常に海と暮らしてきたハワイ出身のプロサーファー・ジョンジョンフローレンスは、偉大なパイプラインサーファーとして有名です。プロとしての実績が圧倒的なジョンジョンフローレンスの軌跡や、ビラボンパイプマスターズの怪我から復帰までの道のり、プライベートと現在の彼の魅力を解説していきます。
ジョンジョンフローレンスの出身はハワイ?常に海と暮らしてきた
ジョンジョンフローレンスの本名は、「ジョン・ジョン・アレキサンダー・フローレンス」です。ハワイのホノルル出身ということもあり、子どもの頃から海に親しみ、遊び場といえば海といった生活を送ってきました。彼にとってサーファーになることはとても自然な流れでしたが、その背景には複雑な事情もあったようです。当時、ジョンジョンの母親はジョンジョンの父親である夫との折り合いが悪く、家にいることが苦痛だったので、彼を含めた3人の子どもたちを連れて頻繁に海に出かけていました。
幼いころから海が身近だったジョンジョンは2才でサーフィンを始め、5才のときはパイプライン目指してパドリングをして母親を心配させたという話は広く知られています。幼少期にサーフィンを楽しむジョンジョンの映像を今でも見ることができますが、当時からほかの子どもとは違う、キラリと光る何かを感じる人も多かったのでしょう。
13才でアマチュア大会の中でも大御所である「NSSA」で優勝し、世界中のサーファーが集う「トリプルクラウン」にも参戦しています。プロサーファーとして活動を始めてからは、世界サーフリーグの最高峰といわれる「CT」に参戦、2016年、2017年は年間王者の座を射止めました。
ジョンジョンはパイプラインマスターと呼ばれるほど、パイプラインを得意としているサーファーです。彼の世代ではもっとも有力なパイプラインサーファーだと言われており、近年はもっとも代表的なプロサーファーとして世界中のサーファーから注目を集めています。
プロとしての実績は圧倒的
プロになったジョンジョンは、2011年から最年少でCTにフル参戦、2012年の「Billabong Rio Pro」では初優勝を飾っています。このときワールドツアーで4位を獲得して、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。さらに、先にも触れていますが2016年と2017年には世界一に輝くなど、素晴らしい成績を収めています。ちなみに、2016年に世界一となったCTでジョンジョンが獲得した賞金は、4,060,000ドル。日本円にすると約4,600万円です。
ジョンジョンフローレンスというと、パイプラインを思い浮かべる人も多いですが、クリティカル・マニューバーも得意としており、世界各地のサーファーから高い評価を得ています。マニューバーとは、波に乗った状態でサーフボードの方向を変えることです。ボトムターンやカットバックなど、クリティカル・マニューバーにはさまざまなアクションがあります。このエピソードからも、ジョンジョンが実に幅広い技術を持った実力派のサーファーであることがわかります。
ジョンジョンは数々の企業とスポンサー契約をしていますが、代表的なのは「ハーレーライダー」や「モンスターエナジー」が挙げられます。しかし、2024年の契約満了を機に、ハーレーとの契約は解除となるようです。その背景としては、ハーレーの親会社が投資会社のブルースターアライアンス社となったことで、ジョンジョンだけでなく全体のスポンサー契約料を大幅にカットすることになったという説が挙げられます。契約料のカットは50%以上にのぼるとも言われていますので、そこまで条件が悪くなってしまうのであれば、契約を解消するのは致し方ないかもしれません。
ビラボンパイプマスターズの怪我から復帰
幼少期から華々しい活躍を続けてきたジョンジョンですが、2018年、バリ島でフリーサーフィンをしていた際に右膝の前十字靭帯を損傷してしまい、シーズンの大会から離脱してしまいます。2019年には復帰をし、WSLでも勝利を重ねていたのですが、なんと同じ場所を怪我してしまい、再度ツアーを断念せざるを得ない状況となりました。自身のSNSではMRIを撮影する様子も投稿されていたので、ジョンジョンの怪我を知る人は多いでしょう。
東京オリンピックの出場を目指していたジョンジョンは、本格的に治療をするべく手術を選択。手術を受けたあと、リハビリを重ねることによって順調に回復していきます。そして、東京オリンピックの出場権獲得を目指して2019年のWSL最終戦に出場。見事勝利を収め、アメリカ代表として東京オリンピック出場権を獲得したのです。さらに、2020年12月にオアフ島で行われた「ビラボンパイプマスターズ」では、悲願の優勝を獲得。名実ともに、幼い頃から夢見ていた「パイプマスター」となりました。
世界一のサーファーという称号を与えられていたジョンジョンですが、ここまで来るまでに怪我でのシーズン離脱や無念の敗退など、さまざまな試練や葛藤があったようです。パイプマスターズを制することを夢見て、幼い頃からサーフィンと共に人生を歩んできたジョンジョンにとって、この初優勝は何者にも代えがたい最大の目標だったことでしょう。パイプマスターズでは「ここ数年いろいろなことがあったので、この勝利は格別だ」といったコメントを残しており、暗黒時代から抜けた喜びを噛み締めています。
ジョンジョンフローレンスのプライベートと現在
ジョンジョンフローレンスの年齢は28才。「世界一のサーファー」の名をほしいままにしているジョンジョンの現在はもちろん、プライベートが気になるという人も多いでしょう。まずはサーファージョンジョンの恋愛事情について見ていきましょう。
過去には、世界的に有名なアーティストであるテイラースウィフトとの交際がスクープされたジョンジョン。しかし、そのテイラーとは破局を迎えてしまい、その後は長年交際しているオーストラリア出身の恋人ローリン・クリブとパーティーに出席している姿が目撃されていました。そのローリンと、晴れて婚約の運びとなったようです。インタビューで触れられた程度で、SNSで公式に本人から発表があったわけではありませんが、彼らしくビーチでプロポーズし、とても緊張したと語っていました。
また、ジョンジョンの怪我から復活、東京オリンピック出場権獲得までのドキュメンタリーをまとめた映像作品が2020年に公開され、今後日本でも公開される可能性があるそうです。サーフィン好きであれば、ぜひ楽しみに待ちたいところです。
さらに2020年1月に、ジョンジョンが自身のアパレルサーフブランド「Florence Marine X」の立ち上げを発表しました。このブランド立ち上げには、パートナーとしてハーレーの創始者であるボブハーレーの息子が参加しています。
ちなみに、ジョンジョンフローレンスの年収についてですが、その年収はなんと推定5億円以上にも上るといわれています。日本のプロサーファーでは考えられない金額です。それだけ海外では、サーフィンがメジャーなスポーツとして認められているのです。
まとめ
今回は世界屈指のイケメンパイプマスター、ジョンジョンフローレンスについて掘り下げてみました。ジョンジョンのインタビューや映像を見ていると、子どもの頃から海と一緒に育ち、サーフィンを本当に愛していることが伝わってきます。
また、怪我からの復活までに見せたジョンジョンのハングリー精神は、見習うべきところがたくさんあるのではないでしょうか。東京オリンピックを始め、これからのジョンジョンフローレンスの活躍に期待しましょう。