スケートボードの代表的な技であり、ダイナミックな見た目からスケーターが憧れる技の一つであるトレフリップ。今回はトレフリップの難易度やスタンス、コツなどの練習方法について解説します。
トレフリップとは?
まず初めに、トレフリップとはどんな回転の技なのかを詳しく解説していきます。
どんな技か?
トレフリップとは、キックフリップ(板が縦に1回転する技)と360ポップショービット(板が横に360度回転する技)の回転が合わさった技。見た目にとても迫力があり、多くのスケーターが映像や大会などで使用する定番トリックです。
トレフリップの名前の由来
トレフリップの正式な名前は「360KICKFLIP(スリーシックスティーキックフリップ)」です。このトレフリップという名前の由来はイタリア語にあります。イタリア語で「TRE(トレ)」は「3」という意味です。「360KICKFLIP」では呼び名が長いため略称して「3 FLIP」と略し、イタリア語の「TRE」との造語で「TRE FLIP(トレフリップ)」と呼ばれるようになりました。他にも日本ではサブロクフリップ、サブロクとも呼ばれています。
トレフリップ が得意なスケーター
ここではトレフリップが得意なスケーターについて紹介していきます。たくさんのスケーターがこの技を使用するので、同じ技でもいろいろな違いを見比べられます。
フェリペ・グスタヴォ
フェリペ・グスタヴォのトレフリップは、脱力が魅力です。足を開いて前足で板をキャッチすることで、とても力を抜いて軽く回しているように見えます。前足で板をキャッチすることで板を細かくコントロールできるので、様々な場面で技が使えます。
クリス・ジョスリン
クリスジョスリンは大きなステア(階段)やギャップ(段差)で大技を披露することで有名なスケーターです。こちらのトレフリップはダイナミックさが魅力。力強く板を弾き、足を開かず両足で板をキャッチ。見た目にとても迫力が出るので、映像のように大きなギャップやステアで技を決めると、迫力が増します。
トレフリップ の難易度は?
ここまで紹介したように、トレフリップは難易度が高い技。難易度が高い分見た目に迫力もあり、スケートボードを始めたら憧れる技です。ここでは、トレフリップを練習し始めるタイミングや習得期間などについて紹介します。
キックフリップより難しい?
トレフリップはキックフリップの回転に360度横の回転を合わせた技になるので、難易度はキックフリップよりも難しくなります。キックフリップができるようになった後のステップアップの技としての認識が一般的です。
いつから練習し始めればいいか
トレフリップを練習し始めるタイミングは、キックフリップとポップショービット(180度板を横に弾いて回転させる技)をできるようになったタイミングが始めやすいです。キックフリップでは縦に回転している板に乗りにいくイメージがつきやすくなります。ポップショービットはトレフリップと板への乗り方が似ているため、さらにイメージがつきやすいです。
習得期間はどれくらいかかるのか
習得期間に関しては、練習の頻度や個人によって差はありますが早くても半年、完全にマスターするには2〜3年ほどかかる人もいます。この技は体で覚える細かい感覚が重要で、1度乗れても繰り返し練習しないと感覚を忘れてしまって乗れなくなることがあるからです。
トレフリップのスタンス、練習方法を解説
ここからは、トレフリップのスタンスなど具体的な練習方法を解説していきます。
逆八の字のスタンス
トレフリップのスタンスは後ろ足が重要になります。前足はフリップ(縦回転)を入れるためかかとを板から出して、つま先を進行方向に開いた状態。後ろ足は板のそり返しが始まっている部分を、指足で板の側面を掴むようなイメージでつま先を板から出して置きます。
まずは回し方を覚える
スタンスができたら、次に回す練習。両足ともに外方向に対して力を加え、後ろ足で板を後ろ側にすくいあげるようにしゃくります。この時、同時に前足でフリップ。これでトレフリップの回転がかかります。最初は回すだけでも難しいので、何度も練習してこの回し方を覚えることが重要です。
しゃくるとは?
「しゃくる」とは、つま先で横に板を払う動作を指します。板に横回転をかける技では必須の動作です。トレフリップで一番重要なのはこのしゃくる動作なので、この感覚を掴むことができれば、トレフリップを回せます。
トレフリップに乗るためのコツ
トレフリップを回せるようになったら、次は板に乗りにいく動作です。回せても乗りに行くことができない人も多いので、ここでは乗りに行くためのコツを紹介します。
裏乗りを克服するには
回せるようになって、いざ板に乗りに行くと裏乗りしてしまう現象があります。これは乗りに行くときに力みすぎて、後ろ足で板を潰しすぎることが原因です。板を潰しすぎるとフリップが入るタイミングが遅れます。板が一回転する前に着地の状態になってしまい結果裏乗りに。この場合は力みすぎないように意識するか、しゃくるときに板をしっかりと弾く意識をすることで多くの場合改善されます。
後ろ足が乗れないとき
これはトレフリップ に限らず色々な技に共通する問題。板を回せるようになったけど後ろ足だけ乗れない、これはほとんどが意識の問題です。板を回すことを意識しすぎて、頭の中で板に乗りにいくイメージができていない状態。そのため、板が回らなくても、両足でしっかりと板に乗りにいくイメージを掴むことが重要です。
おすすめHOWTO動画
ここでは、解説がわかりやすくイメージをしやすいおすすめのHOWTO動画を紹介します。
みんな憧れトレフリップ !森中一誠によるトレフリップ ハウツー!
森中一誠がトレフリップについて解説。正面、後ろ、横、斜めなどいろいろな角度からスロー再生で映像を流してくれるので、説明した内容をゆっくりと確認しながら見られます。
HOWTO360キックフリップ/トレフリップ の練習方法
海外スケボーユーチューバーのルイスモラが、スタンスから細かく解説。お手本のようにきれいなトレフリップを披露してくれるので、とても参考になります。
トレフリップ (360キックフリップ )のコツ完全解説
日本のレジェンドスケーターの米坂淳之介が解説。コツはトレフリップはダイナミックな見た目だけどあくまでも回転系の技なので、体の手前で回すことを意識すると、きれいに乗ることができると説明しています。
まとめ
スケーターの憧れの技であるトレフリップの解説でした。1つの技が完成するまでの道のりは長いですが、改善点を修正しながら技を磨き続けることにスケートボードの面白さがあります。今回紹介したことを参考にチャレンジしてみてください!