スキー場に行くと、スキーリフトに乗ることは多いでしょう。ウィンターシーズンになると、スキーリフトにまつわる事故の報道もされますが、事故に合うと楽しいはずのスキーの思い出が台無しになってしまいます。スキーリフトを利用するにあたって、知っておくべき情報をまとめました。
スキーリフトの種類とお得な利用方法
スキーリフトといっても、その仕組みから「ゴンドラリフト」と「チェアリフト」の2種類に分けることができます。また、多くのスキー場ではスキーリフトを利用するには、リフト券が必要です。お得な料金で購入できる「早割リフト券」についても紹介します。
乗り降りが簡単。ゴンドラリフト
ゴンドラリフトは、人が乗るスペースを支えるロープ(支索)と、それを牽引するロープ(曳索)が1本でできています。そのため、起終点の駅でぐるぐると回る箇所があるという特徴があり、起終点を見ればゴンドラリフトか否か素人でも簡単に分かるでしょう。
人が乗るスペースは、小さなケーブルカーのように四角い箱型です。ギアを持ち込んで乗り、室内は暖かいので快適にスター地点へ移動することができます。
イスに座って移動。チェアリフト
チェアリフトは、人が乗るスペースを支える支索と、それを牽引する曳索がそれぞれ別になっています。ベンチのような椅子に座って乗りますが、その際にギアを落とさないように抱えて乗る必要があります。慣れていない人だと、乗り降りには少し慎重になるかもしれません。
リフトを利用するなら早割リフト券がお得
多くのスキー場で、早割リフト券が存在しています。公式HPに記載していない場合でも、スキー場情報サイトの「SURF&SNOW」や「WINTER PLUS」などのサイトで、販売されていることが多いので、ぜひチェックしてみてください。およそ10〜40%オフの料金で購入できます。
利用条件はスキー場によって異なりますが、利用できる日時に制限があったり、年齢制限(子どもの早割リフト券はなく、大人のみ)がある場合も多いです。条件を確認した上で、購入しましょう。
下記のそれぞれのリンクより、「SURF&SNOW」「WINTER PLUS」を確認できます。
リフト券の通販ならウィンタースポーツのポータルサイトWINTER PLUS
国内最大級のスキー場・積雪情報サイト ‐ SURF&SNOW
スキーリフトの危険性を知っておこう
リフトでの事故は毎シーズン後を絶ちません。事故を防ぐためにも、まずはスキーリフトの危険性をしっかり認識しておきましょう。
日本で実際に発生したスキーリフト転落事故
スキーリフトの事故は、子どもは特に要注意です。
2018年には那須温泉ファミリースキー場で、7歳の女の子がリフトから転落し、左足を骨折するという事故がありました。下を向いたら落ちてしまったということでしたが、たしかにリフトに乗ると景色を見ようと、体を動かしてしまうものです。
ゴンドラリフトなら問題ありませんが、チェアリフトの場合は気をつけなくてはなりません。とくに落下防止用のセーフティーバーのないリフトの場合は要注意です。
ほかにも2017年には、佐久スキーガーデンパラダで4歳の男の子がリフトから転落し、左大腿骨骨折等の重傷を負う事故も発生しています。子どもがリフトに乗る場合は、できれば大人と一緒に乗ることや、不用意に周りを見渡したり、動くことのないように注意してあげましょう。
もちろん、大人の転落事故も発生しているので、細心の注意を払う必要があります。大人の場合は体重も重く、また関節も柔らかくありません。リフトから地上への距離が短く、雪の深い場所であれば軽傷ですむかもしれませんが、圧雪されたゲレンデなどでは命を落としかねません。
海外では転落事故のほかにリフトの逆走も発生
大人しく座っていても、リフトが逆走するという悲惨な事故もあります。
2018年、ジョージアのスノーリーゾートとして有名なスキー場で、3人のスキー客が乗っていたリフトが突然、ものすごい勢いで逆走しました。遠心力によってリフトから振り落とされるという悲惨な事故で、10メートルほど吹き飛ばされた人もいたそうです。幸い死者は出ず、10人程度が軽傷で事なきを得ました。
この事故はテレビでも衝撃的な映像とともに紹介されていたので、日本でも記憶にある人は多いかもしれません。機械の事故なので、対策は難しいですが、事実として知っておきましょう。
事故を防ぐために1リフトに乗る際の注意点
