2021年7月23日に開催が決定した東京オリンピック。今回は新種目にスケートボードが決定しました。そんなスケートボードの出場選手の一人が、青木勇貴斗選手です。現役高校生でありながら、プロスケーターとして活躍する青木勇貴斗選手のプロフィールや魅力を解説します。
高校生プロスケーター青木勇貴斗選手とは?
青木勇貴斗選手は、学校法人倉橋学園キラリ高等学校に通う現役高校生です。スケートボードを始めたきっかけから、東京オリンピック出場権を獲得するまでの軌跡を詳しく紹介します。
青木勇貴斗選手のプロフィール
・名前:青木勇貴斗(あおきゆきと)
・誕生日:2003年9月4日
・身長:175cm
・体重:60kg
・出身地:静岡県静岡市清水区
・所属:F2O PARK
・世界ランク:13位(2020年5月20日時点)
プロ入りを果たした小学生時代
青木勇貴斗選手は5歳のとき、父親の影響でスケートボードと出会います。もともと非常に覚えが早く、恐怖に臆することのない性格であったため、スケートボードの実力がめきめきと上達しました。
小学二年生からは新設された神奈川県の練習場「F2O PARK」に通い、さらに腕を磨きます。小学六年生で全日本アマチュア選手権にて2位に表彰され、プロ資格を取得します。
転機が訪れた中学生時代
中学二年生で海外の大会に初出場するが、予選敗退。大会後のインタビューに、青木勇貴斗選手は「世界の実力を思い知りました」と語ります。その悔しさをバネに練習量を増やしました。さらに実力をつけ、その後は国内大会で数々の好成績を残します。
中学三年生、練習の成果もあり全日本プロツアーで2位に表彰されます。これらの国内外での実績は、後述する強化指定選手選抜の判断材料になりました。海外のレベルを体験し、実力を知ったからこそ、現在の青木勇貴斗選手の姿があるといえるでしょう。
世界を舞台に活躍する高校生時代
青木勇貴斗選手の「学業とスケートボードを両立したい」という願いから、中学卒業後は進学を決めます。進学先は学校法人倉橋学園キラリ高等学校です。通学制を選択し、一般の高校生と同じくクラスの仲間と勉強に勤しんでいます。
2019年には日本選手権や全日本プロツアーに優勝します。世界選手権では6位に入賞し、世界に実力を見せつけました。同年、優秀な成績が評価され強化指定選手に選ばれます。
そして2021年6月5日、ついに東京オリンピック出場資格を獲得しました。
青木勇貴斗選手のスポンサーは7社
高校生でありながら、世界から注目されるようになった青木勇貴斗選手。契約スポンサーは7社です。どの企業も、スケートボードをメインに取り扱うパーツ、アパレルのブランドです。世界中のスケーターから愛されるブランドであることから、青木勇貴斗選手の注目度がわかるでしょう。
エクストララージ
エクストララージは、ストリートファッションを中心とした海外のアパレルブランドです。バリエーション豊かなコラボ商品や、ストリート向けの丈夫な商品を取り扱います。青木勇貴斗選手もエクストララージの服を愛用しています。
エス
海外のスケートシューズブランドであるエスは、1995年スケートボード世界王者のピエール・アンドレによって起業されたブランドです。スケートシューズで有名なことだけあり、滑りにくい靴底や破れにくいソールなどの工夫が施されています。
エレメント
エレメントは、スケートボードの顔であるデッキを販売するブランドです。青少年を育成する非営利団体「ELEMENTAL AWARENESS」の設立や、売り上げをデッキの原材料であるメイプルウッドの植林に寄付するなど、さまざまな活動で社会に貢献しています。
ロイヤル
スケートボードとウィールを繋ぎ止めるトラックを主に販売する企業です。トラックは重さや高さ、柔軟性などで滑りやすさや回しやすさが左右されます。ロイヤルのトラックは、安定感があり、回しやすい設計が特徴です。青木勇貴斗選手も、安定感のある長さと技を成功しやすい高さのあるトラックを好み、ロイヤル製品を選択しています。
ニューエラ
ニューエラといえば、日本でもキャップやリュックで有名なアパレルブランドです。スケーターからの支持率が高く、キャップを合わせたストリートファッションにニューエラが選ばれます。ツバを曲げない独特な形状や、前後逆にかぶっても格好よく見えるデザインが人気の理由です。
スピットファイア
スケートボードのウィールを手掛ける海外ブランドです。ウィールは、スケートボードが唯一接地するパーツでもあります。そのためスケーターは、特にウィールはこだわるパーツです。青木勇貴斗選手はスピットファイアのウィールの中でも軽く、グリップ力のある「F4」を使用しています。技の成功率向上のための、メイク率重視のウィール選びといえるでしょう。
