【2022冬季オリンピック】スキーモーグルとは?ルールや日本代表選手を紹介

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フリースタイルスキー競技のひとつ、モーグル。2022年2月に開催される北京オリンピックでも注目を集める人気の競技です。今回は、モーグルの採点方法や技、日本代表選手を紹介します。ぜひチェックしてみてください。

スキーモーグルとは

モーグルは、フリースタイルスキー競技の中でも特に人気の高い競技のひとつとして知られています。名前は聞いたことがあっても、どのような競技なのか分からないという人もいるのではないでしょうか。ここでは、モーグルの特徴や歴史を紹介します。

フリースタイル競技のひとつ

フリースタイルスキー競技には、モーグルをはじめ、スキークロスやエアリアルなど、大きく分けて6つの種目があります。

モーグルとは、ノルウェー語で雪面のコブを意味する言葉。その名の通り、コブが規則的に配置されたコースを滑走する競技です。注目すべきポイントは、空中で行われる技を指すエアーや、正確なターン。レース中には音楽が使用され、ショー要素もあるので幅広い世代に愛されています。

上村愛子選手も活躍!歴史を紹介

モーグルは1960年代のアメリカで発展した競技です。コブのある斜面をいかに早く滑り降りるかという遊びから始まったと言われています。1979年には、国際スキー連盟によってフリースタイルスキーのワールドカップが開催されることとなりました。その後1986年には世界選手権が開催。オリンピック競技としては、1988年のカルガリーオリンピックで初採用され、1992年のアルベールビルオリンピックで正式種目となりました。

日本人選手の活躍も知られています。1990年のワールドカップ・猪苗代大会では、山崎修選手が9位となり、話題になりました。続いて、1992年のワールドカップでは、本間篤史選手が6位入賞を果たします。1996年のワールドカップでは、坂本豪大選手が初出場にして優勝を飾り、日本中を感動の渦に巻き込みました。また、同大会では上村愛子選手も表彰台入りを果たしています。上村愛子選手は、その後も日本のモーグルシーンを牽引。長野やソルトレイクシティ、トリノ、バンクーバー、ソチの5大会で日本代表選手として出場し、いずれの大会でも好成績を収めました。

2022年1月に行われたワールドカップにおいても、日本人選手の活躍ぶりに注目が集まっています。男子では堀島行真選手が3位入賞、女子では川村あんり選手が優勝を果たしており、北京オリンピックでの活躍にも期待が寄せられています。

モーグルの採点方法や技を紹介

ここまでは、モーグルの特徴や歴史を紹介しました。モーグルはどのように採点されるのか、どのような技があるのか気になっている人も多いはず。ここでは、モーグルの採点方法や技を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

採点方法

モーグルは、ターン技術とエアー演技、スピードの3つの要素で審査されます。採点配分はターンが全体の60%、エアーが20%、タイムが20%となっており、1本のランの満点は100ポイントです。

ターンは、まっすぐなラインを滑っているかどうかや、下半身と上半身のバランスが最大のポイント。エアは、技の難易度と完成度が求められ、難易度が高い技を完璧に行うことで高得点が狙えます。タイムは、いかに速くゴールするかが重要です。これらの要素をジャッジが総合的に判断し、順位が決定されます。

ターン

モーグルのメインパートでもあるターン。代表的な技や、重要なポイントを紹介します。

フォールライン…スタートからゴールまでの最短距離を走ること。スタート時に選んだフォールライン上を滑り降りる必要があります。

カービング…スキー板のエッジで雪面を抉るように滑るターンのこと。スピードを落とさずに滑走できるのが特徴です。膝の伸縮を使いながらも、上半身は最低限の動きで留めることが採点基準となります。

エアー

エアーは、華やかな印象を与える最大の見せ場です。代表的な技や、重要なポイントを紹介します。

インバートフリップ…宙返りのこと。1回転のみが認められていて、1本のランで1回のみ可能です。回転方向が違う場合や捻り、グラブが組み合わされている場合は、違う技として認められます。

ループ…側転のこと。こちらも1本のランで1回のみ認められますが、グラブが加えられている場合は、違う技として認められます。

ストレートローテーション…ヘリコプター、360、720などの水平回転のこと。回転が360度以上違う場合や、グラブが組み合わされている場合は2回認められます。

グラブ…スキー板を手でつかむこと。

スピード

選手がスターティングゲートを出てからフィニッシュラインを越えるまでのタイムが測定されます。 コースごとにペースセットタイムを定め、以下の特殊な計算式でスコアを算出します。

