本日からGrab新連載のスタート!スノーボードが日本で流行り出した時からの老舗ブランド「SIMS」のライダー5名に熱いお話を伺ってきました。連載1回目は毎年東京・代々木公園でスノーボードイベント主催する荒井DAZE善正さんです。
Grabでも昨年のイベントについて執筆。こちらもご覧ください。
ヨコノリから社会貢献へ、「東京雪祭SNOWBANK PAY IT FORWARD×HEROs FESTA2019」
今回インタビューしたのはこの方
- 名前:荒井DAZE善正
- 出身地:東京都
- スポンサー:SIMS SNOWBOARDS/FLUX/HIMARAK GLOVE/SHIFT TUNING SERVICE/ELECTORIC/AIRBLASTER/ヨコノリ不動産/北海道ウォール
- インスタグラム:@snowbank_daze
━━━さっそくお話を伺います!
始まりはザウスから
━━━スノーボードを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
荒井:始めたのは16歳くらいです。今は閉館してしまったのですが、近所に「ザウス」(千葉県船橋市)という室内スキー場があったので、軽い気持ちで始めました。
荒井:最初はハーフパイプに没頭しましたが、若い子たちのライディングを見て未来は無いと思い映像や写真での露出に路線を変えました。今でも白馬や谷川岳、北海道で撮影を行なっています。
足が痛い…。なんかだるい。
慢性活動性EBウイルス感染症との出会い
━━━病気の前兆ってどんな感じだったのですか?
荒井:ある時足が痛いなぁと、それだけだったんです。でもスノーボードを結構一生懸命やってたので、ただの疲れだろうと思って何もしませんでした。するとだんだん体調悪い時も出てきてしまいました。
━━━病院は行かなかったんですか?
荒井:病院に行ってもただの風邪じゃないかと言われてしまい、曖昧なままでいたらある日突然倒れてしまい、検査入院の日々に。しかし4ヶ月経っても原因がわからず。その頃僕はもう手足がしびれて足が動かない状態になっていました。
荒井:知り合いからがんセンターでセカンドオピニオンを受けてみたら?というアドバイスをもらい、やっと病名がわかりました。「慢性活動性EBウイルス感染症」という、聞いたことがない病名だったのでピンと来ませんでした。
━━━私も初めて聞きました。どんな病気なんですか?
荒井:EBウィルスと言う日本人の約9割以上の人が感染していて本来は免疫力が勝ち続けて死ぬまで持ち続けるウィルスが稀になぜか免疫力が負けて異常増殖し臓器不全を起こし、死に至る予後不良の病気でした。
荒井:治すには骨髄移植しかないと先生に言われ、適合するドナー探しが始まりました。ドナーが決まるまで半年待って、フルマッチとはいきませんでしたが適合者が見つかり、体力があるうちに手術しようと決断しました。手術して1ヶ月は苦しかったです。
━━━1番苦しかったときに助になったものはどんなものですか?
荒井:闘病中、僕はブログを毎日更新し続けてたのですが、それを読んでくれた人からの応援がすごく力になりました。あとはスノーボードの仲間の声ももちろん届いてました。なので、治ったら絶対に恩返しするって心に誓ったのです。
移植から約半年、スノーボードって楽しい!
━━━どのくらいスノーボードと離れていたんですか?
荒井:体に違和感を覚えてからも少しは滑っていたのですが、何にもできなくなって2シーズンが経っていました。
━━━久しぶりのスノーボードはどこへ行かれましたか?
荒井:今でも覚えていますが、北海道に行きました。お医者さんからはあまり無理するなと言われましたが、楽しくなってエアーとか決めちゃったり、ちゃんと楽しみました。まだ太陽に当たってはいけないと言われたので全身フルガードで行きましたよ。
━━━2シーズン離れてても普通に滑れるんですね!
荒井:そうですね。そこは体が感覚を覚えていました。忘れてなかったことがすごく嬉しかったです。
スノーボード×社会貢献
街中でスノーボードがしたい
━━━荒井さんが毎年行ってる「東京雪祭SNOW BANK PAY IT FORWARD」はどんなイベントですか?
荒井:これはもう僕のライフワークですね。病気が治り元気になってから骨髄バンクのボランティアをはじめたのですが、若い人にはボランティアってなかなか伝わり辛くて。そこでスノーボードを通じてたくさんの若者を集めて直接伝えられないかと思ったんです。
荒井:それが「SNOW BANK PAY IT FORWARD」です。場所は東京のど真ん中、渋谷代々木公園で。雪を降らせてライディングセッションや音楽ライブを行う中献血バスも設置して、献血と骨髄バンクドナー登録を気軽にできる環境を創りました。
━━━誰でも参加できるのですか?
荒井:公園なのでもちろん入場無料です。献血・骨髄バンクドナー登録も強制ではありませんので気軽に参加してください。
━━━このイベントを通して皆さんに何を感じてもらいたいですか?
荒井:スノーボードを知らない一般の方がスノーボードの素晴らしさを感じて欲しいです。「街中でスノボ?面白そう、楽しそう」から骨髄バンクについてもついでに知ってもらえたらいいなと思います。協力してくれるライダーには、自分たちのライディングで人を救えるということを感じてもらいたいですね。
荒井:最近はライダーのみんなが率先してこのイベントを盛り上げてくれているので、社会貢献に対しての意識が昔と比べて変わったなと感じます。
荒井さんオススメのSIMSボード
━━━さてここからは板についてお伺いします。荒井さんはSIMSのどの板に乗っていますか?
荒井:僕はATVとVANISHです。ATVは昔からあるザ・キャンバーボードです。
━━━ザ・キャンバーボード?
荒井:キャンバーボードとは板の裏側(ソール)と雪面の間に隙間ができているボードのこと。これによりターン時に欠かせない「抜重、加重のタイミング」を取りやすくなり、ターンの動きにメリハリをつけやすくなって、結果キレのあるターンにつなげることができます。
━━━こちらはどんなシーンで使うのですか?
荒井:こちらはオールラウンドにどんなシーンでも使ってますね。カービングや地形遊び、なんでもいけます。僕はあえて158㎝で長めに乗っているんです。最近は短いボードが主流みたいなんですが、古い人間なので長めで大きいターンにこだわって滑っています。
━━━もう1本のVANISHとはどんなボードですか?
荒井:こちらはパウダーを滑る時に使います。板の先端(ノーズ)が太いファットノーズで、板の後ろ側(テール)もテーパードといい、ノーズ側がテール側より幅が広いことで浮力が増し、しっかりとした浮力になっているので最高のパウダーランが楽しめます。
SIMS公式サイトはこちら
まだまだ進化は止まりません!
最近は「18年ぶりにハーフパイプにハマっている」とInstagramに投稿していた荒井さん。彼の進化は一体どこまでいくのでしょうか。これからも活躍が楽しみです。さて次回のライダーはどなたでしょうか?SIMSライダーの連載は始まったばかり。次回をお楽しみに!