初めてソフトボードを使用する時、「ソフトボードのお手入れって何をすればいいの?」「ソフトボードが割れたら、どのようにリペアすればいいの?」「ソフトボードが滑る…どうしたら滑らない?」といった疑問を抱えてませんか?
ソフトボードには、一般的なサーフボードとは違ったお手入れの方法があります。今回は、ソフトボードのお手入れの仕方や、メンテナンス・リペアの方法を詳しく解説していきます。
初心者から上級者まで使うソフトボード
初心者から上級者まで、多くのサーファーが使用するソフトボードですが、「乗りっぱなし」「使いっぱなし」はNGです。使った後は、きちんとお手入れ・メンテナンスする必要があります。ここではメンテナンスする理由と、使用後のお手入れの仕方を紹介します。
ソフトボードの寿命を延ばすにはお手入れ・メンテナンスが重要
ソフトボードだけではなく、サーフボードはデリケートなアイテム。そのため、扱いはもちろんのこと、波乗りの後にはしっかりとお手入れ・メンテナンスする必要があります。
このお手入れ・メンテナンスの手間をかけるかどうかで、ソフトボードの寿命が大幅にアップします。長く愛用したい場合は、しっかりお手入れ・メンテナンスすることをおすすめします。
波乗り後に毎回やっておきたいお手入れ・メンテナンスとは?
波乗り後、ソフトボードをそのままにしておくと、海水に含まれている塩分のせいで変色したり傷んだりしてしまいます。使用後は毎回お手入れ・メンテナンスをおこなってください。お手入れ・メンテナンス方法は、以下の通りです。
- リーシュコードやフィンを外し、細かい部分も真水で洗い流す
- 日陰になっているところで立てかけて水抜きする
- カバーをかける
- 直射日光が当たらない場所で保管する
ソフトボードは、高温になる場所や直射日光が当たる場所に長時間置いておくと、日焼けや劣化する恐れがあります。お手入れ後は保管場所にも気を付け、十分に注意して取り扱ってください。
①滑り止め!デッキシートの貼り方
ソフトボードは表面がスポンジ素材でできたボード。一般的なサーフボードと比較すると滑りにくい素材ですが、それでもワックスやデッキシートがなければ、滑ってしまいます。
一般的なサーフボードには滑り止めとしてワックスを使用しますが、ソフトボードにワックスを塗るとせっかくのデザインが隠れてしまうことも。気になる方はデッキシートを使用するのがおすすめです。ここからはデッキシートの貼り方を詳しく紹介していきます。
ステップ1:まずは古いワックスを落とす
既にワックスを塗っている場合は、古いワックスを剥がす必要があります。油分が残っていると、デッキシートを貼ったときの仕上がりに大きく影響しますので、確実に取り除いてください。
ソフトボードは表面がスポンジでざらついているため、キッチンペーパーやタオルのような柔らかい素材を使いワックスを拭き取ります。また最近では擦っただけでワックスが剥がれる製品も販売されているます。
ステップ2:脱脂する
脱脂が不十分の場合、せっかく貼ったデッキシートがすぐに剥がれてしまう可能性も。自分の手がソフトボードに触れただけでも、油分は付着します。脱脂する際は、十分に注意しましょう。
ソフトボードの脱脂に使用するのは、「中性洗剤(食器洗い洗剤)」がおすすめです。車やバイクの整備で使う「パーツクリーナー」を使用する方もいますが、パーツクリーナーは本来サーフボードには使用してはいけないものです。クリーナーの成分やソフトボードの素材によっては、深刻な状態になる可能性もあります。
ステップ3:デッキシート(デッキパッド)を貼る
まずはどのように貼るのかレイアウトを事前に決めておきましょう。レイアウトを決めたあとは、いよいよデッキシートを貼っていきます。
シートに折り目が付かないように、剥離紙の角を少し剥がします。貼りたい位置に乗せ、剥離紙を剥がしながら丁寧に貼り付けて圧着。このときシートが曲がっていると、見た目が悪くなってしまうので、慎重に貼り付けていきましょう。
デッキシート(デッキパッド)は剥がしやすく作られていますが、貼り直しを想定して作られているわけではありません。何度も貼ったり剥がしたりを繰り返すと次第に粘着力が落ち、剥がれやすくなる可能性があります。貼り直さなくて済むように、最初から慎重に貼りつけましょう。
全ての工程が終わったら、すぐに波乗りしたいと思うかもしれませんが、これはNGです。デッキシートを貼り付けた後は、最低6〜8時間、推奨24時間ほど放置して馴染ませることが大切です。すぐにデッキシートが剥がれてしまうことを回避するためにも、貼り付けた後は放置しておいてください。
デッキシート(デッキパッド)の剥がし方とは?
