従来のサーフボードの型にはまらない「オルタナティブボード」。ハイパフォーマンスショートボードでも、ロングボードでもないサーフボードを指します。その中でも、その独特なデザインや乗り心地が高く評価されている「フィッシュボード」。今回はオルタナティブボードの代名詞とも言える「フィッシュボード」の魅力や選び方を紹介します。
フィッシュボードとは
フィッシュボードは、その魚のひれのようなデザインが最大の特徴。1960年代、カリフォルニア・サンディエゴのシェイパー「Steve Liz(スティーブ・リズ)」によって生み出されました。ここでは近年ブームが到来しているフィッシュボードを紹介します。
オルタナティブボードとは
オルタナティブボードは、現在のサーフシーンにおいて主流であるショートボードやロングボード以外のサーフボードのこと。「ミニシモンズ」や「ミッドレングス」、「エッグ」などが有名です。
競技としてのサーフィンが活発になり始めた1960年頃は、サーフボードはロングボードが主流でした。しかしサーフィンの腕を競うコンペティションや、新たな技が続々と登場。サーフボードにもパフォーマンス性が重視され、ショートボードが誕生しました。そんな中に、新しいサーフボードの形として生まれたのが、フィッシュボードを含むオルタナティブボードです。
深く切れ込んだデザイン
フィッシュボードは、シングルフィンの「ピンテール」を2つ並べたようなアウトラインと、魚の尾ひれを思わせるテールデザインから、その名がつけられました。テールを深く切れ込んだデザインにすることで、テールの面積が減り、ターンがしやすくなるというメリットがあります。
初心者には難しい?
フィッシュボードは初心者には難しいとのイメージがあります。実際にスピードがついてしまうとコントロールしづらい一面も。しかし、フィッシュボードは浮力が高い上に操作性も抜群。ショートボードに乗れるくらいになれば誰にでも扱えるので、初心者にもおすすめのサーフボードと言えます。
フィッシュボードの特徴や魅力を解説
近年サーファーの間で人気のフィッシュボード。機能性はもちろん、デザインが高く見た目もおしゃれなことから、購入を検討している人も多いはず。ここでは、フィッシュボードの特徴や魅力を解説します。
テイクオフが早い
フィッシュボードは、幅が広く浮力が高い為、スムーズなパドリングが可能に。その為、テイクオフも早くなります。また、フィッシュボードの中ではレトロデザインのものが最速です。
コントロールがしやすい
フィッシュボードは、テールの深い切れ込みが最大の特徴。この切れ込みによりサーフボードのレールと水の接地面積が減ります。その結果、水の抵抗が減り、サーフボードのコントロールがしやすくなります。
スピードが出しやすい
従来のサーフボードよりもスピードを出す為に開発されたフィッシュボードは、幅広でボリュームのあるデザインが特徴。また、サーフボードの反り、ロッカーが少ないフラットなデザインと、厚みのあるレールがスピードを損なわずにターンを可能にしています。
掘れた波より小波向き
フィッシュボードは浮力がある為、小さな波に適しています。反対に大きな波や掘れた波ではコントロールが難しくなりやすい傾向に。その為、フィッシュボードをセカンドボードに選ぶサーファーも増えています。
スタイルは2パターン!乗り心地の違いは?