スピード点=48.00 − (32×競技者のタイム) ÷ ペースセットタイム

ペースセットタイムと同じタイムの場合は、16.0点(最高20点の80%になる計算)となります。

【2022冬季五輪】スキーモーグルの日程

北京オリンピックでは、モーグルは以下の日程で行われます。

・2月3日(木)
19:00〜19:45 女子モーグル 予選1
20:45〜21:30 男子モーグル 予選1

・2月5日(土)
19:00〜19:30男子モーグル 予選2
20:30〜21:00 男子モーグル 決勝1
21:05〜21:30 男子モーグル 決勝2
21:40〜21:55 男子モーグル 決勝3

・2月6日(日)
19:00〜19:30 女子モーグル 予選2
20:30〜21:00 女子モーグル 決勝1
21:05〜21:30 女子モーグル 決勝2
21:40〜21:55 女子モーグル 決勝3

【男子】スキーモーグル日本代表・強化指定選手を紹介

ここでは、男子モーグル日本代表選手を紹介します。

堀島 行真

堀島 行真(ほりしまいくま)選手は1997年12月11日生まれ、岐阜県出身です。2015〜2016年シーズンのワールドカップでは、デュアルモーグルで3位となり、表彰台入りを果たします。2017年世界選手権では、初出場にして金メダルを獲得。2021年の世界選手権では銀メダルを獲得しています。

杉本 幸祐

杉本 幸裕(すぎもとゆきひろ)選手は1994年12月2日生まれ、静岡県出身です。2016〜2017シーズンはワールドカップで17位、冬季アジア大会ではデュアルモーグルで8位、モーグルで7位となります。2021年の世界選手権ではデュアルモーグルで4位、モーグルで3位入賞を果たし、話題となりました。

原 大智 

原 大智(はらだいち)選手は1997年3月4日生まれ、東京都出身です。平昌オリンピックでは銅メダルを獲得。これは、フリースタイルスキー競技の日本代表選手として初の表彰台となりました。2019年の世界選手権ではデュアルモーグル、モーグルともに銅メダルを獲得しています。

松田 颯

松田 颯(まつだそう)選手は1999年9月24日生まれ、京都府出身です。2018年のUS selectionではデュアルモーグルで優勝を果たし、話題となりました。2019年には、全日本選手権とNoram Tourで総合優勝を飾ります。2021年の全日本スキー選手権大会でも優勝するなど、今最も勢いのある選手のひとりです。

【女子】スキーモーグル日本代表・強化指定選手を紹介

ここでは、女子モーグル日本代表選手を紹介します。

川村 あんり

川村あんり(かわむらあんり)選手は2004年10月15日生まれ、東京都出身のモーグル選手です。2020年のワールドカップでは、15歳にして日本人選手最高位の2位で表彰台入りを果たします。これは上村愛子選手の16歳でのワールドカップ入賞を超える記録として話題に。2022年1月のワールドカップでは優勝を飾り、注目を集めています。

冨髙 日向子  

冨髙 日向子(とみたかひなこ)選手は2000年9月21日生まれ、東京都出身です。2016年の世界ジュニア選手権ではデュアルモーグルで優勝を果たしました。2021年の世界選手権では5位の好成績を収めます。東京オリンピックの聖火リレーでは東京都町田市の第一走者を務めました。

住吉 輝紗良

住吉 輝紗良(すみよしきさら)選手は2000年3月8日、北海道出身です。2017年と2018年の全日本選手権ではデュアルモーグルで2年連続で優勝しました。2021年の世界選手権では、日本代表として活躍を見せ、同年のワールドカップでは3位入賞を果たしました。

星野 純子

星野 純子(ほしのじゅんこ)選手は1989年9月25日生まれ、新潟県出身です。ソチオリンピックでは日本代表選手として活躍。2018〜2019シーズンの全日本選手権では、デュアルモーグル、モーグルともに優勝を飾り、話題となりました。

スキーモーグル選手のテクニックに注目!

コブが配置されたコースを滑走するモーグル。ターンやエアー、スピードなどあらゆる要素が詰め込まれた競技です。北京オリンピックでは、日本代表として総勢8名が大舞台に挑みます。今回紹介した採点方法や技を覚えて、日本人選手たちの活躍を応援しましょう。

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