自力で蹴り出す必要がないスケートボード「電動スケボー」をご存知でしょうか。電動スケボーは、ウィールにモーターが付いおり、何度も地面を蹴る必要がありません。しかし電動となると、実際に乗りこなせるのか不安もあるでしょう。今回は電動スケボーの特徴や、正しい乗り方について紹介します。
電動スケボーってどんな乗り物?
電動スケボーとは、電気で動くスケートボードのこと。一般的なスケートボードは、地面を蹴って進む「プッシュ動作」で前に進みますが、電動スケボーはリモコンを操作し、モーターがウィールを回すことで、前に進みます。したがって、通常のスケートボードよりも、速いスピードが出るのが特徴です。
2014年頃から高性能な電動スケボーが流行し始め、海外ではかなり話題になりました。アメリカのカリフォルニア州では、16歳以上かつヘルメットを着用すると、公道での走行ができるように法整備されたほど。
日本での電動スケボー
同じく日本でも電動スケボーは話題になりましたが、当時の販売価格は15万円以上するものがほとんど。そのため多くの方が手を出せず、そこまで広まりませんでした。しかし最近では2~3万円程度で購入できるものが販売され、比較的購入しやすくなっています。
日本国内では道路交通法において、電動スケボーを公道での走行が認められていません。日本で電動スケボーに乗れる場所は、主に以下の場所です。
・私有地
・公園(許可されている場所)
・所有者の許可を得ている場所
上記のように、道路交通法が適用されない場所であれば、電動スケボーを楽しめます。
電動スケボーは危険!
電動スケボーは、高性能なもので時速70kmを超えます。よって通常のスケートボードと同じ感覚で乗ろうとすると危険です。通常のスケートボードでも、かなりケガをしやすいので、電動スケボーは更に危険度が増します。電動スケボーを乗る際は、ヘルメットやプロテクターを必ず装着しましょう。
動き出しと停止の際の姿勢
電動スケボーは、以下の3つのステップで動き出します。
デッキに乗る
まずデッキに乗る方法は2つ。
・ボードを身体の正面に横向きに置いて、段差を上るように乗る
・ボードを身体の正面に縦向きに置いて、前足だけを乗せる
どちらも乗るタイミングで体重をかけると、ボードがいきなり動くので注意しましょう。次に「先に載せた足の膝から、まっすぐ下に体重をかける」ようにします。これにより、ボードが前後に動かず安定します。もう一つの足を地面から離し、両足をボードに乗せましょう。
加速
加速するためにはリモコンを使い、モーターの駆動で前に進みます。通常のスケートボードとは異なり、一気に加速するので姿勢を崩しやすくなることも。動き出しのバランスを安定させるため、適切な姿勢を保つ必要があります。
具体的に、電動スケボーでの動き出しの姿勢は「前足の膝を軽く曲げて、膝から地面へ垂直に体重をかける」ようにします。同時に「後ろ足の膝を内側に入れて踏ん張る」ことも意識しましょう。
また、電動スケボーの種類によっては、徐々に加速されるものがあります。通常のスケートボードと比べて、加速する際は姿勢を崩しやすいので注意してください。
減速
減速するには「前足はまっすぐ伸ばし、後足に体重をかけた姿勢」をキープ。同時に「伸ばした前足で踏ん張る」ことを意識すると停止しやすくなります。重心が前寄りになっていると、減速した瞬間、前方に放り出される可能性があるので注意が必要です。
ブレーキをかけることを意識し、減速から停止する際は必ず前足で踏ん張るようにしましょう。
正しく曲がる方法
電動スケボーで正しく曲がるためは、前足の「つま先側」もしくは「かかと側」に体重をかけなければなりません。曲がる方向としては、左足が前足ならつま先に体重をかけると右に曲がり、かかと側に体重をかけると左に曲がります。右足が前足であれば左右が反対になるので、注意してください。
初心者が注意するポイント
初心者は「前足と後ろ足の両方に体重をかけてしまう」ことが多いです。両足を内側に切り込んだほうが曲がりやすいが、最初はバランスを崩しやすく、曲がれなくなるケースがほとんどです。初心者は以下の点を意識し、ボードの操作に慣れましょう。
・曲がるために体重をかけるのは前足
・前足で左右の荷重をコントロールする
身体の体重移動
身体の体重移動によっても、ボードの曲がり具合が変わります。スムーズに曲がるためは、膝を柔らかくし、体重を徐々にかけることが必要。鋭く小回りするためには、両足を多少内側に切れ込むように、体重移動するのがコツです。
フェイントモーション
ある程度操作に慣れてきたら、「フェイントモーション」に挑戦してみましょう。「フェイントモーション」は、一度外側に体重をかけて内側に切り込む動きのこと。フェイントモーションができるようになると、鋭いターンや大きいターンがしやすくなります。
ただ難易度が高いため、体重の操作が十分できるようになってから行いましょう。
前足は横向きに
電動スケボーにおいては、通常のスケートボードと同じように、前足は横を向いている必要があります。これはボードが体重をかけた方向に曲がるためです。よって前足のつま先が前に向きすぎると、ボードが曲がりにくくなるので注意しましょう。
上手に乗るためのコツ
電動スケボーを上手に乗るためのコツは、以下の3つです。
目線
目線は電動スケボーを上達するために重要なポイント。ボードスポーツでは、目線が動くと姿勢が変わったり、筋肉の緊張が和らいだりします。目線をしっかりと意識して乗ることで、不要な筋肉への負担がいらなくなり、スムーズに乗りこなせます。
電動スケボーにおいては、進行方向や曲がりたい方向、進みたい方向のなるべく遠くへと目線を向けることが大切です。特に体重移動だけでうまく曲がれない方は、目線を意識するだけで姿勢が改善され、力が抜けてスムーズに滑れるようになります。
上半身の姿勢
電動スケボーでは下半身で操作するため、足に意識がいきがちですが、上半身の姿勢を意識することも重要です。
例えば、ボードへの力を入れすぎてしまい、身体が猫背になるとバランスが悪くなります。そこで、目線を先に送り、なるべく遠くを見て上半身を起こすと、イメージ通りの荷重移動がしやすくなります。また、最初のうちは腕を広げて重心をコントロールすると、さらにバランスがとりやすいでしょう。これは水平方向に長さがあることで、中央の重心が安定しやすくなるためです。
足でプッシュして加速する
最後に電動スケボーでは加速時にリモコンを使いますが、足でプッシュをしてから加速させる方法もあります。プッシュで発進することで、スムーズに加速するので、重心がぶれづらくなります。電動スケボーに慣れて上達するまでは、加速時にプッシュをしてみるのもおすすめです。
またプッシュは発進時のボードへの負担を抑えられます。ボードの種類によっては、モーターに負荷がかかる坂道での急発進を、禁じられているも商品もあるので確認が必要です。電動スケボーを走らせる場所を考慮し、プッシュが必要か否か選択しましょう。
まとめ
今回は自力で蹴り出す必要がない、電動スケボーの乗り方について詳しく紹介しました。電動スケボーは通常のスケートボードよりもスピードが出ます。電動スケボーの乗り方に慣れてくると、スピードを出して楽しめるようになるでしょう。ただし、日本では電動スケボーを乗れる場所が限られており、公道での使用は不可。道路交通法が適用されない場所のみ使用が可能です。電動スケボーに乗るときは、許可された場所で安全に楽しみましょう。ぜひこの記事を参考に、電動スケボーの購入を検討してみてください。