近年、耳にすることが多くなっている「シャークアタック」ですが、世界で最もサメ事故の発生件数が多いのがアメリカのフロリダ州です。また、近年ではオーストラリアでもサメ事故が相次いでいます。こうしたサメ事故は、海外だけではなく、日本国内でも起きているることをご存知ですか?今回は、日本で起きたサメ事故の事例2つと、サメに遭遇する確率を減らす対策・予防などを解説していきます。
【サメ事故】日本で起きたシャークアタック事例2選
まずは、日本で起きたサメ事故を2つ紹介します。
- 愛知県豊橋市の伊古部海岸(2014年)
- 静岡県磐田市福田の太田川河口(2017年)
それぞれ、どういった状況で起きた事故なのかお伝えしていきます。
愛知県豊橋市の伊古部海岸(2014年)
2014年6月9日午後4時頃、浅瀬で波を待っていた蒲郡市在住の男性(43歳)が、体長1mほどのサメに噛みつかれるという事件が起きました。
水深1mとごく浅い場所までサメが寄ってきて、30針を縫う怪我を負ったとのこと。このことから、波を待っている間も十分な注意が必要であると、気付かされた事故といえます。
静岡県磐田市福田の太田川河口(2017年)
2017年9月3日午前9時45分頃、静岡県磐田市福田の太田川河口から約80m沖で、サーフィンをしていた磐田市在住の男性(42歳)が、サメのような生き物に噛みつかれるという事件が起きました。
波を待ち、サーフボードの上にまたがって座っていると、海につかっていた足を噛まれたということです。左足の甲やかかとを噛まれており、その傷などからサメの可能性が高いと見られています。
サメに遭遇する確率とは?なぜサーファーを襲うの?
サメ事故は、海外だけではなく、日本国内でも発生しています。では、どのくらいの確率でサメと遭遇するのでしょうか?また、なぜサーファーが多く襲われるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
サーフィン中にサメに遭遇する確率
地球温暖化が進み、海の生物たちの生育環境が広くなっているせいもあり、昨今、日本でもサメの目撃情報が出回っています。サメに襲われる「シャークアタック」の確率は1年間で約1億1000万分の1。日本人口(1億3000万人)の中で考えると、毎年1人の割合でサメに襲われているといわれています。
サメ事故のほとんどはアメリカで起こっており、日本の海でサメに襲われてしまう確率は、かなり低いといえますが、ゼロではありません。また、アメリカなどの海外であっても、海水浴客よりも群を抜いて襲われやすいのがサーファーです。
なぜサーファーが狙われるのか
サーフィン中にサメに襲われてしまうサーファーは、60%も占めています。ダイビング中に襲われるケースもありますが、サーフィン中に襲われる確率は、雷が落ちる確率の76倍高くなっているそうです。
では、なぜサーファーがサメに狙われやすいのでしょうか?海の中からサーファーを見ると、亀やアシカなど、サメの好物に似ています。よって、間違えて襲撃することが多いのです。このように、遭遇する寸前まで気づかずにシャークアタックされてしまう傾向があるため、十分な注意が必要です。
サメに襲われる確率を減らすための対策とは
サメに襲われる確率を減らすための対策を6つ紹介します。
- 光る装備品・カラフルなウェットスーツは避ける
- 時間帯に気を付ける
- 怪我・生理中は海に入らない
- 1人で入らない
- サメの目撃情報がある場所は避ける
- シャークアタック防止グッズを活用する
それでは、詳しく見ていきましょう。
光る装備品・カラフルなウェットスーツは避ける
サメは、かなり視力が悪いので、光るもの・色味が強いものを魚のウロコと勘違いし、反応してしまう傾向にあります。よって、サーフィンをする際には、アクセサリーなどを外してから行う方がよいでしょう。
また、「ウェットスーツは黒を基調としたものを選ぶ」、「なるべく光る装備品やカラフルなものは避ける」といったことを常に意識しておきましょう。
時間帯に気を付ける
早朝や夕方の時間帯は、サーフィンを楽しむ方に好まれる時間帯です。しかし、この時間帯は、サメが空腹状態であることが多く、行動が活発になる時間帯でもあります。朝や夕方のサーフィンは避けて、日中に楽しむようにするのが安全です。
といっても、多くのサーファーにとって、日中だけサーフィンをするというのは難しいでしょう。従って、サメが活発になる時間帯ということを頭に入れておき、注意しながらサーフィンを行ってください。
怪我・生理中は海に入らない
サメは、たとえ数キロ離れていても血の臭いを嗅ぎつけられます。サーフィンをしていると、リーフや岩などにぶつけて怪我をすることが多くあります。
しかし、大きな怪我ならまだしも、小さな怪我でその日のサーフィンを中止するサーファーはほとんどいないでしょう。この行為がサメを引き寄せるきっかけとなります。また、生理中のサーフィンも、サメを引き寄せてしまう原因に。怪我をしている場合や生理中の場合には海に入らないように心がけましょう。
1人で入らない
サメは、人が複数人でいるよりも1人でいる方が襲ってくる傾向にあります。よって、1人ではなく、2人以上でサーフィンを楽しむ方がよいでしょう。また、2人でいた場合、どちらかが襲われても、もう1人が救助できます。
サメの目撃情報がある場所は避ける
サメに襲われる確率を減らす対策として、当然のように行うべき対策は、サメの目撃情報がある場所は避けてサーフィンをすることです。
絶対に襲われるということはありませんが、絶対に襲われないという保証もありません。サメに襲われたい方はいないと思いますので、サメが目撃された海ではサーフィンをしないようにしましょう。
シャークアタック防止グッズを活用する
サーフィン中のシャークアタック対策として、「シャークバンズ・シャークアイズ」などのグッズを活用するのもよいでしょう。
- シャークバンズ:足首や手首に装着。サメが嫌がる電磁波を発することでサメ を寄せ付けない。
- シャークアイズ:サーフボードのボトム面に貼る。目を模造したステッカー。
万が一サメに遭遇してしまったときに取るべき行動とは
万が一、サメに遭遇してしまったら、どのような行動を取ればいいのでしょうか?結論からいうと、「静かにその場を立ち去る」、「大声を出す」の2つです。では、なぜ上記2つの行動を取ればいいのか、その理由を詳しく解説していきます。
静かにその場を立ち去る
パドルの際、前に進もうとしてバタバタしている方がいます。特に初心者の方に多い、無我夢中でがむしゃらに行うパドルですが、こうした行動はNGです。
サメは、水しぶきに反応します。バタバタとしぶきを立ててしまうと攻撃されていると勘違いして襲ってくる恐れがあります。できるだけ冷静に危害を与えない、水しぶきを上げないといった行動で、静かに逃げることが大切です。
万が一のことを考えて、日頃からサーフィンの基本となるパドルを練習しておくとよいでしょう。
大声を出す
大きな音は、「サメを威嚇して追い払う効果がある」といわれています。水中に顔をつけて大声を出すこともサメ撃退法の一つです。もし、自分以外にサーファーがいるのであれば、事故を未然に防ぐためにも、サメの存在を大きな声で知らせることも大切です。
まとめ
今回は、サメ事故に関することについて詳しく解説してきました。これまで説明したように、サメ事故は海外で起きるものではなく、日本でも実際に起こっている事故です。サメ事故に遭わないためにも、事前に対策・予防方法について理解を深め、常にアンテナを張っておくことが大切です。
今回紹介したことを参考に、しっかりと対策や予防を行ってから、サーフィンを楽しんでください。