初心者の頃はスキー場でギアをレンタルしていた人も、いずれは上達を目指すなかで自分のギアを購入するでしょう。スキー板はもちろんのこと、ストック選びもパフォーマンスに大きく影響するので、ストック選びは非常に大切です。
まずはスキーのストックの種類を知ろう
一口にストックといっても、種類はさまざまです。スキーを滑る目的によって主に3種類にわかれます。
さまざまなシーンに対応。デモ用ストック
もっともメジャーなのが、デモ用ストックです。振り出しやすい重量感や、握りやすさなどトータルバランスが良いことが特徴で、最近では長さを調節できるポールも出ています。小回り、大回りで長さを変えることも簡単にでき、非常に使い勝手が良いです。
一般的に、レジャーとしてスキーを楽しむ人には、このタイプがおすすめ。使いやすさが追求されているので、使用している人も多く、また各メーカーからさまざまなモデルが販売されています。デザインや料金など比較検討しやすいということも、デモ用ストックを選ぶ利点といえるでしょう。
パークでも活躍。フリースタイル用ストック
フリースタイル用ストックの最大の特徴は、長さが短いこと。モーグル向け、パーク向けなど用途によって細かな違いもありますが、短いことは共通しており、ストックで地面を突くというよりは、バランスを取るために支えるという使い方をされます。ストックがかなり短いため、基本的には平地での利用に適していません。
モーグルやパークなど、フリースタイルは魅せるものなので、ストックのデザインは、カラフルでデザイン性の高いものが多いです。
スピード重視。レーシング用ストック
レーシング用ストックは、その名前の通りレースでスピードを追求するために作られています。クローチングポーズがとりやすい丸みのあるシャフトになっていたり、スタートダッシュで漕ぎやすいように、少し長めのものが多いです。
スキーのストックを選ぶ際のポイント
ここまでは、ストックの大まかな種類を見てきました。しかし、各ストックの中でも、さらに細かく種類が分かれます。実際に選ぶ際に抑えておきたいポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ストックの長さは身長に合わせて選ぶ
ストック選びにおいて、もっとも大切なのは長さです。自分の身長にあった、適切な長さを選びましょう。先ほど紹介したように、デモ用ストックでは長さを変えられるものも多くありますので、微調整は後からでも可能ですが、大きく外れたものを購入してはいけません。目安としては、以下を参考にしてみてください。
身長150cm | 102〜105cm |
身長155cm | 105〜110cm |
身長160cm | 107〜113cm |
身長165cm | 113〜117cm |
身長170cm | 115〜120cm |
身長175cm | 117〜123cm |
身長180cm | 120〜125cm |
上級者は、カービングで体を深くかがませたままでターンするため、短めを選ぶ傾向にあります。
好みや用途で伸縮型もしくは固定型を選択
子どもの場合は、シーズンが変われば身長が伸びるので、伸縮型のストックがおすすめです。大人の場合は身長はそんなに変わらないので、ゲレンデごとに長さを変えたいというこだわりのある人以外は、基本的には固定型でも十分でしょう。
それでも、伸縮型を選ぶメリットとしては、自分の適切な長さがまだよくわからないという人の場合です。滑りながら微調整して、滑りやすい長さを見つけましょう。
予算に合わせてアルミ製かカーボン製を選択
素材については、アルミ製とカーボン製が一般的です。それぞれの特徴としては、カーボン製の方が軽く、強度が強いと言われ、アルミ製の方が重く、弱いといわれます。
ただし、カーボン製でも素材の混合率によって異なるため、一概にはどちらが優れているとはいえません。
カーボン製の安価なものは、重くて強度が低いグラスという素材の混合率が高く、硬度の高いアルミ製のストックは軽く、強度が上がります。およその価格は、カーボン製は7000円~3万円、アルミ製は3000円~2万円です。この価格範囲の中で、より使いやすいストックを選択しましょう。
スキーのストックの使い方と必要性
そもそも、ストックをどのように使えば良いのか知っていますか?自己流の使い方をしていると、パフォーマンスがいつまでたっても上達しないばかりか、手首のけがにもつながります。楽しくスキーを続けるためにも、正しい使い方をしっかりチェックしておきましょう。