トリプルエイト
プロスケーターとはいえ、プロテクターは必需品です。トリプルエイトは頭や身体を守るプロテクターを手掛ける海外ブランドです。
青木勇貴斗選手は、昔から難しい技の挑戦や新しい技の研究を惜しみません。どんなに恐怖心を打ち消したとしても、失敗すれば怪我の可能性があるでしょう。そこで活躍したのがトリプルエイトのプロテクターです。軽くて耐久性が高く、青木勇貴斗選手のメイク率強化を支えました。
青木勇貴斗選手の強さの秘密
高校生という若さで、東京オリンピック代表選手となった青木勇貴斗選手の強さの秘密を紹介します。フィジカルや技の強さだけではありません。高校生にして、プロスケーターとしての自覚を持ち続けていることも大きな要因でしょう。
高難易度の技を積極的に挑戦する
青木勇貴斗選手は、高難易度の技をあえて反復練習するように意識しています。その理由は「常に自分を追い込むように練習したいから」とインタビューで語ります。
プロスケーターであっても高難易度の技ほど危険性が高く、恐怖心を感じるでしょう。しかし、青木勇貴斗選手は反復練習で転倒するたびに「絶対に乗ってやる!」と気持ちを高めます。練習の成果もあり、青木勇貴斗選手はメイク率に定評がある選手だと、世界選手権でも評価されました。
まずは自分の身体を理解する
フィジカルや技の練習以外にも、青木勇貴斗選手が大切にしていることがあります。自分の身体を理解することです。
念入りなストレッチと体幹トレーニングを取り入れ、柔軟性や体幹の強化を心がけています。また、メディカルトレーナーからのアドバイスに耳を傾け、身体の動かし方を意識して練習に取り組みます。
自分の身体を理解し、大会では常に最高のパフォーマンスを発揮できる。いつもスケートボードに真摯に向き合う姿勢こそ、青木勇貴斗選手を世界レベルまでに成長させたのでしょう。
プライベートの過ごし方
幼馴染であり、同じ強化指定選手でもある根附海龍選手とは、毎日のように練習する仲です。インタビューで青木勇貴斗選手は、「根附海龍選手と練習する時間や練習後に食事する時間こそが、プライベート時間だ」と答えました。ライバルとして競い合い、仲間として励まし合ってきたからこそ、モチベーション高く取り組めたのでしょう。
そのほかにも、青木勇貴斗選手は休日でもスケートボードの感覚を忘れないように心がけていると語ります。独りの時間でも、音楽を聞きながらクルーザーに乗り気分転換して過ごします。心からスケートボードが好きだからこそ、どんな苦難にも立ち向かえられたのでしょう。
青木勇貴斗選手の魅力とは
青木勇貴斗選手の魅力を知ることで、スケートボード競技がより楽しめるでしょう。青木勇貴斗選手は、現役高校生であることや安定感のある得意技、人柄など、さまざまな魅力があり、思わず応援したくなる選手です。
自他共に認める「伸びしろ」
青木勇貴斗選手は現在17歳であり、日本強化指定選手の3人や世界トップランク20の中でも最年少選手です。そのため、まだまだ今後の成長に期待できる選手でもあります。インタビューでは「伸び代は一番だと思っているし、そこには期待していてほしいところです」と答えます。自他共に認める伸びしろに、今後も目が離せません。
得意技は「トレフリップ」
トレフリップとは、スケートボードを空中で縦横に1回転させる技です。青木勇貴斗選手は、ただでさえ難しいとされるトレフリップを起点とした複合技が得意です。大会中での失敗がほとんどなく、高いメイク率を誇ります。
青木勇貴斗選手は、メイク率を上げるための反復練習に惜しみなく努力します。身体の使い方にも意識しており、完成する技はどれも高いメイク率を誇ると同時に、非常に美しいフォームです。
将来の夢はアメリカ進出
「高校卒業後はアメリカのロサンゼルスに住みたい」。インタビューで今後の夢を聞かれた際に青木勇貴斗選手が答えた言葉です。スケートボードを愛しており、大人になってもスケートボードを続けたい思いから、さらに高レベルな場所で挑戦したいと語りました。
青木勇貴斗選手の最終目標は、自分のスケートボードブランドを立ち上げることです。そのためにはまず、目の前の東京オリンピックで金メダル獲得が目標だと決意を表明しました。
まとめ
高校生とプロスケーターを両立する、青木勇貴斗選手のプロフィールや魅力を解説しました。世界に通用する強さの秘密には、スケートボードに真摯に向き合う姿勢や仲間の存在がありました。
中学生時代に海外のレベルを知った経験から、より練習に励むようになります。その後はめきめきと上達し、一気に日本一にまで昇りつめました。そんな努力家な性格が東京オリンピック出場を実現したのでしょう。