五大湖の1つ、スペリオル湖をご存知でしょうか。世界で2番目の大きさを誇る湖で、海以外でサーフィンができるスポットとして有名な場所です。湖の波でサーフィンを楽しむレイクサーフィンやフェリーが通った後に生成された波に乗るタンカーサーフィンなど、スペリオル湖でできるアクティヴィティは多岐に渡ります。今回は、スペリオル湖でサーフィンに挑むサーファー達や、レイクサーフィンの特徴などについて紹介します。
五大湖の1つであり、驚愕の大きさを誇るスペリオル湖とは？
五大湖は、アメリカ合衆国とカナダの国境付近に連なる淡水湖の総称です。強い風が吹き寄せることで有名であり、コンスタントに波が到来します。場所によっては湖とは思えないほどの良質な波が押し寄せることも。まず最初に、五大湖の中の1つ、スペリオル湖の特徴を解説します。
有名な魚も釣れる！五大湖を紹介
五大湖全体の総面積は24万5300平方キロメートルにも渡ります。今回紹介するスペリオル湖の面積は8万2360平方キロメートル。西から東に向けて、スペリオル湖に続いて、ミシガン湖(5万8020平方キロメートル)、ヒューロン湖(5万9750平方キロメートル)、エリー湖(2万5670平方キロメートル)、そして、オンタリオ湖(1万9680平方キロメートル)の順に位置しています。
冬季の五大湖周辺の気温は、基本的に氷点下です。湖の表面や湖岸付近は氷や雪で覆われます。しかし、この環境が生態系にも大きく関係し、五大湖周辺には、魚類をはじめ、哺乳類、鳥類などさまざまな生物が生息しています。釣りの聖地としても有名な五大湖。代表的な生物は、サケやカワカマスで、多くの釣り愛好家が足を運びます。
スペリオル湖がある場所は？
では、スペリオル湖はどのような位置に存在するのでしょうか。
スペリオル湖は、五大湖の最西端に位置しています。最も標高が高い位置にあることから、「高次の」という意味を持つ「スペリオル(Sperior)」とフランスの探検家達によって名付けられました。
スペリオル湖の北は、カナダのオンタリオ州に接しています。その他の部分は、アメリカ合衆国のミネソタ州、ウィスコンシン州、そしてミシガン州に接しており、湖全体の3分の2がアメリカ合衆国に属しています。
気になる面積は世界最大カスピ海に続き2位！
スペリオル湖の面積は、8万2360平方キロメートル。世界最大面積の湖、カスピ海(37万4000平方キロメートル)に続き、2番目の大きさを誇ります。なお、「淡水湖」という括りでは世界第1位の大きさです。日本一大きい湖である琵琶湖の面積は、669.23平方キロメートル。琵琶湖の約123倍の大きさがスペリオル湖の面積だとすると、どれほど広大な湖かイメージしやすいでしょう。
オーロラも見れる！観光地としても大人気
アメリカ本土の最北端にある「アッパー本島」は、スペリオル湖から突き出た場所にあります。オーロラを観測できることで有名で、晴れた夜には、オーロラがスペリオル湖に反射して素晴らしい光のショーを楽しめます。多くの観光客が足を運ぶスペリオル湖。サーフィンと併せて、幻想的なオーロラも楽しめるレイクサーフトリップに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
レイクサーフィンとは？
「レイクサーフィン」とはその名の通り、湖でサーフィンをすること。レイクサーフィンはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、スペリオル湖では人気のウォーターアクティビティです。今回はレイクサーフィンの特徴やおすすめ時期を解説します。
オンタリオ州ではウォーターアクテビティとして大流行
海で行うイメージが強いサーフィンですが、オンタリオ州に位置するカナダのトロントでは、五大湖を中心にレイクサーフィンが流行しています。
レイクサーフィンのメリットは、海のようにクラゲやサメを心配する必要ないこと。また、海水と違い淡水なのでサーフィン後、身体がべたつかないのもポイントでしょう。海とは異なる特徴のある湖で、新しいサーフィンスタイルを堪能してみてはいかがでしょうか。
サーフィンできる時期は？
五大湖では、8月中旬から11月中旬にかけて良い波が生成され、最もコンスタントにサーフィンを楽しめます。また、11月以降から3月の冬季にかけても、嵐が到来するため、大きな波が押し寄せます。冬季の平均気温は、最西端のスペリオル湖周辺ではマイナス10度〜マイナス13度、南端のエリー湖周辺では、マイナス3度〜マイナス5度です。波の状態を考慮すると冬もベストシーズンですが、降雪し、凍えるほどの低気温であることがほとんど。サーフブーツやグローブを使用したり、厚手のウェットスーツを着用するなど防寒対策が必要でしょう。
