自宅でできるサーフボード塗装!缶スプレーを使った剥がれにくい塗装方法を紹介

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サーフボード塗装は、ホームセンターで売っているアイテムを使って自宅で行うこともでき、意外と簡単で塗装の経験も必要ありません。そこで本記事では、サーフボード塗装のメリット・デメリットから基本的な塗装の方法まで詳しく紹介。自分だけのボードをデザインできるサーフボード塗装に、ぜひチャレンジしてみてください。

サーフボード塗装のメリット・デメリットとは?

まずは、サーフボード塗装をするメリット・デメリットを簡単に見ていきましょう。

サーフボード塗装のメリット

サーフボードを塗装をするメリットは主に2つ。一つは、塗装はがれ・日焼けといったボードのダメージを修復するメンテナンスとしての効果。もう一つは、自分だけのオリジナルなボードをデザインできることです。

デザイン力があれば、ペイント用のペンを使ってフィン部分含めた細部まで装飾を施すこともできます。愛着が生まれること間違いなしの、自分だけのボードを作れるのです。

サーフボード塗装のデメリット

ただしサーフボード塗装には「重くなる」というデメリットもあります。実際に塗装する前に、サーフボードの重さが変わっても問題ないか確認しておきましょう。

塗料は意外に重量があり、塗装を施すとショートボードでも300g以上重くなる場合があります。ボードの重さが変化すると乗り味が変わり、パフォーマンスにも多少なり影響が出ることも。サーフボードの重量を変化させたくない場合は、ペイントを控えたほうが良いでしょう。

サーフボード塗装に必要なアイテムを準備!気になる料金は?

それでは、具体的にサーフボード塗装の方法を見ていきます。デザイン案を決めたら、塗装にあたって必要な準備をしましょう。

サーフボード塗装に使うアイテムを準備

サーフボード塗装に必要なアイテムは、基本的にホームセンターやオンラインストアで手に入り、比較的簡単に揃えられるものばかりです。

  1. シリコンオフ
  2. サンドペーパー(600番・1200番)
  3. カッター
  4. マスキングテープ(なるべく細いもの)
  5. 新聞紙・ビニール等
  6. 汚れてもいいタオル
  7. 白かグレーのサーフェーサー(下地用スプレー)
  8. メインの塗料スプレー(ウレタン/アクリル)
  9. クリアスプレー(ウレタン/エナメル)
  10. アセトンもしくはシンナー
  11. 防毒マスク(屋内作業の場合)

シリコンオフとは、汚れを取り除く有機溶剤のことです。また、マスキングテープはカーブがキツい場所でもスムーズに張れるよう、なるべく細いものを選ぶのが吉。失敗した時のためにアセトン・シンナーなど塗料を落とす溶剤も準備しておくと安心です。ただし塗料やアセトンを屋内で使用する場合は、必ず防毒マスクを着用してください。

必要最低限のアイテムのみなら1,500円ほど、しっかり揃えても4,000円程度で収まります。

塗料を選ぶポイントは?エポキシ樹脂のボードにアセトンは厳禁

スプレーは下地用・メイン塗料・クリアの3種類を用意します。下地スプレーは必須ではありませんが、ボード表面の凹凸を埋めて塗料の乗りを良くするほか、メインカラーが映えやすくなる効果があります。メイン塗料は、あらかじめ決めたデザインに必要なカラーを買い揃えてください。

塗料スプレーにはウレタン塗料・アクリル塗料と種類があり、アクリル塗料の方がアセトンやシンナーで落としやすいという特徴があります。また、クリアスプレーもウレタンクリア・エナメルクリアから選べますが、エナメルクリアの方が消しやすいのが特徴です。

そのため、今後デザインを変える予定がある場合は、落としやすいアクリル塗料とエナメルクリアを組み合わせると良いでしょう。

ただしサーフボードと溶剤の相性にも注意。例えば、エポキシ樹脂のボードにアセトンは使用できません。

場所を確保して作業スペースを準備

次に作業スペースを準備します。なるべく屋外で行い、屋内で行う場合は中毒にならないよう窓を開け放つ・換気扇を回すなど対策が必要です。

作業台がある場合は、厚めの木材を2本用意して台の上に間隔をあけて並べ、その上にボードを置くと塗装が楽になります。作業台がない場合は、地面に段ボールを敷いての塗装も可。ただし、塗装が渇いたときにボードに段ボールが貼り付かないよう注意してください。

