サーファーが知っておきたい「冬型の気圧配置」とは?海への影響や雲の動きを解説

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サーファーにとって、天候や気温のチェックは欠かせないもの。寒い季節によく耳にする「冬型の気圧配置」も、海や波に影響を与えます。今回はサーファーが知っておきたい「冬型の気圧配置」について解説します。

冬型の気圧配置とは

「冬型の気圧配置」とは、冬に現れる西高東低型の気圧配置を指します。ニュースなどでよく耳にする馴染みのある言葉ではありますが、どのような特徴があるのかを知らない人は多いはず。ここでは、「冬型の気圧配置」についてその特徴を解説します。

冬に現れる西高東低の気圧配置

「冬型の気圧配置」はその名の通り、冬に現れる気圧配置のこと。西に高気圧、東に低気圧があるため「西高東低型の気圧配置」と表現されることも。この影響で、日本海側に雪が降ります。対して、太平洋側は天気が良く乾燥した気候になります。

冬型の気圧配置はいつからいつまで?

冬に現れる「冬型の気圧配置」ですが、いつからいつまで日本に影響を与えるのでしょうか。基本的に12月から2月に現れることが多く、全国的に厳しい寒さをもたらします。しかし2月以降は寒気の影響を受けにくくなり、徐々に暖かくなっていく傾向があります。

冬型の気圧配置がもたらす影響とは

冬になると気象情報などでも度々耳にする「冬型の気圧配置」。冬の寒さの原因でもあるこの気圧配置は、どのような影響をもたらしているのでしょうか。ここでは、「冬型の気圧配置」が日本に与える影響を紹介します。

2020年は大雪も!厳しい寒さ

冬になると、シベリアや中国では、地面から熱が放出されることにより「放射冷却」が起こります。その冷やされた空気が下へと移動し、高気圧となります。
また、北極からの寒気と赤道付近の暖気がぶつかるとふたつの間で渦が出来上がり、これが低気圧となります。すると日本の西に高気圧、東に低気圧が出現。これが「冬型の気圧配置」です。

空気は気圧の高いところから低いところに流れる性質。そのため、シベリアなど西の寒い地域で発達した高気圧から、東の低気圧に向かって冷たい空気が流れ、日本は厳しい寒さとなります。2020年は記録的な大雪を観測しましたが、これも山沿いや平地に大雪を降らせる「冬型の気圧配置」の特徴です。

気圧による頭痛も

寒暖差や気圧による影響は、人体にも及びます。気圧の変化が見られる「冬型の気圧配置」では、頭痛やめまい、耳鳴りなどを引き起こす場合も。低気圧が原因で頭痛に悩まされるという人は多いですが、そのメカニズムは未だ解明されていません。

波が高くなりやすい

「冬型の気圧配置」の影響で北からの風が吹き、日本海側は海から陸に向かって風が吹く「オンショア」となり、波が高くなる傾向に。太平洋側では、波は小さくなる傾向がありますが、西からの風が大きな波を生みます。気圧や風をチェックできるサイトやアプリを活用するのがおすすめです。

夏型の気圧配置との違いは?

太平洋高気圧が日本付近を覆い、大陸が低気圧となる「夏型の気圧配置」。「冬型の気圧配置」とはどう違うのでしょうか。ここでは、夏型の気圧配置との違いを解説します。

穏やかな波

「夏型の気圧配置」の影響で波は穏やかになる傾向があります。太平洋側には、南からの風によって波が生まれます。日本海側にはうねりが届かず、穏やかな波となることが多いです。

蒸し暑くなる

日本の上空で高気圧の勢力が強まり、蒸し蒸しとした暑さとなりやすい夏の時期。梅雨明け頃になると、太平洋高気圧が日本付近まで張り出します。夏の暑さはこの高気圧が影響しているのです。

風と波の関係とは

波は、風が海面に吹き付けることで起こる自然現象です。冬季の海では、「冬型の気圧配置」の影響で強い風が吹き、高波の恐れも。ここでは、風と波の関係について解説します。

風によって波が起こる

波は、風が海面に吹き付けることによって、起こります。風がないと、海は平らのままです。「冬型の気圧配置」の影響で海面が強風に晒されると、大きな波を起こします。

気象情報などでは、よく「高波」という単語を耳にしますが、これは強風により波が高くなった状態。「波浪警報」は高波による遭難や、沿岸周辺に重大な災害が発生する恐れがあるときに発表されます。強風により波が荒れている時は、海には近づかないようにしましょう。

等圧線の役割や読み方は?

等圧線は、同じ気圧の地点を結んだ線のこと。 各地に複数の観測地点を置き、それぞれの地点でのデータを海面上の高さに補正したものをベースに作られ、同じ気圧の地点が滑らかな線で結ばれます。等圧線の間隔がせまいほど、風が強い傾向に。また、気圧の単位はhPa(ヘクトパスカル)で表され、この数値が低いほど風の勢いが強くなります。台風の強さも同じくhPaで表されるので、風の強さ、波の高さをチェックするために覚えておくと便利かもしれません。

サーファーにはメリットも!

厳しい寒さや、高波などの原因となる「冬の気圧配置」。実は、サーファーにはメリットもあるのです。ここでは、サーファーなら知っておきたい「冬型の気圧配置」のメリットを紹介します。

日本海側にも良い波が届く

夏は比較的に波がなく、フラットな日本海。しかし、「冬型の気圧配置」で強風が吹くことにより、高い波が生まれます。太平洋側も、西からの風を受け大きな波が起きることも。そのため、冬でもいい波でのライディングを楽しめますが、水温は低いので、しっかりと防寒対策をすることをおすすめします。

海を独り占めできる

冬の海は風の影響により荒れることも多く、夏に比べサーファーも少なくなります。しかし、波の状況を把握し安全が確認できれば、海を独り占めできるというメリットが。波にたくさん乗れるので、冬を越した後もサーフィンの実力が衰えることなく、夏に向けての練習にも最適です。

冬のサーフィンで注意しておきたいこと

冬は日本海側にもうねりが届きやすく、サーフィンには絶好のチャンスです。しかし、冬のサーフィンならではの注意点も。ここでは、冬のサーフィンを安全に楽しむための注意点を紹介します。

うねりが届きやすく高波の恐れも

冬の海には、「冬型の気圧配置」の影響により、大きな波が発生します。強い風が長時間、海に吹き付けることで波の高さが5m以上となることも。また、大しけとなる場合もあります。このため、海の中はもちろん、海岸周辺でも海難事故が発生しやすくなります。海に向かう前に、気象情報をチェックしたり、風の強い日にはサーフィンをしないように心がけましょう。

寒さや冷え予防をする

冬の海水は特に冷たく、水温が一桁台になることも珍しくありません。いきなり海に入ったり、長時間サーフィンをすることは低体温症を引き起こす直接の原因となります。体が冷えてきたらすぐに海から上がることを意識しましょう。

また、保温性の高いウェットスーツの着用や、ベストなどを重ね着するのもおすすめです。地域によって海水の温度が大幅に違うので、ウェットスーツを選ぶ際も、しっかりと自分に合ったものを選びましょう。他にも準備運動やホットジェルなども、寒さを軽減する効果があるのでぜひ取り入れてみてください。

まとめ

12月から2月頃にかけて、冬季に現れやすい「冬型の気圧配置」。厳しい寒さをもたらす一方で、大きな波を起こす特徴もあります。安全に配慮をしつつ、夏とは少し違った、冬の海を楽しんでみてください。

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