サーフィンをする時に最も大切なのが「波」。大きな波はサーファーの憧れです。今回は、サーファーなら知っておきたい世界最大の波や大波になる条件を紹介します。
波が起きる仕組みを解説
サーフィンは、波を利用して楽しむマリンスポーツです。毎日波の状態をチェックしている人も多いのではないでしょうか。しかし、波がどのように起こるのか知らないという人も少なくありません。ここでは、波が起こる仕組みを解説します。
風が影響している
海に波が起きる理由のひとつが「風」。海水が風に押されることで波が発生します。波が起きてすぐの小さく、細かい波は「さざ波」と呼ばれるものです。そして風が吹き続けるとギザギザとした波、「風浪(ふうろう)」に変化していきます。
また波は、風のエネルギーを吸収しながら、進む性質があるので、風が強くなるほど、大きなエネルギーを受け、大波が発生しやすくなるのです。
引力の影響を受けている
月の引力も、波に影響を及ぼす理由のひとつとされています。月の引力で起こる潮の満ち引きにより、絶え間なく動く海面が、波を形成する要因となっているのです。
大波になる条件は?
大波は、風はもちろん気圧や地形、波同士が重なり合うなどの条件が揃った時に起こると考えられています。それだけに、大波を予測することは極めて難しく、海難事故につながるというケースも。日頃から海に入る際は注意しておく必要があります。
世界最大の波の高さは?
低気圧の影響を受け、大きな波が起きやすくなる冬のシーズン。時には想像を絶するようなサイズの波が発生することも。ここでは、世界最大の波の高さを紹介します。
世界最大の波は25m超え!
サーファーが乗った波として確認されている最も大きな波は、80ft、約25mもの高さです。この波に乗ったのは、ブラジルのサーファー「ロドリゴ・コウシャ」。ビル6階ほどの高さの波をメイクしたこの記録は、ギネス世界記録に認定されています。
津波では520m
1958年には、「リツヤ湾大津波」が発生。520mを超える巨大波がアラスカ州を襲いました。氷河によって侵食された複雑な入江(フィヨルド)であったリツヤ湾。地震が起こり、斜面が崩落し、土砂や氷塊が海中へとなだれ込み、大波が発生しました。波の高さは524mで、これは観測史上最も高い波とされています。
動画でチェック
こちらの動画では、リツヤ湾を襲った巨大波や、歴史上で発生されたとされる巨大波の高さや原因を分かりやすく解説しています。ぜひ見てみてください。
ビッグウェーブで有名な世界のサーフポイント
サーファーなら誰もが憧れる「ビッグウェーブ」。ビッグウェーブが現れるポイントは世界各地にあります。ここでは、ビッグウェーブで有名な世界のサーフポイントを紹介。ぜひチェックしてみてください。
ナザレ
ヨーロッパの巨人と呼ばれる「ナザレ」の大波。ナザレはポルトガル屈指のリゾート地です。世界最大級のビッグウェーブで知られ、2020年には60ft、約18m超えの波が発生し、話題となりました。
ジョーズ
ハワイ・マウイ島のサーフポイント、「ジョーズ」。WSLのツアーの会場としても知られています。冬になると低気圧の影響を受け、ビッグウェーブが発生。世界中のサーファーがこのビッグウェーブを一目見ようとこの地を訪れます。
パイプライン
ハワイ・オアフ島のサーフポイント「パイプライン」。波の大きさ、クオリティともに世界一と称されるポイントです。こちらも冬になるとビッグウェーブが炸裂。この時期に開催されるパイプラインマスターズでは、トップサーファーたちによる熾烈な戦いが繰り広げられます。
マーヴェリックス
映画の舞台にもなった「マーヴェリックス」。アメリカ・カリフォルニア州のサーフポイントです。沖合のサンゴ礁の独特な形状により、世界最大級の波が押し寄せます。多くのサーファーが命を落としていることから、世界で最も危険なサーフポイントとしても知られています。
ダンジョンズ
「ダンジョンズ」は、南アフリカ・ケープタウンのサーフポイント。ビッグウェーブワールドツアーの開催地としても知られています。南極からのストームがうねりをもたらし、ビッグウェーブが次々と押し寄せるポイントです。
ザ・ライト
オーストリア屈指のビッグウェーブが発生するサーフポイント「ザ・ライト」。鍛え抜かれたトップサーファーでもパドルインは不可能とされ、ボートに先導してもらう「トウイン」でのみエントリー可能。巨大なビッグバレルは、人喰い波とも呼ばれます。
チョープー
2024年、パリオリンピックのサーフィン会場にも選ばれたタヒチのサーフポイント「チョープー」。リップの厚みや水量はパイプラインの波を超えるとも言われています。
ビッグウェーブがみられる日本のサーフポイントは?
世界各地で見られるビッグウェーブ。迫力のある波に憧れている人も多いのではないでしょうか。実は日本でも、ビッグウェーブが現れるポイントが点在しています。ここでは、ビッグウェーブが見られる日本のサーフポイントを紹介します。
宮城・仙台新港
宮城県のサーフポイント「仙台新港」。一年を通して波が高いことで知られています。冬にはうねりが入りビッグウェーブが発生することも。
千葉・マリブ、松部
千葉県勝浦市の「マリブ」。リーフブレイクなので、波が安定していることで知られています。またエキスパート向けのポイント「松部」も、大きな波に遭遇しやすいポイントとして有名です。
神奈川・稲村ヶ崎、酒匂川河口
日本屈指のサーフポイントで有名な神奈川県。「稲村ヶ崎」は台風の影響を受け、湘南エリアで1番の大波が発生します。また「酒匂川河口」も、クオリティの高い波で知られています。
徳島・海部川河口
徳島県海部郡の「海部川河口」は、四国を代表するビッグウェーブポイント。南東寄りのうねりが入り、美しいバレルが現れることで知られてます。
和歌山・南紀
和歌山県西牟婁の「南紀」エリア。中でも「下里」はサーファーなら誰もが知る有名なポイントです。うねりが強く入りクオリティの高い波に乗れます。
宮崎・大浦
宮崎県日南市のサーフポイント「大浦」。普段は波のないポイントですが、強い台風うねりに反応し、大きくて長い波が発生することで知られています。
サーフィン中の死亡事故も!大波で注意すべきこと
大きな波はサーファーの永遠の憧れ。しかし海での事故は毎年起こっているのが現状です。ここでは、事故を引き起こさない為に気をつけたい注意点を紹介します。
波の様子を事前にチェック
海に行く前に天気予報や波情報サイトなどを見ておくのが基本です。また、海に入る前は必ず海の様子を確認するようにしてください。あまりにも波が高かったり、落雷があったりする場合は、絶対に海に入らないようにしましょう。
リップカレントに注意
「リップカレント」は離岸流とも呼ばれる、沖に向かって発生する強い流れのこと。一度流れに乗せられると、気づかないうちに沖に流されてしまいます。もしも流されてしまった場合は、海岸と平行に泳ぎましょう。または、サーフボードに乗り浮きながら助けを呼ぶのも有効です。
単独行動は避ける
サーフィンをする時、可能であれば友人や家族を誘い、単独行動を避けるようにしましょう。万が一の事故があってもすぐに助けを呼ぶことができます。また、知らない土地でサーフィンをする場合は、ガイドをつけるか、ローカルサーファーに注意点などを聞いておくのもおすすめです。
まとめ
サーファーなら誰しもが憧れる「大波」。世界各地でビッグウェーブが確認されています。日本でもビッグウェーブが発生するので、安全に気をつけながら、サーフィンを楽しんでみてください。