出典:instagram@mofm_minakami_life
スノーボーダーの福山正和さんをご存知でしょうか。あるときはスノーボーダー、あるときはモデル、デザイナーとたくさんの経歴をお持ちのレジェンド。
もちろん多くのインタビューや取材を受けるスノーボーダー福山さんですが、今回他メディアでは話していない、Grabだけに語るスノーボードを経て、現在のアパレルや釣りに行き着いた意外な共通点や考え方を教えてくれました。自然で暮らすボーダーならではのこだわりを徹底取材したので、早速ご紹介します!
インタビュアー
インタビュアーを務めるのはJSBA公認プロスノーボーダー志鷹あかり。9歳からスノーボードを始め、今年で21年目。現在も現役選手として活躍し、2018-19シーズンにはツアー優勝しました。今回からゲレンデの輪の取材を担当し、新たなチャレンジに挑みます!
Grabカメラマン兼編集の新野と、レジェンド福山さんに突撃インタビューを敢行してきたので、ご紹介します。二人で面白い記事を書いていきますので、お見逃しなく!
<過去のゲレンデの輪 連載>
【ゲレンデの輪vol.7】 谷口尊人さんの紹介はこちら
福山さんプロフィール
プロフィール
△名前:福山正和(ふくやままさかず)
△ニックネーム:ふくちゃん
△出身地:奈良県川西町
△SNSアカウント:
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instagram
ブログ
スポンサー
- MofM(アパレル)
- メガバス(釣り)
- BIG FISH1983(サングラス)
かつてJSBA全日本選手権で初出場・初優勝し華々しくプロデビュー。さらに、スノーボーダーとして活躍しながらメンズノンノなどのモデルとしても活動。その後自身のブランド「MofM」を立ち上げ、現在は活躍の場を群馬県のみなかみに移し、ファッションの創作活動をしながら夏は渓流釣り、冬はスノーボードと多岐にわたって活動している。
スノーボーダーでありながら、釣りのプロ、元モデルでもある福山さん。多彩な経歴を持つ彼がどうしてみなかみに移り住み、活動しているのか、スノーボードとの関連性はあるのかどうか、熱いお話を聞いてきました!
福山正和にとってスノーボードの魅力
芸術やアートと似ているスノーボード
━━━福山さんにとってのスノーボードの魅力って何ですか?
福山:僕にとってスノーボードの魅力は、自然を感じれることと、個性を出せることなんです。通常のスポーツ選手って競技服も記録に密接に関わってくるから、中々個性を出すことってないけれど、スノーボードは多くのギアを使用して、幅広い中から選べるし芸術、ファッション、アートと密接に関わっていて、自己表現がしやすい世界だと思います。
━━━そうそう!自分もスノーボーダーなのでなんかわかる気がします。私のスノーボード仲間は個性豊かな友達が多く、毎回会うと刺激をもらいます。
福山:オリンピックとなると日本という国を背負って代表として行くわけだから個性は割り切らないといけないので、スノーボーダーはオリンピックを目指さない人も多いですよね。
個性を出したければオリンピックじゃなくてXゲームってゆうアメリカンカルチャーの強いスノーボーダーの大会もありますし!そんな独特な雰囲気がスノーボードの魅力だと思いますね。
プロスノーボーダーをやめてファッションの世界へ
10年間の東京生活の裏側
━━━そんな華々しいスノーボード生活を経て、その後はファッションの世界でご活躍されたんですよね?
福山:そうなんです。スノーボードのプロをやめて、東京に行き10年程ファッションの仕事をしていました。プロボーダー時代にモデルをしていたこともあり、アパレル関係者の知人も多く、すぐにでも洋服を作れる環境にあったため、自然な流れで自身のブランドを立ち上げました。
━━━なるほど!福山さんのアパレルブランド「MofM」についてもお話いただけますか?
福山:トレンドを意識せず、ありのままの自分を表しています。よく、ブランドがデザイナーと一緒に年を取っちゃいけないと言いますが、僕はブランドも顧客も一緒に年を取りたいと思っています。同世代の中で、何が1番かっこいいか、それを表現したいと思っています。生き方をそのままデザインしている感じです。
━━━「生き方をデザインする」とは素敵です!
福山:東京にいた10年間でデザインの方向性は決まっていたので、それをみなかみに引っ越して、山で実際に使って、改良するという、エラー&トライの繰り返しで服を作っています。
MofMオフィシャルサイト→http://www.manofmoods.com/
ホームゲレンデ「みなかみ」の魅力とは?
普通のゲレンデじゃ面白くない!?
