三点倒立の知られざる効果とは?サーフィン・スケボーの上達にも効果的

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サーフィン・スケボーといった横乗り系スポーツに必要なボディバランスを効果的に鍛えられるトレーニングが「三点倒立」です。三点倒立はごく限られたスペースでもできるため、自宅のトレーニングとしても最適。ただし三点倒立は負荷が高いため、見よう見まねで行うのは危険です。トレーニングに取り入れる前には、必ずメリットやデメリット、正しい手順を知っておきましょう。そこで本記事では、横乗り系スポーツ上達につながる三点倒立の効果について詳しく解説します。

三点倒立トレーニングでサーフィン・スケボーに必要な体幹を効果的に鍛える

三点倒立をトレーニングに取り入れることで、具体的にどんなメリットがあるのか紹介します。

筋肉を総合的に鍛えられる

まず、三点倒立には腹筋・背筋・体幹といった横乗り系のスポーツをする上で非常に重要な胴体部分の筋肉量を増やす効果があります。

特にサーファーにとっては背中の筋肉を鍛える必要性が高く、例えば背中をそらして肩を水面から浮かせるのが基本のパドリング姿勢を維持するには背中周りの筋肉量アップが必須です。三点倒立なら腹筋・背筋といった体幹だけでなく、背中をそらすために使う大殿筋・脊柱起立筋、腕を回すために使う僧帽筋・三角筋・大胸筋・上腕三頭筋の筋肉量アップ効果も期待できます。

三点倒立は、こういった「身体を支える」動きのの基本となる筋肉を総合的に鍛えられるトレーニング方法なのです。

持久力がアップする

三点倒立で基本の筋肉を総合的に鍛えてボディバランスを上げると、ライディングの技術も総合的に向上していくでしょう。ボディバランスがないと身体の軸がブレるため無駄な動きが生まれやすく、ライディングが安定しないだけでなく必要以上に疲労が溜まります。

ボディバランスを向上させることで無駄な動きを取り除けば無駄な消耗が減り、体力を使うサーフィンやスケボーを長く乗り続けられるようになるでしょう。バランス感覚アップに伴って重心も安定し、スキル・テクニックの精度も底上げされていくはずです。

その他のメリット

これらの他にも、三点倒立には様々なメリットがあります。

例えば逆立ちの姿勢はヨガにおいて「シルシャーサナ」としても知られ、血行を促進して疲労の回復・集中力の向上につながると考えられているポーズです。また、身体を上下逆にすることによって普段は重力によって下へと押されている内臓を正しい位置に戻すことで、便秘の解消効果なども期待できます。

三点倒立は危険?注意点・デメリットを解説

三点倒立トレーニングを始めるにあたって、あらかじめ知っておきたい注意点やデメリットについても解説します。

身体が負荷に耐えられないと逆効果

すべての筋肉トレーニングと同じように、三点倒立は元々の筋肉量が不十分な状態で行うのは危険です。特に三点倒立は負荷が大きいトレーニングなので、身体が負荷に耐えられず捻挫や肉離れが起きたり、転倒によってケガをする可能性もあります。あまり運動の経験がない場合は負荷の軽いトレーニングから始め、ある程度の筋肉量が付いてから三点倒立を始めましょう。

持病が悪化する可能性がある

高血圧症や緑内障・網膜剥離、動脈硬化やくも膜下出血を抱える方、発症の恐れがある方は三点倒立によるトレーニングは控えてください。逆立ちの姿勢は頭部に巡る血流が増えるため、脳や眼球の血管に負荷がかかるためです。

また、これらの病気以外にも、心臓病など血液の流れに関する病気を患っている方は、血圧が上がることで血管が破裂してしまう可能性があるため非常に危険です。妊娠中の女性も、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため三点倒立は避けましょう。

三点倒立の時間は3分以内が基本

三点倒立は頭に血が上ってしまうため、一般的には1回1分程度、長くても3分以内に収めるのが基本。三点倒立を長時間行うと、持病を抱えていなくても失神する危険があります。また、より深刻な場合は、眼球に張り巡らされた毛細血管が高血圧状態が続いたことで傷つき、視力低下や飛蚊症といった症状が起きる可能性もあり危険です。

三点倒立の際にはスマホなどでタイマーを設定し、長時間続けて行わないよう注意してください。

三点倒立の正しいトレーニングのコツ

続いて、三点倒立の正しいトレーニング方法について紹介します。

三点倒立の手順

  1. 四つん這いになって手を組み、組んだ腕の間に頭を収める
  2. 身体を上に折るように爪先を頭の方向へ近づけていく
  3. 腹筋で上半身を垂直にして、膝を身体にひきよせてキープ
  4. 膝を真上に持ち上げる
  5. 爪先を持ち上げて身体をまっすぐな状態に
  6. 持ち上げた手順と逆の手順で丁寧に足を下ろす
  7. ゆっくり数呼吸し、頭を持ち上げる

この手順にしたがって、ゆっくり呼吸しながら行ってください。初めて三点倒立にチャレンジする場合は壁を使った練習から始め、慣れてきたら足を壁から離し、少しずつ離している時間を増やしていく流れがおすすめです。

三点倒立のコツ

正しい三点倒立には、いくつかコツがあります。

まず背中を丸めず、かといって腰を反らすわけでもなく、上半身を地面と水平になるよう保つことが大切です。イメージとしては、骨盤の位置が肩の真上にある状態。床につくのはおでこの部分ではなく、あくまで頭頂になるよう調整しましょう。また、頭は頭頂が床に触れている程度にとどめ、体重は腕で支えてください。

応用編!さらに効果の高い三点倒立トレーニング

ここからは、さらに負荷の高い応用的な三点倒立のトレーニング方法を簡単に紹介します。三点倒立が1分以上続くようになり、より効果の高いトレーニング方法が知りたい場合に参考にしてください。

「三点倒立開脚」

三点倒立開脚は、三点倒立したのち左右に開脚するトレーニングです。意識的に開くのではなく重力に任せて足を左右に下ろす、というイメージが正しいでしょう。まっすぐの状態よりも重心がブレやすくなるので、体勢を安定させるにはより強い体幹が必要となります。体勢を比較的キープしやすくなるポイントは、なるべく大きな三角形になるよう開脚することです。

「三点倒立前後」

三点倒立前後は、三点倒立の途中で前後に開脚するトレーニングです。左右の開脚と同様に重力に任せて足を下ろし、可動域の限界まで開きましょう。ゆっくり丁寧に、バランスを保ちながら行うのがポイント。通常の三点倒立開脚にも言えることですが、応用編の三点倒立は股関節ストレッチの方法としても効果的です。

「三点倒立開脚ひねり」

さらに難しいのが、こちらの三点倒立開脚ひねり。三点倒立中に開脚し、そのままツイストの動作を加えます。上半身を垂直に保ったまま開脚し、そのまま左右~前後に両足をゆっくりねじってください。上半身を固定しながら下半身をねじることで重心が安定し、複雑な動きの多い横乗り系スポーツでも安定した動きができるようになる効果が期待できます。

まとめ

三点倒立は、サーフィンやスケボーに欠かせない筋肉を総合的に鍛えることで、テクニックやスキルの精度を底上げする効果があるトレーニング方法です。三点倒立には持病の悪化などデメリットはあるものの、正しく手順やコツを理解し、無理のない範囲で行えばトレーニングとして絶大な効果を発揮します。基本の三点倒立のほか、三点倒立開脚、三点倒立前後、三点倒立開脚ひねりなどを、日々のトレーニングに加えてみてはいかがでしょうか。

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