ジェンダー問題が取り沙汰される現代社会。そんな状況に置かれながらも、めざましい活躍をする女性サーファーたちに注目が集まっています。今回は、今注目したい女性サーファーや、女性がサーフィンをするメリットを紹介。
女性サーファーの歩み
今や女性もサーフィンを楽しめる時代。自らがサーフィンをしているという女性や、世界で活躍する女性サーファーを応援している人も多いでしょう。ここでは、女性サーファーの割合や歴史を紹介します。
サーファー全体の20%以上が女性
現在、サーファー全体の中で女性サーファーは20〜30%を占めています。まだまだ男性のするスポーツというイメージのあるサーフィンですが、着実に女性サーファーは増えてきているのです。
また以前は女性サーファー男性サーファーとの間で大幅な賞金の差が生まれていました。しかし、2017年にはWSL初の女性CEOが就任したことで流れが変わってきます。2019年にはWSL=世界サーフィン連盟が声明を発表。男女の賞金を同額にする動きがみられました。これは、女性サーファーが増えてきたこと、また男女平等に向けて働きかける女性サーファーによって成し遂げられた賞賛に値する出来事です。
女性サーファーのルーツは1600年代
サーフィンの歴史は古く、そのルーツは西暦400年まで遡ります。発祥の地と言われているのが、古代ポリネシア。大航海時代であった当時、男性たちは航海や漁のためにカヌーを使って海に出ました。そのカヌーが次第に娯楽のために使われるようになり、今のようなサーフボードの原型となったのです。その後、1600年代に突入すると、女性もサーフィンを楽しむようになりました。
近代では、アガサ・クリスティやマリリン・モンローなど、著名人もサーフィンを楽しんでいたとされています。日本においては、1965年にNSA=日本サーフィン連盟が発足。発足後初となる「第一回全日本サーフィン大会」には、女性サーファー、杉山裕子さんが出場していました。
女性にとってうれしい効果も!サーフィンを行うメリットとは
東京オリンピックで初の競技となったサーフィン。トップサーファーたちの華麗な波さばきに、高度な技術が必要なスポーツだと思っている人も少なくありません。しかし、サーフィンには女性にもうれしいメリットがたくさんあるのです。ここではサーフィンをするメリットを紹介します。
精神の安定
サーフィンには、精神を安定させる効果があると報告されています。実際に、サーフィンセラピーはメンタルヘルス効果があるとして、アメリカやヨーロッパではポピュラーな治療法です。多くの経営者がサーフィンをしているのも、この効果のため。波に乗っていると、自然とストレス解消になっているかもしれません。ぜひ試してみてください。
健康的な生活に
サーフィンは、全身を使うスポーツ。体幹や筋肉が鍛えられるので心身ともに健康になります。また、夜明けに良い波が立つことが多いので、多くのサーファーは早朝から海へ出かけることが多いです。早起きをすることで、生活リズムが整えられ健康的な生活を送れるようになります。
女性プロサーファーが活躍中!世界ランキングを紹介
世界で活躍する女性サーファーたち。果敢に波に挑む姿に、憧れている人も多いのではないでしょうか。ここでは、世界ランキング上位を占める女性サーファーたちを紹介します。
カリッサ・ムーア
Carissa Moore(カリッサ・ムーア)は、1992年8月27日生まれ、アメリカ・ハワイのサーファーです。これまで5度に渡りワールドチャンピオンに輝いています。東京オリンピックでも金メダルを獲得し話題となりました。
ブリサ・ヘネシー
Brisa Hennessy(ブリサ・ヘネシー)は1999年9月16日生まれ、コスタリカのサーファーです。2021年10月には「Roxy Pro France」で優勝するなど、今最も勢いのあるサーファーとして知られています。
ガブリエラ・ブライアン
Gabriela Bryan(ガブリエラ・ブライアン)はアメリカ・ハワイのサーファー。2019年の「ISAワールドジュニアサーフィン」では18歳以下の部門で優勝を果たした期待のルーキーです。
ケイトリン・シマーズ
Caitlin Simmers(ケイトリン・シマーズ)は2005年10月26日生まれ、アメリカのサーファーです。2021年のUSオープンを制し、「Roxy Pro France」では3位をマークしています。
