サーフィンワックスの塗り方を指南!初心者向け

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出典:Fast&Slow / PIXTA

サーファーにとって、サーフボードのワックス塗りは大切なメンテナンス。ワックスを塗る意味や塗り方の正解を知ることが、サーフィン上達の近道です。今回は季節や水温によって使い分けるポイントを意識した、正しいワックスの塗り方を紹介します。

サーフボードとワックスの準備はOK?

サーフボードを持って出かける前に、ワックスの準備をしていますか?サーフボードには、ワックスを塗る作業が必要です。「面倒だから」といってワックスを塗らなければ、せっかくのサーフィンが楽しめなくなるかもしれません。そもそも、なぜワックスを塗る必要があるのでしょうか。

なぜワックスを塗るのか

車やフロアのワックスの場合は、ツヤを出したり、滑りをよくすることに使われます。きれいにワックスを塗った車の塗装は、つるつるしていますし、ワックスのかかった廊下で滑りそうになった方はいるのではないでしょうか。また、ウィンタースポーツのスキー板や、スノーボードの滑走面にもワックスを使います。そのため、サーフボードのワックスも、ボードで滑りやすくするものと思っている方は少なくありません。

実際は、サーフボードのスタンディング時、足が滑ることなく安定して波に乗れるように、ワックスを塗ります。滑りをよくするために、ボードの下側(滑走面)に塗るスキーやスノーボードと異なり、スタンドアップする表面(デッキ側)にワックスを塗ることがポイントです。ワックスの塗り方一つで、サーフィンの楽しみに大きな影響が出る可能性があります。

ワックスはなにでできている?

サーフィンのワックスは、主にロウを主成分として製造しています。長い間、石油由来のロウはサーフィンワックスの主流でした。しかし、近年は環境に与える影響を考慮し、石油から作られるロウに変わり、松油などの植物由来成分を配合したメーカーが増えています。

SDGsなど国単位で環境への取り組みを強化している背景があり、そのため、「石油由来成分の割合を減らす」「松油や大豆、豆類など100%天然成分にこだわった開発」など、環境を意識したサーフィンワックスが見られるようになりました。

ロウから植物由来成分への切り替えは、業界全体の動きです。ロウが主成分のサーフィンワックスは、やがて少なくなることが予想されます。

塗り方①ワックスの範囲を決める

ワックスを塗る前に、まずサーフボードへ塗る範囲をイメージしましょう。

身体が密着する範囲にあわせて塗る

サーフィンワックスは、サーフボードに身体が密着する範囲で塗るのがポイント。サーフボードの上に腹ばいになり、自分の身体とサーフボードのデッキ面が接するエリアを覚えてください。

もともと、サーフィンワックスはデッキにライディングしたとき、両足が滑らないために塗るもの。どんなにベテランのサーファーでも、しっかりとワックスを塗らなければ、うねるような波の動きを受けたサーフボード上には立ち上がれません。

また、滑り止め効果が期待できるサーフィンワックスを塗ることで、以下のような場面でも役立ちます。

・サーファーが腹ばいでパドリングをするとき
・スタンドアップで手をつくとき
・波を待つ間に座っておく場所がほしいとき

サーフボードの種類で塗る範囲も変わる

自分の身体とサーフィン中の動きをイメージしながら、身体がデッキと触れ合う可能性がある部分に、ワックスでしっかりとカバーすることが大切です。例えば、サーフボードの種類がロングボードの場合、ボードの表面で歩くサーファーがいます。

そのような方は、サーフボードのデッキ側全体に塗るのがおすすめです。

塗り方②まずはベースワックスを塗る

ここからは、サーフィンワックスの塗り方を学んでいきましょう。

ワックスはベースコートとトップコートの2層

サーフィンワックスには、ベースコートとトップコートの2種類があります。以前は、ベースコートは使わずトップコートの1層のみで仕上げるのが主流でした。しかし、近年は下地にベースコートを塗って耐久性を出し、その上から2層のトップコートでグリップ力を高める塗り方が一般的です。

ベースワックスの塗り方

ベースワックスは、ワックスの角でデッキに対して斜めに引きます。等間隔で斜めのラインに塗った後は、格子状になるよう、逆斜めの角度でさらに塗り進めまあしょう。少し力を入れながらサーフボード全面にワックスを塗りつけて、粒状に仕上げていきます。

画用紙の上を、クレヨンでグルグル塗りつけていくイメージです。このベースコートの塗り方は、トップコートの仕上がりに影響が出ます。適度な力で塗っていくと、やがてワックスの色味が薄くなり、粒がたくさん生まれると、ベースコートは完成です。

塗り方③季節や水温に合わせたトップコートを塗る

ベースコートを塗り終えたら、トップコートで仕上げましょう。

トップコートは季節や水温で選ぶ

ベースコートと異なり、トップコートのワックスには、豊富な種類があります。メーカーによってカテゴリや対応する水温に違いはありますが、以下の5種類が主な分け方です。

・TROPICAL(トロピカル)

季節:真夏
月:7~9月
温度:1年で水温・気温ともにピークのシーズン

・WARM(ウォーム)

季節:初夏・秋口
月:5~7月、10~12月
温度:春に比べて水温が上がったころ
真夏に比べて水温がやや下がったころ

・COOL(クール)

季節:春・秋
月:3~5月、10~12月
温度:水温がやや低い春または秋

・COLD(コールド)

季節:冬
月:1~3月
温度:水温や気温が最も低い真冬

トップコートは、季節だけではなくサーフポイントの水温や気温、風の状況など考慮して選ぶ必要があります。季節や温度にマッチしないワックスを使うと、滑りやすくなってうまくバランスが取れません。注意しましょう!

トップコートの塗り方

まずは、季節や水温にあわせてワックスを選び、粒状になっているベースコートの上から、トップコートのワックスを塗っていきます。トップコートは、ベースコートに比べてやわらかめです。そのため、ある程度力が必要だったベースコートを塗る作業に比べると、軽い力でどんどんワックスが塗れます。

塗るときのコツは、粒々の上からソフトに軽く塗ること。粒状のベースコートは、グリップ力を高めてくれます。なお、ベースコートはトップコートと異なり、サーフィンをするたびに塗り直すのが基本です。

「前回塗ったからいいや」といって、塗らないまま海に入ると、滑り止めが効きづらくなります。パドリングやライディングがうまくできなくなる可能性があるので、必ずメンテナンスしてください。

まとめ

ワックスの塗り方ひとつとっても、サーフィンが上手くなるかどうかを左右します。面倒に感じて、ワックスを塗らないまま海に入ったり、ワックスが落ちても塗り直さないことは、安全面からも見ても問題です。ベースコートはもちろん、季節に合わせたトップコートを選び、季節や温度にあったワックスを選んでみてください。

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