ストラップはグリップと一緒に握る
まずは、ストックのグリップ方法です。落としてしまわないようにグリップ部分についているストラップを手首に通して、ストラップの根元部分とグリップを一緒に握ります。これが正しいグリップ方法です。親指をグリップの上側に乗せるように握ると、しっかりと雪面を突くけます。
手首だけでなく腕全体で突く
スキーの上達は、ストックの扱い方がポイントです。スキー板のコントロールに意識を取られがちですが、適切にコントロールするためにはストックを通して、腕全体のパワーを雪面に伝えることも重要です。
ストックをグリップした上で、肘から手首全体を使って突きます。基本的には、雪面に垂直になるように突くのが正しい突き方です。この時、肘から肩にかけては動かさずに固定しておくイメージを持ちましょう。手首だけで突いたり、腕を大きく振りかぶって突いたりしないように注意してください。
ショートスキーはストックなしでもOK
ファンスキー、スキーボード、スノーブレードという名称でも知られるショートスキーは、ストックを使わないで滑ります。スキー板の長さが短く扱いやすいため、ストックがなくてもバランスが取りやすいためです。しかし、バランス感覚がどうしてもとりづらいという場合は、ストックを持つ人もいます。
おすすめストック 一般用、デモ用、伸縮型
各ブランドからは、豊富な種類のストックが販売されています。
ここからは、各種類別におすすめのストックを紹介します。まずはデモ用の伸縮型ストックから見ていきましょう。
操作性抜群。シナノ フリーFAST
ストックと言えばSINANOというくらいの定番ブランドです。中でもフリーFASTは、伸縮型であることと、軽くて振りやすいグリップが特徴的なモデルで人気があります。90〜115cmまで対応可能であり、伸縮操作も簡単です。従来の回して固定するタイプではなく、レバー式で調整することができます。グローブをしたままでも調整できるので、ゲレンデで「しっくりこないな」という時にも、すぐに調整することが可能です。
グリップは、親指と小指でしっかり握ることができるように、グリップ上部が細めの設計となっています。また、ストックで雪面を突いて滑る際に、小指球で押し出して返しやすいように、グリップ後部に厚みを増した構造が特徴です。
ワンタッチで調整可能。K2 LOCKJAW ALUMINIUM EVA
カーボン製で軽く、エントリーモデルとしてもおすすめです。長さは105〜145cmの間で調節できます。デザインはシンプルなブラックなのでクールな印象を与えてくれます。ゲレンデからバックカントリーまで幅広く使用できるストックです。
日本製で安心。オガサカ LC-FS
2サイズ展開で、Sは95〜115cm、Mは100〜125cmに対応しています。LC-FSは、コンペ出場を志すのスキーヤー向けモデルで、細部までこだわり抜かれた日本製のストックです。
サイズ調節がワンタッチで行うことができ、グローブをしたままでも、レバーの開閉のみでサイズの調節できます。フィンガーホルダー付きで、グリップしやすいのもポイントでしょう。
おすすめストック 一般用、デモ用、固定型
伸縮型は必要ないという人向けに、固定型のストックを紹介します。
伸縮ポールがない分、軽く作られており、またデザインも無駄なくすっきりしたものを好む人に、ぴったりです。
おすすめの固定型ストックを3つ紹介します。
リーズナブル。シナノ イーグル
イーグルは、「リーズナブルで格好良いファミリー向けスキーポール」というコンセプトのもと、作られた商品です。
アルミ製で軽く、価格も抑えられていますが、デザイン性や機能性も決して妥協していません。
カラーは4色で、ブラック、ブルー、ピンク、スカイから選ぶことができます。サイズは100〜125cmまでの5cm刻みで6種類の展開です。
軽量。ROSSIGNOL DEMO RDFJ000
とにかく軽量化を追求したストックです。非常に扱いやすく、バランスも良いロシニョール デモシリーズの上位モデルに位置づけされます。上達を目指すスキーヤーにおすすめです。
カーボン仕様。キザキ プロシードカーボン
垂直圧縮強度をアップさせた、新しいカーボンを素材に採用したストックです。
通常のカーボンよりも強度が増したので、パワフルに地面を突くことができます。力強い滑りを実現してくれるでしょう。105〜120cmまで、5cm刻みの4サイズ展開です。
おすすめストック レーシング、フリースタイル
