サーフィンでは波のコンディションによって乗り方が変わります。そのため、波の種類や特徴を知っておくことは非常に大切です。今回は、波の種類の1つ「ダンパー波」について解説。ダンパー波とは何なのか、その乗り方についても紹介します。サーフィンを楽しく安全にするためにも要チェックです!
ダンパーとはどのような波のことなのか?
ダンパーとは、「投げ捨てる」という意味の英単語「dump」から名前が付いたとされています。ダンパー波は、文字通り乗ろうとするサーファーやサーフボードを放り出すくらいのパワーを持った波です。
波のコンディションがわかるサーフィン用語
サーファーの日常会話でよく耳にするのが「今日はオフショアだから良さそう」「今日の波は速いね」といった波の話題です。波は、海底の地形や風の具合によって変わり、それに合わせた乗り方が大切。そのため、サーファーは常に波の状態が気になります。
ここでは、ダンパー波の他にどのような波があるのか、簡単に紹介します。サーフィンをする上で役に立つ用語でもあるので、ぜひ覚えてください。
①風向きによる種類 / オフショア波、オンショア波
②速度による種類 / 速い波、トロイ波
③ポイントによる種類 / ビーチブレイク波、リーフブレイク波
④崩れ方による種類 / ダンパー波、掘れた波、厚い波、切れた波
ダンパー波の特徴
「今日はダンバー波だな」と聞けば、ビーチに行かなくても、崩れ方のコンディションがわかります。波の崩れ方は、その日にサーフィンをするかしないかを決めるポイントにもなるため、サーフィン初心者には、重要です。
ダンパー波は、波全体が掘れ上がりブレイクするのが速いのが特徴。ライドできるポイントが少なく、サーファーが避ける波の1つ。うまく乗るには、上級のテクニックが必要です。
ダンパー波の見分け方
サーフィン初心者にとって、ダンパー波を見分けるのは至難の技。ダンバー波は、オンショア(風が海から陸に向かっている状態)のときに起こりやすいとされています。ホワイトウォーターと、ピークの形から判断するとわかりやすいです。
ホワイトウォーターとは、波がブレイクした後に起こる水の白い泡部分のことです。ホワイトウォーターになっていない部分と、境目が横一直線になっていれば、ほぼダンパー波です。
また、ダンパー波はつながった波やワイドな波の1種とされ、ピーク(波が一番高く盛りあがった状態)の横幅がワイドです。幅広い範囲に横一直線のリップが一気に崩れます。ダンパー気味な波とチューブは紙一重の場合もあるので、実践あるのみです。
強烈な波「ギロチンダンパー」
名前からして恐怖を感じさせるギロチンダンパー。あまり耳にすることはないかもしれませんが、まるでギロチンみたいに波のリップ(波が頂上で巻き始める状態)が落ちます。ギロチンダンパーは、テイクオフができないので、初心者には不向きな波です。
ダンパー波の乗り方を指南
休みの日にしかサーフィンができない方は、波のコンディションを選びにくいです。ダンパー波であっても、波に乗りたいのではないでしょうか。しかし、ビーチからただダンパー波を見ているのはNG。実際に、海へ入ってみてください。
波は同じものはないので、「想像よりいい波だった」ということも頻繁にあります。海に入らないとわからないことは多いです。
斜めにテイクオフ
ダンパー波をメイクするコツは、テイクオフにあります。
①波に対して斜めにテイクオフ
②サーフボードは、パドルの時点から斜めをキープ
③波側にレール(サーフボードのサイド)をセット
上記の3つを徹底することによって、スタンドアップの瞬間からレールが波にセットアップされた状況になります。スピードがつき、一気にダンパーを抜けられるようになるでしょう。後は、アップス&ダウンズなどの繰り返しで、波のパワーを利用して走ります。
意識しておくポイント
①パドリングも斜め
波に垂直に構えていると、ブレイクに遅れてしまいテイクオフができません。パドリングの時点から、斜めにこいでいきます。そうすることで、斜めの状態のテイクオフに入りやすいです。
②波待ちのときの重心はノーズ側
胸は、軽く反ってサーフボードが滑り落ちるために重心はノーズ側に置いて波を待ちます。
③低い姿勢
テイクオフができたら、「腰を進行方向に出す」「前足は胸に付くぐらい」を意識します。
④目線は進行方向
目線が下がったり、頭がぶれたりしないことも大切。目線は、進行方向です。
切れ目をキャッチ
切れ目とは、何のことを指しているかご存じでしょうか。切れ目は、壁になった波の端の部分のことです。ダンパー波の切れ目は、きれいなブレイクになりやすく、ここをキャッチできると成功率がアップします。
ダンパー波で練習
初心者のサーフィンには難しいダンパー波ですが、掘れ上がる波質や崩れるスピードに慣れるための練習はできます。波は、自然が生み出すものなので、ダンパー波でも小さめのときがあるはずです。まずは、海に入って小さめのダンパー波を選びながら、できる範囲での練習をしてみてください。
①テイクオフして素早くリップに向かう練習
②プルアウトの練習
ダンパー波の注意点
ダンパー波が浅瀬で一気にブレイクする場合は、ボードを傷つける可能性があるため、要注意。また、ダンパー波は失敗してしまうと波に巻き込まれやすいので、テクニックに自信がない方は人が多いポイントは避けたほうが無難です。また、安全面からも大きいダンパー波は極力避けてください。
他の波との違いをチェック
ダンパー波以外の波についても簡単に解説します。
掘れた波とは?
掘れた波とは、フェイスがカールしていて、リップが切り立っている状態のため、盛り上がってピークになるまでの時間が短いです。崩れる波の斜面が急なので、スピードも出しやすくダイナミックなライディングが可能なため、上級者が好む波です。
厚い波とは?
厚い波は、崩れる波の斜面が緩やかで、掘れた波の反対とされる波です。フェイスはなだらかなので、リップが切り立っていません。うねりの力がなく、なかなかブレイクしないので物足りなさを感じる方も多いです。
切れた波とは?
切れた波は、ピークがはっきりしています。ピークからショルダーに向けて順序よくキレイにブレイクするため、最も横に滑りやすい波です。切れた波はサーファーが理想とする波で、サーフィンに適しています。
まとめ
ダンパー波について詳しく解説しました。ダンパー波を知ることで、波のコンディションを見分けることの重要さも理解できたのではないでしょうか。短時間でブレイクするダンパー波を攻略するために、家でスタンドアップの練習をすることをおすすめします。
短い時間でテイクオフの姿勢ができると、ダンパー波も攻略できる可能性があります。今回、紹介したことを参考にして、サーフィンを楽しんでください。