連載企画【ゲレンデの輪】今回は親子でスノーボードを楽しむ豊田敬さん。豊田さんも娘さんもバリバリ現役で今も練習を続けている選手です。今回はそんな豊田さんのスノーボードを始めたきっかけからこれからのことについてお話いただきました!
今回インタビューしたライダーはこちら!
豊田さんプロフィール
- 名前:豊田敬
- 職業:医師
- スノーボードスタイル:レース、アルパインスノーボード
- ホームゲレンデ:菅平パインビークスキー場
- SNSアカウント:豊田さんのFacebookはこちら
━━━早速豊田さんにお話をお伺いします!
レースってなんか面白そう
アサマ2000スキー場での出会い、そして弟子入り
━━━豊田さん今おいくつなんですか?スノーボードはいつから始めましたか?
豊田:今56歳です。スノーボードは33歳から始めました。理由は・・・全然覚えていませんが、フリーでワンシーズン滑っていたのは覚えています。レースの世界に興味持ち始めたのはそのあとからですね。
━━━どういうきっかけだったんですか?
豊田:長野県の東信地方にアサマ2000というスキー場があるのですが、都内からも近いし、標高高くてカービングに適したスキー場だったんです。そこで初めてスノーボードのレーシング環境(ゲート練習場)があることを知りました。当時34歳の私でも面白そうだな、やってみたいな、とふと思ってしまったんです。練習料が無料だったので何回か入らせてもらっていました。
━━━大人になってもそういう好奇心ってあるんですね!
豊田:うん、まさに好奇心でした。次の年にスポーツ店でレーシング用(アルパインスノーボード)の板、ブーツ、ビンディングを購入。次の週にはゲレンデで試しましたよ。その時私は滑りに自信があり、コースを楽勝でクリアできると思っていたのですが、すぐにコースアウトしてしまい、それが悔しくてすぐにスクールに弟子入りしました。
━━━行動が速いです!!!
豊田:40歳になって自分で医院を開業し、時間ができてからは毎週山に通っていましたね。僕にとってアルパインスノーボードを始める=大会に出場するという決意だったので、次の年からは公式戦にも出場し、レースの世界にどっぷり浸かっていきました。
チームヴィクトリアへ飛び込み、初めての公式戦
━━━公式戦に出るためにはチームに所属しないといけないんですよね?
豊田:そうです。当時度々アルパイン用品を買わせてもらっていた、東京のヴィクトリア御茶ノ水店で公式戦のチーム登録をさせてもらいました。都内で知ってるチームはそこだけだったのでまさに飛び込みでしたよ。今でも対応してくれたスタッフさんには感謝しています。
━━━初めての公式戦はいかがでしたか?
豊田:まずびっくりしたことが、自分が絶対に最年長だと思っていたら自分よりも5歳上の選手がいた事です。しかも私よりも全然速くてかっこよかったです。あとは、選手の皆さんがレーシングスーツを着て大会に出ていたことにもビックリしました。僕な何も知らずに普通のウエアで出たので逆に恥ずかしかったことを覚えています。
━━━なんでも初めての経験はちょっとおもしろエピソードがありますね。
娘との二人三脚
お互いがモチベーション
━━━もうレースを初めて20年近くになりますが、レースで1番よかった成績ってなんですか?
豊田:2011年の全日本のシニアBクラスで優勝した時です。レース始めたばかりの時は、地区大会通過して全日本に行けたら競技はやめようと思っていたのですが、それがいつしか娘もレースを始めたこともあってその思いはなくなっていきました。
━━━優勝!すごいです。何よりも娘さんがモチベーションなんですね。
豊田:そうですね。娘は今日本代表になろうと必死で頑張っていますので、僕が逆に背中を押してもらう存在になっています。そして娘にとっても、僕が競技を続けていることでいいモチベーションになってるんじゃないでしょうか。
━━━そうなんですね。お二人でスノーボードの話はしますか?
豊田:昔はよくしてたけど今は減りましたね。もちろん娘が海外で練習している時の動画は毎回送ってくれますが、技術的なことはもう何も言っていません。メンタル的なところで支えている感じです。技術的なことは僕が彼女に聞いています。
シニアの滑りから最新の滑りへ
まだまだ自分は進歩している
━━━最近はオフシーズンにニュージーランドに行かれているとお聞きしました。
豊田:そうなんです。以前は日本にいるときは月一で室内ゲレンデに通い、オフも滑っていたのですが、しっかりとしたゲレンデで滑った方が効率がいいことに気づき、毎年同じ仲間で10日間ほど海外へトレーニングに行っています。
━━━海外で滑ると気づくことってありますか?
豊田:ありますね。最近は守りの滑りから攻めの滑りを目指して練習しているのですが、海外に行くとうまい選手がゴロゴロいるので目の保養になり、とても参考になっています。一緒に行く仲間も同じ考えを持った人なので、技術の情報共有したり、この年なのに合宿みたいでいい雰囲気ですよ。
━━━では日本での練習環境はどんな感じなのですか?
豊田:以前はコーチを選んで滑ってたのですが、最近は自分で考えるようになり、上手い選手がいる環境に身を置いて練習する事が大切だと感じるようになりました。上手い選手の通ったラインをそのまま滑るといいイメージになるんです。切磋琢磨できますしね。まだまだ自分は成長してると思います。
━━━なんかめちゃくちゃかっこいいです!!これからの目標はありますか?
豊田:2011年にシニアBクラスで優勝してから、レベルの高いシニアAクラスにずっと挑戦していますが、まだ優勝した事がありません。なのでそこで優勝する事が目標です。あとは娘がオリンピックで活躍できるために、しっかりサポートしていく事です!
━━━素敵な56歳ですね。豊田さん今日は貴重なお話ありがとうございました。
まとめ
いかがでしたか?スノーボードの中でもレーシングは年齢の高いひとが大会に挑戦できる競技なんだと感じました。年齢を重ねても目標があるって素晴らしい事ですね。何よりかっこいいと思いました。これを機に年齢を言い訳にせず、何か趣味を持って毎日を過ごしたいものです。