クセのある波を乗りこなせ!小波をつなぐサーフィン技術「パンピング」の意味と基本

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「一度波を捕まえても、トロくなったり崩れたタイミングで失速して沈んでしまう。そんなサーフィン初心者の悩みを解決する技術が「パンピング」です。パンピングを習得すれば波に長く乗り続けられるようになり、その分上達も早くなります。どんな波でも華麗に乗りこなす上級者になるため、まずはパンピングをマスターしてみてください。

サーフィン技術「パンピング」の意味とやり方とは?

まずは、パンピングの基本的な意味、やり方について見ていきましょう。

パンピングの意味

パンピングは波がホレてくるまでつなぎ、パワーゾーンをキープするためのテクニック。

海で上級サーファーの動きを見ると、波がトロくなったタイミングでボードのノーズを上げ下げして跳ねるような動きで波をつないでいますが、それがパンピングです。

パンピングを使うのは、主に「波が厚くなってきた時」と「波のパワーがなくなってきた時」。波のリズムが突然崩れるようなセクションでも、ライディングを続けられます。

サーフィンは自然相手のスポーツなので、良い波が続いてくれるとは限りません。だからこそパンピングでトロい波やリズムの崩れた波に対応できるようになることは、サーファーとして大きな武器となるのです。

パンピングのやり方

次に、大まかなパンピングのやり方を紹介します。

  1. 波がトロくなってきたら準備
  2. 後ろ足荷重でテールを沈め、波のパワーを受ける
  3. 着水したら、両足に体重をかけてさらに進む
  4. 波に合わせてリズミカルに1~3を繰り返す(ホレてくるまで続ける)

ライディング中に波がトロくなってきたと感じたら準備を始め、波のパワーが完全になくなる前にパンピングを開始します。

まず前足に体重をかけ、その反動で後ろ足に重心をかけてテールを沈め、乗っている波の最後のパワーを受けます。波の浮力でテールが持ち上がり、ボードが着水するタイミングで両足でサーフボード全体に体重をかけましょう。スピードを落とさないように波に合わせて小刻みに繰り返し、波がホレてきたらすぐにパンピングをやめ、思い思いにライディングしてください。

パンピングを実践!体の動きを理解する

パンピングの基本がわかったところで、より詳しく身体の使い方を見ていきましょう。

テールを沈める角度は「斜め45°」を意識

パンピングではまずテールを沈めますが、ボードを前進させる反発力を最大限に引き出すためには沈める角度が大切です。具体的には、テールが「斜め45°」に沈むのが理想的。とはいえぴったり45°にするのは難しいので、この角度を意識して沈めるだけで大丈夫です。

上手く沈めるコツは、後ろ足荷重の状態からテールを沈めるタイミングで身体の軸をまっすぐに保ったまま少し前方に倒すこと。身体を後ろに傾けてテールを沈めようとするのではなく、むしろ少し前傾姿勢になることがポイントです。

前足を体の軸に引き付けるように折り、後ろ足の足首を内側に倒すような体勢をとると力が加わりやすいでしょう。イメージとしては後ろ足に体重の9割がかかり、前足に体重の1割がかかる状態です。

これにより、ボードに斜め上に上がる力が発生します。

着水時には両足でフラットにボードを沈める

ノーズが上がって斜め上に飛び出したら、次に着水時の体重移動によってボードをさらに加速させます。

後ろ足に体重が乗っている状態から、着水と同時に前足へ体重の5割を移動するイメージです。体勢としては、前足を伸ばしてノーズを落とし、後ろ足を引き付けることを意識してください。ポイントは、着水の瞬間に「真下に向かって」体重をかけること。ボードをフラットに沈めることで前に押し出す力が生まれます。

このとき前足だけで踏み込もうとすると、海面をパンパン叩くだけで進む力を得られません。着水時には、しっかり両足に体重をかけてボードを沈めることを意識しましょう。

タイミングとリズムも重要

後は、この動作を繰り返すことで小波をつなぎます。パンピングを繰り返す際には、「リズミカルにテンポよく」を意識しましょう。踏むタイミング、抜くタイミングは非常に大切。踏んでばかりでは波に置いていかれますが、かといって踏まなければ進みません。

また、上級者のパンピングを見ると、波に合わせてボードがうねるように動いているはず。波をよく見ながら、その動きに合わせることも意識してください。

まとめると、少し前足を抱えるようにノーズを上げ、板が飛び出したら体重移動しつつ、着水時に後ろ足を抱えるように引き付けて前進。テンポよく同じ動作を繰り返します。

実際に海で何度も練習し、体に覚えさせましょう。

パンピングで失敗する理由とは?起きがちなミスを紹介

次に、初心者が陥りやすいミスについて見ていきましょう!

必要ないタイミングでのパンピング

まず、必要のないタイミングでパンピングするという失敗です。パンピングはあくまでつなぎの動作で、加速するためのテクニックではありません。そのため、波が十分にホレているときのパンピングはむしろ失速する原因になります。

必要以上のパンピングはしないように気を付けましょう。

ボードが適正浮力ではない

また、どれだけ練習してもパンピングが上手くいかない場合、乗っているボードが適正浮力でない可能性があります。

浮力がありすぎるとテールを上手く沈められず、正しい動作でパンピングしても進む力を得られません。パンピングを成功させるには、サーファーの体重に対して適正浮力のボードである必要があります。パンピングが上達しない場合は、ボードの浮力もチェックしてみてください。

パンピングはスケボーでも練習できる

パンピングは実際の海で練習するのが一番ですが、海へのアクセスが悪い場合などはスケボーを使って手軽に陸上トレーニングをすることもできます。

スケボーでのパンピングトレーニングの方法は次の通りです。

  1. ライディング中スケボーに両足で立ち、少し腰を落とす
  2. ノーズを上げるイメージで後ろ足荷重のまま少し前傾
  3. 膝を曲げながら両足に均等に体重をかける
  4. 2と3を小刻みに繰り返す

これを繰り返すことで、ボードはうねるように前進します。体重移動によってボードが進む力を得る感覚がわかってくるはず。後は、その感覚を実際のサーフィン時に応用してください。

この練習は一般のスケボーでもできますが、ボードを大きく傾けられる仕様のサーフィン練習用ボード「サーフスケートボード」を利用すれば、実際のサーフィンにより近い状態で有意義な練習ができるでしょう。

パンピングをマスターして初心者から中級者へ!

サーフィンには色々な技術がありますが、一度乗った波に長く乗り続けられるパンピングは初心者から中級者へステップアップするために必須のテクニックです。捕まえた波がダンパーでも、コンディションや地形によって波が崩れても、パンピングでつないでいるうちにホレてくることは多々あります。

ここまでパンピングの方法を丁寧に解説しましたが、やはり体で覚えるのが一番。実際に海に出て、何度も何度も練習を重ねるうちに感覚がつかめてくるでしょう。パンピングを習得すれば波に長く乗り続けられるようになり、長く乗り続けられるほど上達する速度も上がります。ぜひ、上達への近道であるパンピングをマスターしてみてください。

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