デッキシートを剥がす場合も、ドライヤーやヒートガンなどでデッキシートを温めてのりを柔らかくします。熱を入れることでデッキシートが剥がれやすくなりますが、先ほども説明したようにソフトボードは熱に弱いので、温める際は温度や時間に注意してください。
次に、手で剥がれそうな場所をつまみ、なるべくのりが残らないように剥がしていきます。温風を当てながら、丁寧に全てのデッキシートを剥がしましょう。
②割れたとき!補修剤を使って接着
スポンジ素材特有の柔らかさで、ボード同士がぶつかっても派手なクラッシュはしないソフトボードですが、場合によってはクラッシュする可能性があります。ここではソフトボードが割れた場合や、デッキシートが剥がれた場合の補修方法を紹介していきます。
ソフトボードが割れてしまった場合
ソフトボードが割れてしまった場合、どのようにするとよいのでしょうか。今回はリペア材として、「WAHOO SOLAREZ EPOXY」と「WAHOO SUPONDE REZ」を使い、クラッシュした部分を補修する方法を紹介します。
まずは、クラッシュした部分を完全に乾燥させ、傷口を削り、クロス部分が2cmほど出るようにします。次に、クラッシュ部分を囲うようにマスキングテープを貼り、EPOXYでフォームの穴を塞ぎます。このとき、EPOXYが空気に触れないように、透明なプラシートなどで覆うとよいでしょう。
硬化したら、ボトム面をフラットになるようにヤスリなどで削りましょう。SPONGE REZが馴染みやすいようにボードを軽く削り、その上から面と同じ高さになるようにSPONGE REZを塗ります。15分ほど置いて表面が固まったあとは指で形成し、完全に乾いてからマスキングテープを外します。カッターナイフを使い、余分な部分を削って完成です。
デッキシートの端が剥がれてきてしまった場合
ソフトボードの表面はスポンジ素材なので、硬化後にカチカチに固まるタイプの接着剤は、デッキシートを剥がす際にボードの表面まで剥がれてしまう可能性があります。そこで今回は、弾性タイプの接着剤で補修する方法を紹介します。
まずは、ソフトボードとデッキシートを完全に乾燥させ、剥がれている部分をキレイにします。このとき、間に砂やゴミが残っていると接着が甘くなってしまいますので、丁寧に取り除いておきましょう。
次に、接着剤がはみ出してしまったときのために、マスキングテープをパッドのアウトラインに沿って貼ります。その後、ボード面に接着剤を薄く塗ります。ダマにならないように、均一に塗るのがポイントです。
塗り終わったらマスキングテープで引っ張るようにして固定し、きちんと硬化するまで1日以上放置して完成です。またボードを貼り付けたとき、接着剤がはみ出してしまう場合があります。爪楊枝などで接着剤の縁部分を切っておいたり、完全に乾く前にマスキングテープを剥がすと修正できます。
まとめ
ソフトボードは、ただ乗るだけ、使うだけでは寿命が縮まってしまいます。長く愛用するためにも、使用した後は毎回お手入れしましょう。またソフトボードの表面はそのままだと滑りやすいため、デッキシートを貼って滑り止めの加工を施すことは必須。さらに、ソフトボードだからといって割れる心配が全くないというわけではありません。何かの拍子に割れてしまった場合には、リペアする必要があります。今回紹介したお手入れ・リペア方法を参考に、定期的にメンテナンスをおこないましょう!