レーシングやフリースタイルに特化したストックは、各メーカーのこだわりが見られます。価格は高くなりますが、その分良質な素材を使い、機能性を向上させているのが特徴です。おすすめのストックを2つ紹介します。
モーグルスキー専用。シナノBump Diver
モーグルスキーでの使いやすさを追求したシナノ Bump Diverは、層になっているカーボン素材の間に、ガラス繊維を挟むことで、シャフトにしなやかさを与えています。
このしなやかさが、モーグルでの滑りやすさを実現しているのです。
こだわっているのはシャフトだけではありません。グリップの背面に丸みを与えることで振りやすく、またグリップを握る小指、薬指の部分を細くすることで、余計な力が入らないように工夫されています。
キザキRACINGCOMP GS
高力アルミニウム合金を素材としたレーシングモデルです。
軽量ながら、肉厚が一定のシャフトを、先端に向けて絞って加工することで、強度を高めて、さらにスイングバランスも向上させています。
おすすめストック キッズ、ジュニア用
成長が早い子供用のストックは、身長が伸びるに合わせて長さを調節できる、伸縮型がおすすめです。
毎年必ずスキーに行く家庭ではないかぎり、子供がスキーを始めたばかりのころは、伸縮の幅が広くコストを抑えたストックを選ぶと良いでしょう。初めてスキーを始める子供であれば、とにかくコストを抑えた固定型のストックを選択しても良いですね。
伸縮型で経済的。シナノ フリーK
70〜100cmまで伸縮するフリーKは、子供の成長に合わせて長く使えるため、とても経済的です。素材はアルミ合金で、カラーはレッドとブルーの2色展開されています。1組で数年に渡って使えるストックです。
スキー入門用に最適。ROSSIGNOL PRO J
コストパフォーマンスに優れたジュニア用ストックです。初めてスキーを始める子供のための、入門用としておすすめです。ただし、伸縮型ではないため、子供の身長が伸びると1年で合わなくこともあります。サイズ展開は、70〜105cmまで5cm刻みです。
中古のスキーストックを探すならこのサイト
これからスキーを始める方や、よりよい機能性を有する高額なストックを購入するときは、中古のストックを検討してみてはいかがでしょうか。欲しかった上位モデルが、安く手に入ることもあるでしょう。中古スキーを大きう扱うサイトを2つ紹介します。
フリマまたはオークション形式。ヤフオク
日本最大級のオークションサイトとして有名なヤフオクは、使ったことがある人も多いのではないでしょうか。実際にスキーストックで検索をすると、かなりの数がヒットします。
ヤフオクでの購入方法は、決められた価格ですぐに購入できるフリマ形式と、入札によって価格が決まるオークション形式の2つです。フリマ形式は、出品者が価格を自由に決められるため、納得できる価格の商品があればすぐに購入できます。オークション形式と比べて、他のユーザーの入札状況を確認する必要がない手軽さも魅力でしょう。
対してオークション形式では、低価格から入札によって価格が上がっていきます。競合するユーザーがいなければ、思いがけず安く購入できることもあるでしょう。確実に欲しいときはフリマ、少しでも安く購入したいときは、オークション形式と使い分けるのがおすすめです。
地元で欲しい商品を探せる。ジモティー
ジモティーは、欲しい商品を住んでいる地域で探せるサイトです。登録料や手数料など全て無料で利用できるのが特徴として挙げられます。オークション形式ではなく、欲しいものがあれば、直接出品者に問い合わせます。チャットで取引のやりとりができる手軽さも魅力でしょう。
実際にスキーストックで検索すると、さまざまなストックが出品されていることがわかりますが、出品数はヤフオクのほうが多いようです。また、購入した商品は直接受け渡す必要があるため、もし不安がある方は、知人に同席してもらったり、人通りが多い場所を受け取り場所に指定しましょう。
まとめ
スキーストックには、伸縮型や固定型、またデモ用・フリースタイル用・レーシング用と多くの種類があります。さらに、各メーカーごとにベーシックモデルや上位モデルなど細かく分かれていることもあり、どれを選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
価格・素材・形状など、どれを重視するのかは、自分のスキーのスタイルに合わせて選ぶことが重要です。スキーの楽しみ方は人それぞれですので、この記事を参考に、ぜひ自分にぴったりなストックを見つけてください。
スキー用のストックについて詳しく知りたい方はこちらをチェック!