初心者サーファーが知っておきたいサーフィンのルールとマナー

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サーフィンには、基本的なルールとみんなが気持ちよく遊ぶためのマナーがあります。ビーチに行くと、場所によってサーファーはもちろん、海水浴や海遊びをしている家族連れやグループなどがいることも。今回は、初心者が安全に気持ちよくサーフィンをするため知っておきたいマナーとルールを解説します。

最低限知っておきたいサーフィンのルール

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サーフィンには、さまざまなルールがあります。ただ、初心者でも必ず覚えて守らなければならない基本的なルールは、次の5つです。

ワンマン・ワンウェイブ

世界共通のサーフィンルールといっていい、絶対的な決まりごとです。原則として、「一つの波には一人のサーファーしか乗れない」というルール。サーフィンをしているとき、われ先にと波に乗ってしまうと、サーファー同士の事故を招きかねません。危険な状態を防ぐために、かなり古くから守られてきました。

具体的には、一つの波に乗れるのは、「波のピークに一番近い」「最初にテイクオフした」といった2つの条件を満たしたサーファーです。波のピークは、そのときどきでハッキリしていたり、わかりづらかったりします。

初心者は迷いやすいですが、ピークが明確な波ほどワンマン・ワンウェイブのルールを守らないと重大な衝突事故を招くので気をつけてください。ただし、一つの波というのは、崩れていくブレイクごとにジャッジします。

そのため、三角形のかたちに左右へと割れていく波、レギュラーとグーフィーの場合は、それぞれ一人一つずつ、波に2人まで乗れることもあります。初心者は、見極めが難しいので、ベテランのサーファーの動きを観察して慣れてからのトライするのがおすすめです。

前乗り禁止

前乗りは、ドロップインともいいます。すでに、波に乗っているサーファーの進行方向をさえぎるように波乗りすることは、ルール違反です。初心者ほど、サーファーの進む方向を判断しづらく、「かなり離れているから大丈夫だろう」とドロップインしてしまう場合が少なくありません。

すでに波に乗っている場合はもちろん、これから波に乗るためテイクオフしそうになっている場合も同様です。混雑しているサーフポイントは、波をジャッジしづらくなります。サーフィンに熱中するあまり、良い波が来たと思いあわてて前乗りする初心者も多いので、気をつけてください。

テイクオフするときは、波やサーファーの動きを確認することが大切です。もし、ドロップインしてしまったときは、すぐライディングを中止してください。その後、気持ちよくサーフィンを続けるためにも、優先権のあったサーファーには、しっかりと謝罪することも忘れないようにしましょう。

ゲットアウト時のサーファー後方でのパドル禁止

沖に出ることをゲットアウトといいますが、沖に向かってパドルをするときサーファーの真後ろを通ってはいけません。なぜなら、前方にいるサーファーの真後ろでパドリングをしているとき、もしサーファーが波に流されると接触や衝突事故を引き起こす可能性があるからです。

もし、ゲットアウトをしていて前方にいたサーファーと別のサーファーが波乗りしてきた場合は、相手の進行方向を避けて、逆向きにパドルしてください。または、海中にダイブしてドルフィンスルーをすると相手の進路を塞がずにすみます。

スネーキング禁止

スネーキングとは、テイクオフ準備中のサーファーの前を横切ったり、パドリングをさせないように妨害したりして、自分が波に乗るためのピークを奪うことです。「自分だけ良かったらいい」というスタンスは、周囲のサーファーに不快感を与えるだけでなく、ルールを守ってサーフィンしている人との重大事故につながる場合もあります。

フリーサーフィンは、アドバンテージを取ろうと必死に戦う競技大会とは別です。周囲のサーファーの動きを見ながら、優先権をジャッジして安全に楽しむことを心がけます。

集団入水禁止

良い波が訪れるサーフポイントは、それほど多くはありません。しかも、ビーチ内での範囲も狭いため、場所によって多くのサーファーたちが集中してしまうこともあります。グループでサーフィンにやって来て、まとめて一気にゲットアウトして波乗りする光景を見かけますが、これは大変危険です。

順番を待ちながらゆっくりパドリングしたり、交代で海に入ったりといった余裕が必要です。なお、日本であれば湘南エリアのように、人気のサーフポイントではどうしても混雑してしまいます。そんなビーチでは集団入水になってしまうケースもありますが、サーフィンのルールを守って安全に楽しんでください。

気持ちよくサーフィンを楽しむためのマナー

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明確なルールがあるわけではありませんが、みんなが気持ちよく楽しむためのサーフポイントでのマナーがあります。ぜひ覚えてください。

他のサーファーを思いやって楽しむ

サーフィンルールで挙げたスネーキングや集団入水は、サーファーの心がけ次第でやめられるものです。いきなり目の前を横切ったり、グループで狭いサーフポイントを独占するように遊ぶことは、周囲のサーファーに迷惑をかけます。

場合によっては、接触や衝突事故によるケガや、サーファー間のトラブルを招きかねません。サーフィンのルールを守って、周囲の動きを確認しながら楽しむことが大切です。

自然を大切に

海という大自然のなかで楽しむサーフィン。そんな環境を破壊するようなサーファーは、アスリート失格です。海を汚したり、ビーチの植物を勝手に取ったり傷めたりすることは、絶対にやめましょう。ビーチでのサーファーのマナーが悪いと、最悪の場合、サーフポイントの使用が制限される可能性もあります。

海はみんなのもの。サーファーは、人一倍自然を大切にする心がけを持ってください。

ゴミは持ち帰る

「来たときよりも美しく」をモットーに、ビーチで出たゴミは必ず持ち帰ります。もし、砂浜にゴミが落ちていたら、一緒に持って帰ったり、汚れている場所は掃除して帰ったり、ボランティアの気持ちが大切です。せっかく遊びに来るビーチが、来るたびにゴミであふれていたり、汚れていたりしたら、サーファー自身も楽しめません。

地元の方たちのことも思いやり、ゴミの持ち帰りや清掃を続けてください。

地域住民に迷惑をかけない

ビーチ周辺の道路に違法駐車をしたり、大音量の音楽をならしたりすることは、地元で暮らしている方たちの気分を害して迷惑になりかねません。あまりに迷惑行為がひどいと、警察を呼ばれてしまうこともあります。サーフポイントを使わせていただく気持ちで、地域住民に迷惑をかけないよう心がけましょう。

ローカルルールを守る

海は、みんなのものだからといって、誰でも自由に使っていいわけではありません。実は、サーフィンポイントによってローカルルールが存在する場合があります。主なローカルルールは、以下のようなものです。

・そのエリアに住むサーファーしか使えないポイントがある
・ショートボードとロングボードで波乗りできるエリアが分かれている
・道交法の駐車禁止区域以外にその地域で決まった駐車禁止区域がある

初めて波乗りするビーチのローカルルールを知るためには、地元のサーフショップで情報収集をしたり、地域に住むサーファーに確認すると良いでしょう。

まとめ

サーフィンの世界にも、ルールやマナーがあります。知らずに遊びに行って、他のサーファーに迷惑をかけたり、万一事故を起こしたりすると、サーフィンを楽しむこと自体ができなくなりかねません。ここで挙げたサーフィンのルールは基本的なものです。

サーフィンの経験を積んでいくと同時に細かなルールを覚えていけば、より一層サーファーとしてステップアップできます。また周囲のサーファーへの気づかいはもちろん、地域住民に迷惑をかけないよう、マナーを守ってサーフィンを楽しんでください。

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