スケートボードで颯爽と街中を走る、アニメや外国映画を見たことがある方は多いでしょう。しかし、混みあった公道でスケボーに乗ることを、危ないと感じる方は多いのではないでしょうか。日本では道路をスケボーで走ることは可能なのか、また電動スケボーを楽しめる場所についても紹介します。
スケボーで公道を走るのは避けましょう
道路を颯爽と走るスケートボード。自転車並みのスピードが出る上にコンパクトで持ち運びがしやすく、かっこいい移動方法としてあこがれている方いるかもしれません。しかし公道でのスケボーは、道路交通法と道路運送車両法という2つの法律で規制されているのです。
道路交通法第76条4項の3で決められていること
「道路交通法」の中では、道路の使用などについても定められています。道路交通法76条4項では「何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない」として、自動車運転免許を所持しているかどうかにかかわらず、禁止される項目が挙げられています。
禁止事項の3つ目に「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること」とあります。スケートボードは「これらに類する行為」に含まれると考えられ、違反すると5万円以下の罰金を支払わなければなりません。
ここでポイントとなるのは「交通のひんぱんな道路」という規定です。人によって多少とらえ方が異なると思いますが、人や車がすれ違う際にはスケボーから降りると考え、スケボーに乗る意味があるかを考えてみるとよいでしょう。
万が一、車との接触で交通事故となった場合、この法律に違反していることになり、スケボーをしている方の過失が高く見積もられるケースもあります。実際に発生した公道(車道)でのスケボーとタクシーの衝突事故では、スケボー側の過失が100%と判断された事案もありました。歩行者などと衝突し、相手にけがをさせてしまう恐れもあります。
道路運送車両法から読み取れること
駆動機付のスケートボード、いわゆる電動スケートボードは、法律の上では原動機付自転車扱いとなります。人力以外の電気などの動力で動かすことで、自動車の登録・検査や自動車の整備などについて規定している「道路運送車両法」対象の乗り物になります。
道路運送車両法の対象となる乗り物は、自賠責保険に加入していない状態で公道を走ると罪に問われます。原動機付自転車扱いなので、原付の整備基準を満たしていなければなりませんし、原付の運転免許も必要です。
運転免許は取得するとしても、スケボーの自動車登録や自賠責保険加入、車検などを実施することはあまり現実的ではありません。これらのことから、道路でスケボーに乗ることは想定されていないといえるでしょう。
道路でスケボーに乗っているところを通報され、摘発された場合、どのような処罰の対象になるのでしょうか。
原付の免許を持っていなければ、無免許運転として3カ年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。さらに整備不良車両運転で3カ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金。自賠責保険未加入車として1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
公道でのスケートボードはやめよう
人や車がよく通る道はもちろん、それほど混んでいない道でも、スケボーに乗っていることで通報されると、違反として罰金を支払わなくてはならない場合があります。また、スケボーで高齢者や子どもにぶつかり、大けがをさせてしまう可能性もあります。スケボーで公道を走ることを避けた方が賢明といえるでしょう。
電動スケボーはどこで楽しむ?
道路でスケボーができないとなると、いったいどこで楽しめば良いのでしょうか?基本的にスケートボードをしている方は、空き地や河川敷などを探して練習をすることが多いようです。スケートボードを楽しむ場所を「スポット」と呼び、その場所は共有されています。スポットにはひとりで練習できる小さな空き地から、数人で練習できる公園の一角、さらにスケートボード専用パークまで規模はさまざまです。
スケートボードが禁止されていない近所の公園
スケートボードが禁止されている公園は少なくありませんが、なかには区画を決めてスケートボードを許可している公園もあります。スケートボードが禁止されていないか、公園にある注意喚起の看板などを確認しておくことが大切です。スケートボードが禁止されていない場合でも、周囲に人がいないか、危険が内科を確認して楽しみましょう。
スケートボード専用パークを探してみよう
スケートボード専用パークには、スケートボードのテクニックを練習できる設備があります。競技でも使われるハーフパイプのサイズを小さくしたランプは、弧を描いた斜面。ボウルと呼ばれる、深いお皿の中で滑っているようなくぼみ。手すりや柵のような、レールの上を滑走する設備などもあります。またスケートボード専用パークによっては、道路をまねて街路樹や花を植えたり、階段やベンチなどの設備を設置。まるで街中を滑走しているような雰囲気が味わえます。
このように大規模なタイプから、近所の公園の一角をスケートボードに開放したタイプまで、徐々にスケボーができる公園は増えています。都道府県毎にみると、1~2カ所程度のスケートボード専用パークがあるようです。気になった方は、近くにスケートボード専用パークがないか、調べてみてください。
スケートボード専用パークは、スケボー初心者や親子連れも多く利用しています。初めてでものびのびと練習できるのでおすすめです。
準備をしっかりして、スケートボード専用パークに出かけよう
スケボーを安全に練習する際、ヘルメットやプロテクターが必要です。スケボー上級者でも、高度なテクニックを練習する際、危険が伴います。そのため、スケートボード専用パークによっては、ヘルメットを着用していなければ入場できない場所があります。あらかじめ確認するか、スケートボードをするときには、ヘルメットを必ず持参するようにすると安心です。
住んでいる市町村やその周辺にスケートボードができるスポットがなかったら?
スケートボードをするのにぴったりな空き地を見つけたら、持ち主に許可を得て使用するという方法もあります。しかし、空き地の持ち主を調べることはなかなか難しいもの。
現在、スケートボードがオリンピック競技に指定されたことから注目度が高まっています。住んでいる地域やその周辺に、スケートボードができる場所を見つけられなかった場合は、あきらめずに市区町村の窓口に要望を出してみましょう。公園の一角や市区町村が所有している空き地を、スケートボード専用パークとして開放してもらえるかもしれません。
まとめ
電動スケボーは法律上、原動機付自転車の扱いになります。道路を走る際には、道路交通法第76条4項の3や道路運送車両法の対象。電動でなくても道路をスケボーで走っていて通報されると、処罰の対象になることがあります。よって、スケボーはスケートボード専用パークや、スケボーが禁止されていない公園、空き地、河川敷、私有地などで楽しむようにしましょう。