インディア・ロビンソン
India Robinson(インディア・ロビンソン)は2000年11月1日生まれ、オーストラリアのサーファーです。2021年のWSLクオリファイシリーズ「Mad Mex Maroubra Pro」で優勝し話題となりました。
オリンピックでも大活躍!女子サーフィン日本代表を紹介
東京オリンピックで注目を集めた女性サーファーたち。その活躍ぶりに、心揺さぶられたという人も多いのではないでしょうか。ここでは、日本代表の女性サーファーを紹介します。
前田マヒナ
前田マヒナ(まえだまひな)選手は、1998年2月15日生まれのサーファーです。4歳でサーフィンを始め、ジュニア時代より様々な大会で活躍。2015年にはポルトガル・ナザレで20ft級の波に挑戦したことでも話題となりました。
都築有夢路
都築有夢路(つづきあむろ)選手は、2001年4月5日生まれのサーファーです。2021年からはWSLチャンピオンシップツアーにも参加。東京オリンピックでは見事、銅メダルを獲得しました。
松田詩野
松田詩野(まつだしの)選手は、2002年8月13日生まれのサーファーです。2019年には「第1回ジャパンオープンオブサーフィン」で優勝し話題となりました。
川合美乃里
川合美乃里(かわいみのり)選手は、2000年12月14日生まれのサーファーです。2017年にはWSLアジアチャンピオンの座を獲得したことで知られています。
野中美波
野中美波(のなかみなみ)選手は2001年8月22日生まれのサーファーです。2018年には、WSLクオリファイシリーズ「Jordy Smith Cape Town Surf Pro」で優勝を飾りました。
脇田紗良
脇田紗良(わきたさら)選手は2002年10月10日生まれのサーファーです。13歳でプロになり、2018年からはワールドツアーに参戦しています。
女性ビッグウェーバーを紹介
世界最大級の波をも乗りこなすビッグウェーバー。女性サーファーも世界各地のビッグウェーブに挑戦しています。ここでは女性ビッグウェーバーを紹介。
マヤ・ガベイラ
Maya Gabeira(マヤ・ガベイラ)は1987年4月10日生まれのサーファーです。73.5ft、約22m超えの波を制覇し、自身が保持していたギネス世界記録、68ftを大幅に塗り替えました。
シルビア・ナブコ
Silvia Nabuco(シルビア・ナブコ)はブラジルのサーファー。36歳でサーフィンを始め、1年半後には冬のハワイ・ノースショアへ。50歳を超えた今もビッグウェーブに挑み続けています。
ローラ・エネバー
Laura Enever(ローラ・エネバー)は1991年11月14日生まれ、オーストラリアのサーファーです。ビッグウェーバーに転身するまではWSLチャンピオンシップツアーの選手として活躍していました。
女性サーファーにフォーカスした映画や作品を紹介
見る人に勇気と感動を与えてくれる女性サーファーたち。そんな彼女たちにフォーカスした映画や作品もたくさん製作されています。ぜひチェックしてみてください。
「She surf:The Rise of Female surfing」
プロサーファーであり、ジャーナリストでもあるLauren Hill(ローレン・ヒル)による書籍「She surf:The Rise of Female surfing」。サーフィンの歴史や女性サーファーたちが働きかけてきた男女平等への軌跡を紹介しています。
「Girls Can’t Surf」
女性サーファーが受けてきた不当な扱いを毒舌とユーモアを織り交ぜたアーカイブ映像とインタビューで綴ったドキュメンタリー作品「Girls Can’t Surf」。日本での公開は未定とのことですが、YouTubeではトレーラーが公開されています。ぜひチェックしてみてください。
「Dear&Yonder」
サーフドキュメンタリームービー「Dear&Yonder」。ステファニー・ギルモアやココ・ホーなど、誰もが知る女性トップサーファーによるサーフシーンは圧巻です。
まとめ
これまで様々な問題に直面してきた女性サーファーたち。困難にも屈せず、海に向かう彼女たちは世界中の人々に感動を与え続けています。女性サーファーたちの今後の動きにも要注目です。