サーフボード塗装の方法!クリアスプレーで剥がれを防止

それでは早速、具体的な塗装の手順を見ていきましょう。

手順1:やすり掛けしてワックスオフ

まず、塗装をスプレーする前の下準備としてサンドペーパー(600番)で軽くやすり掛けします。水を霧吹きで吹きかけながら、ボードの塗装部分を力を入れずに軽くこすりましょう。「足付(あしつけ)」とも呼ばれるこの作業をすると表面に細かい傷がつき、塗装が乗りやすくなります。

次にシリコンオフで脱脂を行います。タオルにシリコンオフを少量染み込ませ、サーフボード全体を拭いて付着したワックスや手の皮脂を落としましょう。

手順2:マスキングで塗装しない部分をカバー

やすり掛けとワックスオフが完了したら、マスキングテープを使って塗装しない部分をカバーしていきます。サーフボード塗装の仕上がりを決める最も大きな要素がマスキングだと言われるほど大切な工程です。

ディケール・シェイパーズサイン・デッキパッドなど間違ってもペイントをつけたくない部分は、スキマが生まれないよう念入りにマスキングしましょう。細かいマークは、マスキングで覆ったのちカッターでカバーしたい部分のみを残すよう切り取るのがおすすめです。

レール部分などの急カーブ部分でもきれいにマスキングを貼るコツはは、テープを長く出して少しずつ曲げていくことです。また、ボトム全般など広範囲をマスキングする場合は、ビニールや新聞紙を活用して効率よくカバーしましょう。

マスキング完了後は、もう一度シリコンオフでペイント部分の汚れ・皮脂を除去します。少しでも油脂が残っていると塗装がはがれやすくなるため、入念に油分を拭き取っておくことが重要です。

手順3:白かグレーのサーフェーサーで下地塗装

それでは塗装の工程に入りましょう。まずは下地用のサーフェーサーからです。一度に大量に吹き付けると液だれするので、薄く2~3回塗り重ねるのがポイント。

まず1回目、スプレー缶をボードから30cmほど離し、軽く吹いて塗料のあたりを見ます。塗料をはじく部分があれば、一度乾かして再度サンドペーパーで軽くやすり掛けしてやり直します。問題なければ、一定のスピードと間隔でムラなく塗装していきましょう。

1回目の塗装を終えたら少し乾かし、2回目、3回目と吹いていきます。サーフェーサーの塗装が完了したら、一時間以上はそのまま乾燥させてください。

手順4:缶スプレーでメイン塗装

下地が乾いたら、マスキングテープがしっかり貼れているか再度チェックした上でメインの塗装を吹いていきます。下地用サーフェーサーと同じく、まずは一度軽く全体的に吹いて塗料をはじく部分がないか確認しましょう。はじく部分は塗装が乾いてからやすり掛けが必要です。

はじく部分が無くなったら本吹きへ。一度に厚塗りしないように注意しつつ、ボードから30cmほど離して一定のスピードでムラなく噴射していきます。このメイン塗装も、3回程度に分けてスプレーしていくのがおすすめです。

また塗装ごとに少し時間を置き、中までしっかり乾燥させるのが大切。具体的には、1回目の塗装をしたら30分ほど乾燥、2回目の塗装をしたら1時間ほど乾燥、3回目の塗装をしたら一晩乾燥させるのが目安です。

手順5:クリアスプレーで塗料をガード

メインの塗装が乾いたら、次にクリアスプレーで塗料が剥がれにくいようコーティングしていきましょう。

まずは、クリア塗装する部分のマスキングを全て外し、汚れや油分をタオルで軽くふき取ります。他の塗装と同じように3回程度に分け、薄くムラなく吹き付けてください。クリアスプレーが完了したら、また一晩安静に放置して乾燥させます。

手順6:仕上げのやすり掛けでツルツルに

クリアスプレーが完全に乾燥したら、残っているマスキングテープを丁寧に剥がします。

スプレー後のボード表面は、細かい砂が付いているようにザラザラしているはず。そこで最後に、1200番のサンドペーパーで仕上げを行います。手順1のやすり掛けと同じように、霧吹きで水をかけながら力を入れずに全体を2回ほどこするだけです。最後にこの工程を入れることで、市販のサーフボードのようなツルツルの肌触りに仕上がります!

サーフボード塗装で作る自分だけのオリジナルボード

このようにサーフボード塗装は、ホームセンターで揃うアイテムと作業スペースさえあれば自宅でも意外と簡単・安価にできます。少し重くなるという欠点はありますが、世界に一つしかないボードをデザインできるのは大きな魅力です。

各手順のポイントをしっかり理解して、自分だけのボードを思い思いにデザインしてみてはいかがでしょうか。サーフィンが、もっと楽しくなるはずです。

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