スキーリフトの危険性を紹介しましたが、注意していれば、山頂へ移動する手段として有用な乗り物であることは間違いありません。事故を未然に防ぐために気をつけるべきポイントを紹介します。まずは乗車時です。
初心者は事前に係員に声をかけておくと安心
スキーリフトには係員の人がいます。係員の支持に従っていれば基本的には問題ありません。しかし、はじめてスキーリフトに乗るという場合は、係員の人に伝えましょう。そうすれば乗り降りを手伝ってもらえます。
また、降りる際のスピードを落としてくれるというスキー場もあるので、恐怖がある場合はあらかじめ伝えておくと安心です。
スキーやスノボ板を真っすぐにしてから乗車
自分の順番がきたら、係員が声をかけてくれます。そしてリフトに乗る際には、スキー板もスノボ板も進行方向に真っ直ぐ向けましょう。これは鉄則です。またリフトに乗ったら、板の先を必ず上げます。
そうしないと、引っかかったりして足がねじれてしまったり、最悪の場合は転落事故につながります。
イスに深く腰かけセーフティーバーをおろす
セーフティーバーがあるスキーリフトの場合は、忘れずにセーフティーバーを下ろしましょう。
乗車中は、無駄な動きをしないことも大切です。ゴーグルやキャップを外したりすることも、落下に繋がる可能性があるので、できるだけ何もせず座っておくことをおすすめします。次のコースの滑走に向けて、イメージトレーニングの時間にあてると良いかもしれません。
事故を防ぐために2リフトを降りる際のコツ
次に、スキーリフトから降りる際のコツです。
セーフティーバーをゆっくりと上げる
降りる場所が近づいてきたら、セーフティーバーがあるスキーリフトの場合はゆっくりと上げて、降りる準備をします。複数人で乗っている場合は、必ずみんなに声をかけてから上げましょう。
ストックを両手で持ち、板をそろえて立つ
降りる際の最大のポイントは、乗る際と同じで、進行方向に向かって真っ直ぐにします。イメージとしては、滑るのではなく、立つイメージでスキーリフトから降ります。
また、スキーストックは必ず両手で持ちましょう。このあと、降りてからスムーズに滑り出せるように準備しておく必要があります。
目線を遠くに向けながら前方へ進む
緩い下り坂になっていることがほとんどなので、しっかり板を侵攻方向に向かってまっすぐ着地できれば、自然に滑り降りられます。着地したら、その場をさっと離れましょう。次々に人が降りるので、邪魔にならないようにするためです。
事故を防ぐために3リフトを利用しない
スキーリフトの乗り降りのポイントを紹介しました。それでも怖いという人は、無理して、リフトを利用しないことに限ります。元も子もないですが、これが間違いなく安全です。
最初のうちはゴンドラを利用する
これはスキー場によってですが、ゴンドラがある場合はゴンドラを利用しましょう。暖かいし、360度の景色を楽しむこともできます。なんといっても安全です。
慣れないうちは、スキー場の公式HPで、ゴンドラがあるか否かをあらかじめ調べておくと良いでしょう。すべてのコースになくとも、スキー場のメインコースはゴンドラで利用できるような作りになっている場合もあります。デメリットとしては、板をはずして乗る必要があるので、その手間はかかってしまいます。
ベルトコンベアで移動する
キッズパークなどによくある、歩く歩道のように、ベルトコンベア式で山を登れるようになっているスキー場もあります。これなら怖くありません。空港等でも乗り慣れているかと思いますが、急な坂を登ることはできず、移動距離が限られてしまいます。そのため、採用しているスキー場やコースは少ないようです。
リフト券ホルダーは必ず準備しよう!
リフトに乗る際には必ずリフト券が必要です。ほとんどのスノーボードウェアにはアーム部分もしくはお腹のあたりにリフト券ホルダーが付いています。しかし、専用のウェアでない場合は付属していません。
ポケットにリフト券を入れているだけでは落としてしまう可能性があります。そんな時は後付けできるリフト券ホルダーを購入しましょう。
まとめ
スキー場で当たり前のように利用するスキーリフトの種類、また安全に利用するためのポイントを紹介しました。
楽しいはずのスキー場のスキーリフトには危険性もあります。必要以上に警戒する必要はありませんが、事故はあとお立たないことも事実なので、危険性を認識した上で利用しましょう。また子どもがいる場合は、必ず一緒に乗るなど、大人が子どもの安全を守ってあげる必要があります。