━━━ところで、ブランドも立ち上げ、仕事も順風満帆だったのに、なぜみなかみに移住することにしたのでしょうか?
福山:30代後半くらいで、今後の人生どう過ごそうか考え、やはり山の近くで暮らしたいと思いました。子供も生まれたタイミングでみなかみに引っ越して、現在は釣り、スノーボード、アパレルの創作活動という生活を送っています。
プロスノーボーダーを辞めた後、東京でファッションの勉強をしながら、休みの日には、山に上がって滑ってバックカントリーという普通のゲレンデではない、コース外を登って滑るってことを行っていました。
しかし、東京にいると休みの日にしか山に行けず、良い日もあれば悪い日もある、コンディションがまちまちの中で滑らなくてはなりませんでした。それで結構ストレスを感じました。遭難したら命に関わるし、いろんな人に迷惑かけてしまいます。
でも、山の近くに住めば、毎日雪を見れるし、天気良い!と思ったらすぐ上がれるため、山の近くに住むことに憧れていました。
僕は”the day”(コンディションの良好な日)をずっと求めています。みなかみって、結構危険だけれど、5分くらいで雪の良いポイントに行けちゃうんです。
他に北海道なども考えたのですが、ファッションと山を両立したい!と思い都内にアクセスのいいみなかみに引っ越しました。
新野:━━━人生変えちゃったんですね〜。
福山:バックカントリーって危険だけれど、最高の状態で滑りたいという欲求に勝てませんでした。みなかみの良さを知ってしまうと、もう戻れませんね。
この最高を知っちゃうと、みなかみに住んで、そこのローカルの人に話聞いて勉強してったら、だいたいどんな日が最高かがわかってきました。だから僕は安全を考慮して3月はほとんど滑らないです。
釣り×スノーボード
渓流釣り×みなかみ×スノーボード
━━━最近の活動を見ていると釣りをたくさんされていますね!
福山:僕は夏は釣り、冬はスノーボードっていう生活をしてるんですよ。釣りは元々小さい時から好きで、最初はバスフィッシングから始まり今は渓流釣りをやっています。人の繋がりで釣りのスポンサーもついてくれて、今の生活ができています。
しかし、スノーボードをする上でこの渓流釣りはとても意味をなしているんです。その理由として、先ほども話しましたが、みなかみは危険な山でもある。だから、スノーボードで様々なところを滑るためにはこの山の地形を知る必要があります。
でも僕はハイキングのように与えられたルートを登るだけって中々面白くなくて。そんなとき地図を見ると川がたくさんあることに気づき、川を登って行けば迷うこともないので、登ってみたんです。そしたら、釣りに最適な場所をいくつも発見してました。
みなかみの沢筋を日本で1番知っているのは俺!
福山:スノーボードを滑るために山を登るなど、目的がないと辛かったので、夏は釣りを目的に谷川岳を5000kmは軽く歩いたと思います(笑)。その甲斐あって雪がない時にしか行けない沢筋も把握して、地図見なくても山で迷わなくなりました(絶対にマネしないでください)。
だから冬も一応GPSは持って行きますが遭難はしない自信はありますね!その沢筋を辿ってまた新しく滑るところを見つけたり、「ここ雪降ったら滑りたい」という気持ちになったり、季節を感じて毎日過ごしています。
━━━ 一見「釣り」って全くスノーボードとは関係ないように思えましたが、夏の釣りがとっても役に立っているんですね!実は私も釣り好きなので、ボーダーは釣り好きなのかもしれませんね!
新野:ボードと釣りはギアを使って、通うところが似てますね(笑)。とても面白い話が聞けました!ありがとうございます。
これからの若いボーダーたちへのエール
━━━就活の時期ですね。ではここで、若者へエールをお願いします!
福山:とにかくしんどい思いをしてください(笑)。みんなしたくないと思いますが、例えば、いっぱい頑張ったらお腹空くでしょ?ごはん美味しくなりませんか?それと一緒です。
いっぱいしんどい思いすれば、快楽が待ってるんです。
━━━ わかりやすい(笑)!それでは今後の目標は…?
福山:すみません、まだ内緒です(笑)。今後に期待してください!
まとめ
好きなことを仕事にするということは、ここまでストイックにならないといけないのか!と思いました。たくさん苦しい思いをしてきて、今の最高なライフスタイルを手に入れた福山さん。取材をしていて、同じスノーボーダーとしての共感する点はもちろん、人生の先輩としての今後の生き方はとても参考になりました。
目指したくても目指せない…けど憧れます!福山さんの今後は「内緒」ということではぐらかされてしまいましたが、今後の活躍にも期待ですね!福山さん、お忙しい中ありがとうございました!