一口にフィッシュボードといっても、さまざまなデザインや形のサーフボードがあります。形状によって乗り心地も違い、自分に合ったサーフボードを見つけるにはその特徴を知っておく必要が。ここでは、フィッシュボードのスタイルや乗り心地の違いを紹介します。
レトロフィッシュ
レールやテールが厚く、クラシックなデザインの「レトロフィッシュ」。重量感があり、扱いにくいイメージがありますが、しっかりとした安定感が魅力。その為、テイクオフのスピードも早いです。
モダンフィッシュ
ハイパフォーマンスでスタイリッシュな印象の「モダンフィッシュ」。スピードが速く、回転性も兼ね揃えている為、クイックな反応を実現。現在はモダンフィッシュが主流で、さまざまなサーフボードブランドが、パフォーマンス性の高いフィッシュボードを販売しています。
フィッシュボードの選び方を紹介
浮力があり、コントロールもしやすく、初心者にも人気の高いフィッシュボード。近年人気のフィッシュボードに乗ってみたいという人も多いのではないでしょうか。ここでは、フィッシュボードの選び方を紹介します。
適正サイズを確認
フィッシュボードは、5ft〜8ftまで幅広いサイズで楽しめます。普段ロングボードに乗っているなら6’2ft以上、ショートボードなら5’8ft以下が扱いやすくおすすめ。自分に合ったボリュームのサーフボードを選びましょう。
初心者には長めのものがおすすめ
サーフボードは長さによって浮力が変わってきます。サーフボードが長いほど、浮力が高く安定感があるので、初めてフィッシュボードに挑戦する際は長めのものを選ぶのがおすすめです。
フィンやテールの形状で選ぶ
同じフィッシュテールでも、切れ込みの深さや幅はさまざま。例えば、フィッシュの原点とも言える「サンディエゴフィッシュ」は幅の広いテールが特徴。パワーのない波にも対応可能です。また幅の狭いテール形状は、水の抵抗を受けにくくコントロール性能が高くなります。
また、フィンはテールの左右に1つずつキールフィンを配置するのが基本。大き目のキールフィンは、直進性と加速性に優れています。他には左右2つずつ、計4つのフィンを配置するクアッドフィンがあります。クアッドフィンは、コンパクトなターンやフィッシュボードの苦手な縦の動きをサポートする役割があります。好みのテールやフィンの形状を見つけてみてください。
おすすめのフィッシュボードを紹介
スピード性やコントロール性に優れ、スタイリッシュな見た目も人気のフィッシュボード。どれを買おうか迷っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、おすすめのフィッシュボードを紹介します。ぜひサーフボード選びの参考にしてみてください。
JS INDUSTRIES SURFBOARDS
「JS INDUSTRIES SURFBOARDS(ジェイエスインダストリーサーフボード)」は、有名シェイパーのジェイソン・スティーブンソンによるサーフボードブランド。クオリティとデザイン性の高いサーフボードは、世界のトップサーファーたちも愛用するほど。最新のテクノロジーを搭載したパフォーマンスフィッシュボードです。
Timmy Patterson
カリフォルニアのレジェンドシェイパー「Timmy Patterson(ティミー・パターソン)」によるブランド。一切妥協のないシェイピングから生み出されるハイクオリティなサーフボードは世界中のサーファーの憧れ。フィンやカラーなど、自分好みのデザインでオーダー可能です。
MICK FANNING
カリスマサーファー「Mick Fanning(ミック・ファニング)」によるブランド。日本人シェイパーの「熊谷充功」氏が製作しています。フラットなデッキが波をキャッチし、高速スピードを実現。スタイリッシュなデザインも人気のサーフボードです。
LIBTECH
頑丈なハイパフォーマンスボードが人気のブランド「LIBTECH(リブテック)」。小さな波でもスピードが出せるボードです。テールに向かって施されたアフターバーナー形状のチャンネルが最大の特徴。コントロールもしやすくパドリングも楽なので、初めてのフィッシュボードに最適です。
Patagonia
抜群の機能性と、自然からインスパイアされたスタイリッシュなデザインが人気のアウトドアブランド「Patagonia(パタゴニア)」。創業者のイヴォン・シュイナードの息子、フレッチャー・シュイナードが手がけるサーフボードブランド「FCD SURFBOARDS」のサーフボードを取り扱っています。現代的なデザインのフィッシュボードは推進力と、スケーティーな乗り心地が魅力です。
まとめ
フィッシュボードは、魚のひれのようなデザインや、乗り心地が高く評価され、オルタナティブボードの代名詞として知られています。スピード性やコントロール性に優れ、見た目もスタイリッシュな為、世界中のサーファーの間で人気のデザインです。ぜひ、お気に入りの一本を見つけてみてください。