歩きやすいスキーブーツのシェア拡大中 グリップウォークソールで板をはずした後も快適に

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慣れないスキーブーツで歩くゲレンデまでの凍った坂道や、板を脱いだ後のレストランまでの階段…。スキーを経験したことのある人で、慣れないブーツに、ツルりと滑りそうになったことがある人は多くいるはず。スキーに行ってけがをしてしまっては、貴重な休みが台無しです。そこで、最近はブーツも進化していると知り、スキー用品選びのプロに聞いてきました。

快適なスキーブーツを求めて専門店へ

ヴィクトリア御茶ノ水本店(東京・千代田)の1階のブーツ売り場で出迎えてくれたのは、プロスタッフの安久津卓也さん(43)。父親が転勤族だったため、東北各地や北海道などの雪国を中心に高校まで15回の引っ越しを経験。小学6年から高校までは、ウインタースポーツが盛んな札幌で暮らし、スキーはお手の物です。

スキーブーツが歩きにくい問題

階段や坂道で滑りそうになることは多々

出典:PIXTA

Grab編集部:スキーブーツって、どうしてあんなに歩きにくいのですかね。この前もゲレンデのカフェに寄った後の階段で思わず、滑って転びそうになってしまいました。スキー板を持って駐車場からリフト券売り場にいく坂道でも、転ばないか毎回のようにヒヤヒヤします。

安久津:ゲレンデは、ホテルや駐車場の目の前にあり、すぐに板を装着してリフト乗り場までいけるとは限りませんよね。多くのスキー場では、駐車場から圧雪された坂道や、センターハウス内の階段を上り下りしたりと、意外とスキーブーツで歩かなければいけない場面は多くあります。

レストランやトイレに行く階段の上り下りで、滑りそうになっている人を見るのはスキー場の日常。実はスキーブーツは、ゲレンデでの滑りやすさだけでなく、歩きやすも考慮するのが、今のトレンドです。

スキーブーツだけど、歩きやすい、滑りにくい

ダルベロのグリップウォークソールがおすすめ

Grab編集部:今回は安久津さんにいろいろなブーツを持ってきてもらいましたので、最新のブーツ事情を教えていただきます。こちらに持ってきてくれたのは、DALBELLO(ダルベロ)のブーツですね。

安久津:ダルベロは1970年代にイタリア発の名門ブランド。ドイツの名門・フォルクルスキーやマーカービンディングと同じMDVグループの中核ブランドの一つです。MDVグループは基礎からフリースタイル、バックカントリーまで、オールマイティに展開しており、その実績は折り紙つきです。

ダルベロの歩きやすさとは?

Grab編集部:ヴィクトリアにもいろいろとブーツは並んでいますが、ダルベロの何がそんなに違うのでしょうか。

安久津:このカカトを見てください。普通のスキーブーツが裏が真っ平らなのに対して、凸凹していますよね。

Grab編集部:たしかにトレッキングシューズみたいな靴底で、グリップ力が高そうですね。

安久津:さらに、つま先とカカトを見てください。ラウンド状になっていることで、つま先からの歩き出しと、かかとからの着地がだいぶよくなっています。スキー場でもゴンドラまで歩く必要のあるところも多いですし、これだけでもだいぶブーツで歩くストレスが違ってきます。

 

気になる滑りは?

Grab編集部:逆に滑りではどうなのでしょうか

安久津:逆にたしかに、靴底がフラットなのは、板にダイレクトに力が伝えられるという利点があります。逆にグリップウォークソールは、滑りのときの反応がフラットソールよりファジーになるというのは言えるかもしれません。ただ、レースや技術選にでるわけでなく、余暇に家族とスキーに行く程度なら、スキー歴が長い人でも満足するはずです。

Grab編集部:ビンディングの対応はどうでしょうか

安久津:グリップウォークソールが入らないものもあるので、すでにビンディング付きの板を持っている人は注意してほしいです。ブーツとビンディングの整合確認・調整も必要となるため、ビンディング(板)もお持ちいただき、ご相談いただければ、間違いないかと思います。

安久津:またグリップウォークソールには、ソールにグリップウォークのロゴが刻印されているので、ご自分のブーツがグリップソールかも確認してみてください。

おすすめのグリップウォークソールのブーツはこれ

Grab編集部:ダルベロの中でもいろいろなブーツがありますが、週末に家族で行くスキーに良さそうなブーツはどれでしょうか。

安久津:ダルベロ 80MX PANTERRA。ですね。バックルが3点どめのブーツで、ソフトフレックス。ゲレンデで快適にクルージングしたい人におすすめです。さらに足首が動くようになるウォークモード付きで、歩行も楽々。ちょっとしたバックカントリーにも対応でき、初心者からベテランまで満足する一足ですね。

ダルベロ 80MX PANTERRAはこちら

Grab編集部:子ども向けにもグリップウォークがあるのですね。

安久津:HEADのZ2 GWも歩きやすくて、人気ですね。子どもがスキー靴で転んで嫌な思いをしないためにも、できれば子供ブーツの靴底までこだわってほしいものです。

すでにブーツのある人向けの対策アイテムも

Grab編集部:最後に、ブーツをすでに買ってしまった人もいると思うのですが、そういった方の対策はあるのでしょうか。

安久津:今、口コミでスキーヤーの話題になっているアイテムがあります。それが「フットウォーカー」というスキーブーツに履かせるソール。滑りにくさはもちろん、グリップソールではないスキーブーツの摩耗も防げるので、ぜひブーツと一緒に購入してほしい名品です。

グリップソールで歩行も安心

スキー板を脱いだスキーブーツは歩き辛いものと諦めていましたが、それも今や昔のイメージ。グリップソールで、ゲレンデのレストランやトイレの段差も気にせずに上り下りできることがわかりました。けがなく安心してスキーを楽しむために、グリップソールがさらに普及することは間違いなさそうです。

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