全身氷漬けでサーフィンを楽しむサーファー「ダニエル・シェッター」とは？
スペリオル湖で、全身氷漬けになりながら、サーフィンを楽しむ代表的なサーファーを紹介します。スペリオル湖がサーファーにとってどれほど挑戦的な環境か、動画も併せて解説していますので、チェックしてください。
「ダニエル・シェッター」、通称「サーファー・ダン」について紹介
北海道よりも大きい面積を誇るスペリオル湖に足を運んだのは、サーファー「ダニエル・シェッター」。ミシガン州のマーケットに在住のサーファーです。スペリオル湖の冬場は、全身凍りつくほどの寒さ。サーファー・ダンは、そのような寒さに怯むことなく、日常の中でレイクサーフィンを楽しんでいます。
2019年1月は、アメリカ北部に極渦が到来し、シカゴなどの大都市も大混乱に巻き込まれたことで有名です。同時期のスペリオル湖周辺も、極渦の影響で気温はマイナス34度まで低下しました。サーファー・ダンは、そのような極寒の環境下でもサーフィンに挑戦！髭やまつ毛、そして髪の毛が凍りついた写真は、多くの人々を驚かせ、SNSで大注目を集めました。
スペリオル湖でサーフィンをする理由
サーファー・ダンは動画内でレイクサーフィンについて以下のように述べています。
「湖の底を全て見ることはできない分、レイクサーフィンは海に比べてミステリーが広がる。身体が痙攣するほどの寒さを感じ、命の危険を感じたこともある。しかし、その感覚が同時に楽しさに変わり、日常に有り難みを感じると共に生きがいを感じる。この感覚をより多くの人にシェアできる人になりたい」。
ダンにとってサーフィンというものが人生の大きな一部であることが伝わってきます。困難な環境下であるレイクサーフィンが生きがいに繋がっているのには、サーフィンへの深い愛が根元にあるのでしょう。
髭や髪の毛が凍りつくほどの極寒！気温はマイナス30度！
サーファー・ダンが、スペリオル湖でサーフィンをしているドキュメンタリー映像です。スペリオル湖の極寒の様子が伝わってきます。また、ダンのサーフィンに対する想いだけでなく、地元の人々からの彼に対する印象なども収録されているこちらの動画。彼がどれほどすごいことに挑んでいるのかぜひチェックしてください。
フリーサーファー「ディラン・グレイヴス」もサーフトリップを決行！
スペリオル湖でサーフィンをするもう1人のサーファー、「ディラン・グレイブス」について紹介します。大きな試練である寒さに立ち向かい、寒波にならないとサーフィンができないとう挑戦的な環境で見事波乗りを成功させたサーファー、ディラン。動画も併せてチェックしてください。
「ディラン・グレイヴス」とは？
ディラン・グレイヴスは、プエルトリコ出身でバンズのライダーも担うフリーサーファーです。現在はカリフォルニア州で活躍しています。波は、地形や人工物などさまざまな要因で生成されますが、普通とは異なる癖のある波に次々と挑戦するのがディラン・グレイヴス。
今回紹介する「Weird Waves」の動画は、ディラン・グレイヴスが、世界中の変わった波に挑戦する姿を特集しているVANSのYouTubeチャンネルです。シーズン3まで展開されており、スペリオル湖でのレイクサーフィンは、シーズン1で取り上げられています。
「Weird Waves」の他のシリーズでは、プールでの波乗りや、夜光虫とのナイトサーフィンなどを紹介しており、次々に「novelty waves(癖波)」挑戦していることから「癖のある波のハンター」と言う呼称も付いています。
ドキュメンタリー動画「Weird Waves」を紹介
ディラン・グレイヴスが、スペリオル湖を訪れたのは、2019年1月の真冬で気温は-1度。つららがぶら下がっている光景が動画内にも収められており、どれほどの寒さか伝わってきます。
スペリオル湖の波を乗りこなすサーファー、ディランのドキュメンタリー動画をぜひチェックしてください。
「Weird Waves シーズン3」その他の湖で収録された動画も紹介
ディラン・グレイヴスが、アメリカ合衆国内で2番目に水深が深い「タホ湖」でレイクサーフィンをしている動画です。「Weird Waves」シリーズ内で、レイクサーフィンを取り上げているのはスペリオル湖とタホ湖のみ。スペリオル湖とは、異なる美しさを魅せるタホ湖でのレイクサーフィンもぜひチェックしてください。
まとめ
今回は、極寒の地であるスペリオル湖で果敢にサーフィンに挑むサーファー達や、レイクサーフィンの特徴について紹介しました。波乗りをするスタイルは多種多様。スペリオル湖では、まるで海のような広さの環境でサーフィンを楽しめます。一味違ったサーフトリップをしたい方は、五大湖の一つであるスペリオル湖に足を運んでみてはいかがでしょうか。