スケートボーダーの瀬尻稜は、世界大会で優勝経験がある選手です。若いうちから様々な大会に出場し、結果を残してきました。ここでは、瀬尻稜がスケートボードを始めたきっかけや得意なトリックをご紹介します。スポンサーや推定年収、東京オリンピック出場などに関しても詳しく見て行きましょう。
瀬尻稜の出身は?スケートボードを始めたきっかけ
スケートボードとの出会い
瀬尻稜は、1996年12月11日生まれで年齢は24歳です。東京都出身で、サーファーをしていた父親からスケートボードをもらったことをきっかけに、幼稚園のとき5歳でスケートボードを始めました。放課後や週末にはスケートパークへ連れて行ってもらい、日々練習を重ねました。両親から熱心に教育を受け、2003年に6歳で日本スケートボード協会のアマチュア大会に出場しました。
才能の開花
さまざまな大会に出場を重ね、2005年に日本スケートボード協会の全日本アマチュア選手権で優勝。2006年にプロ昇格を果たし、その年の日本スケートボード協会のプロクラスグランドチャンピオンでは、史上最年少11歳でチャンピオンに輝きます。
父親の指導が厳しく、大会でいい結果が出なかった時の嫌な空気感がプレッシャーとなり、当時は勝ちにこだわって練習に励みました。嫌な思い出がありながらも、今となっては厳しく指導されたことに感謝しているといいます。
おもな戦歴
2010年から2012年まで3年連続グランドチャンピオンとなり、2010年からは海外の大会にも出場し始めました。国内の大会では3年間負けなし、海外の大会でも好成績を残します。2012年の「KIA X GAMES ASIA 2012」で銅メダル獲得、G-SHOCK「REAL TOUGHNESS」では、2011~2013年にかけて3連覇を成し遂げました。
2012年の「Far’n High」で7位入賞を果たした後、2013年のWCS主催コンテスト「Mystic Cup」「Far’n High」「Jackalope」では3連勝を果たします。2015年にはスケートボード業界で最大のコンテスト「STREET LEAGUE」に、アジア人として初めて出場。国内外問わずに結果を出し、名が広く知られるようになりました。
オリンピックとの関係
2016年、スケートボードがオリンピックの追加種目に決まりますが、オリンピック出場にあまり興味を示しませんでした。金メダルを獲ることよりも、スケートボードを楽しむことに重きを置いていたからです。現在もオリンピック出場にはこだわらず、スケートボードを楽しむことを大切にしています。
2017年には「ARK LEAGUE」に新設されるスケートボード部門のオーガナイザーとなり、プレイヤー以外の形でスケートボードと関わるようになりました。当初は乗り気でなかったものの、現在はスケートボードに関するさまざまなことに挑戦し、影響を与え続けています。
スポンサーはどこ?得意とするトリックは?
