます。
ブログやSNSをチェック
まずは、サーフポイント近くにあるサーフショップで、ブログなどで情報を提供している場所があるかどうかチェック。また、口コミをSNSで前日にチェックする方法もあります。主観的な意見の可能性もありますが、生の声が聞けるのが大きなメリットです。
さらに、ブログで毎日波の様子の画像を貼って伝えたり、ライブカメラでリアルタイムに伝えたりしている方もいます。
まとめサイトもチェック
SNSやブログで個々の情報を手に入れることも可能ですが、中にはさまざまなサーフショップの情報を集めた、まとめサイトもあります。地域ごとにまとめてあり、それぞれのサイトに飛ぶようにリンクが貼られているため、一度に多くの情報を見るのに便利です。
スマホアプリを活用
波に関する情報は、スマホアプリでも、簡単に情報を得ることが可能です。ここでは、いくつかあるアプリの中から4本を紹介します。
BCM波情報Viewerアプリ
最初に紹介するのは、「BCM波情報Viewerアプリ」。神奈川県茅ヶ崎市にある会社が手がけたアプリで、波の大きさや風向き、天候などをわかりやすくイラストで表現しています。サーフィンでよく出かけるポイントをあらかじめ登録しておくと、一覧で調べることも可能です。
また、ライブカメラ映像や定点動画など、一部のサーフポイントに関する状況が動画で確認できるのが大きなメリット。有料会員のみの閲覧が可能ですが、無料でも一部の機能が利用できるので、まずは無料で試してみるのがおすすめです。
波伝説 “Catch the wave” サーフィン波情報
2本目は、「波伝説 “Catch the wave” サーフィン波情報」。こちらも神奈川県の藤堂と、湘南エリアにある会社が運営しているサービスです。 基本的な天候情報や波、風向きに関する情報の提供はもちろん、細かい情報を提供しているのが大きなポイント。
その分、他のアプリより表示されるサーフポイントの数が少ない点はデメリットかもしれません。しかし、決まりきった文面による説明ではなく、一部のサーフポイントでは、目視による波情報や、実況音声の付いた動画による情報提供、ライブ映像によるリアルタイム動画情報など、細かい情報を提供してくれるのが大きな特徴です。
なみある?アプリ サーフィン&波情報
3本目は、「なみある?アプリ サーフィン&波情報」。こちらも波の大きさや風向きなど、基本的な情報を提供しています。1999年に日本で携帯電話向けiモードサービスが開始された際、第1号のモバイル向け波情報サイト「なみある?」として誕生し、情報を提供し続けています。
全国約140カ所のサーフポイントの波情報が毎日配信され、このアプリ専属の気象予報士や波予報士による状況のコメントや、48時間先までのうねりや風に関する情報も確認が可能です。
また、Apple Watchにも対応しているため、スマホを見なくても、簡単に情報が確認できます。iPhoneは14日間、Androidの場合、7日間の無料トライアルもあるので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
サーフィンや釣りにタイドと波情報 SurfTideΔ
4本目は、「SurfTideΔ(デルタ)」。情報ソースは、WorldWeatherOnlineを利用していて、現在や未来の潮の動きを簡単に確認できます。無料で利用できるのが魅力で、サーフィンや釣りに関するニュースもリアルタイムで更新されApple WatchやAndroidのウィジェットとの連携にも対応しているのが特徴です。
まとめ
今回は、満足のいくサーフィンに必要不可欠な、波の情報を知る方法について、さまざまな角度から紹介しました。単に天候がよいということだけで、前準備なしに出かけてしまうと、期待したような波に出合わなかったり、サーフィンができなかったりするなど、がっかりするでしょう。そうならないよう、波の情報について自分が調べやすい方法で事前にチェックしておきましょう。