スポンサー
世界で活躍する瀬尻稜のスポンサーは、Murasaki Sports・Red Bull・ELEMENT・RVCA・Emerica・OAKLEY・NINJA・DAKINE・autobahn wheel・ Skullcandy・BRO STYLE・Skate Sauce WAX Co.などです。
2017年に放送されたレッドブルのCMに出演した瀬尻稜は、CM出演をきっかけに知名度を上げます。ムラサキスポーツとは契約ライダーの関係で、2018年に契約を結んだRVCAとはアパレルパートで契約を交わしました。
2019年には、株式会社ミクシィのXFLAGがスポンサー契約を締結。XFLAGはスポーツチームとのスポンサー契約や個人選手とのスポンサー契約を締結していて、瀬尻稜以外には競泳女子の松本弥生選手やBMXライダーの内野洋平選手と契約を結んでいます。
得意なトリック
瀬尻稜の得意なトリックはSwitch kickflipです。スイッチキックフリップとは、つま先を使ってデッキを一回転させるキックフリップをいつもと逆のスタンスでおこなうトリック。
レッドブルのホームページでは瀬尻稜がノーコンプライを披露する動画が掲載されていることから、ノーコンプライも特技のひとつだとわかります。ノーコンプライにはさまざまなバリエーションがありますが、前足を地面に下ろしてデッキと体を180度回すトリックが一般的です。
瀬尻稜のトリックがCMで見られる
瀬尻稜は、2020年10月に公開された日産キックス e-POWERのプロジェクトムービー「ELEC-TRICK CHALLENGE(エレク-トリックチャレンジ)」に出演して、視聴者を魅了しました。プロジェクトムービーでは、瀬尻稜含むスケートボーダーが「ライトペインティング」というデジタルアートを応用した技法で「日産キックス e-POWER」の世界観を表現。
LEDをつけたスケートボードでトリックを決め、線や文字を出しています。LEDがついて通常の1.5~2倍ほど重いデッキを使用し、難易度の高いトリック「Kグラインド」を決めているのがポイントです。「Kグラインド」とは、フロント側のセクションへノーズ側のトラックをカーブで斜めにグラインドするトリックを指します。
瀬尻稜の推定年収は?東京オリンピック出場について
スケーターの収入
スケーターの収入源は、大会の賞金とスポンサー収入です。もらえる賞金は大会ごとに異なり、例えば2016年におこなわれたWCSのジャパンラウンドでは優勝特典が総額100万円でした。一方で、「ARK LEAGUE」の前身「FLAT ARK」は2015年に優勝賞金500万円を用意しています。大会の優勝回数が多いほど、年収はアップしているのです。
瀬尻稜の推定年収
瀬尻稜は世界大会で優勝できるほどの実力があるので、大会での収入は多いと予想されます。スポンサー収入に関しても、ムラサキスポーツやレッドブルなど大手企業とスポンサー契約を締結しているため、収入は多いでしょう。年収は明らかにされていませんが、推定年収は数百万~数千万円です。
東京オリンピックには出場する?
2016年にスケートボードがオリンピックの追加種目になり、多くの人が瀬尻稜はメダル獲得を目指すのではないかと予想しました。しかし、瀬尻稜は東京オリンピックに出場しない選択をします。オリンピックを目指さない理由として、スケートボードを楽しむ気持ちを優先させたかったことを挙げました。
現在は気持ちに変化があり、オリンピックを目指していれば違ったものの見方が出来ていたかもしれないと、インタビューで語っています。東京オリンピックでスケートボードは、街の中のようなコースで行われる「ストリート」と、複雑な形のコースで行われる「パーク」の種目が開催される予定です。
東京オリンピックへの思い
東京オリンピックを目指す池田大亮や堀米雄斗など、若手選手には尊敬の念を抱いている瀬尻稜。オリンピックでの金メダル獲得を目指してスケートボードをするのは嫌だとしつつも、オリンピックを目指して頑張る若い選手のことは応援しています。
東京オリンピックでは会場へスケートボードを見に行き、選手の応援をしたいとインタビューで語っています。また、スケートボードがオリンピックの種目となり、大会が競技化したことについては、大会のレベルが上がった点がメリットだと言っていました。
ビデオパート制作
瀬尻稜は現在、ビデオパート制作に力を入れています。ビデオパートとはスケートボードの技を撮った映像で、スケーターが評価されるひとつの指標です。ビデオパートにはスケーターの個性が現れるため、スケーターは全身全霊で作品作りに励みます。
瀬尻稜のビデオパートは、派手な技よりもほかのスケーターがしない技を多く取り入れている点が特徴です。時間をかけて撮り貯め、まとめた後、ビデオパートを制作しています。
まとめ
瀬尻稜は子どもの頃から様々な大会で活躍し、国内外問わずに結果を出してきました。スケートボード界では、日本を代表する選手の一人ですが、スケートボードを楽しむことを第一に考え、あえて東京オリンピック出場は目指していません。
ビデオパートで瀬尻稜の得意なトリック、スイッチキックフリップを参考にしながら、スケートボードを楽しんではいかがでしょうか。レッドブルや日産など、企業のCMに出演している姿にも注目です。