ノルディック複合は、オリンピック競技の中でも特に盛り上がりを見せる人気の種目です。今回は、北京オリンピックで注目したいノルディック複合を紹介します。ルールや日本代表選手をチェックして、オリンピック観戦を楽しみましょう。
ノルディック複合とは
ノルディック複合はスキージャンプとクロスカントリーの2つの競技から成り立つ種目です。ここでは、ノルディック複合の特徴や歴史を紹介します。ぜひチェックしてみてください。
スキージャンプ×クロスカントリー
ノルディック複合は、スキージャンプとクロスカントリーを行い、2つの競技の総合成績で勝敗が決まります。ジャンプのテクニックや、クロスカントリーに必要な体力や精神力が総合的に求められるため、ヨーロッパではノルディック複合の勝者を「King of Ski(スキーの王者)」と称えられることも有名。ノルディック複合は、ノルディックスキー・コンバインドとも呼ばれ、多くの人に親しまれています。
現在、ノルディック複合はオリンピックでは男子のみの競技となっています。しかし、ノルディック複合の女子選手も多く、2017〜2018シーズンのコンチネンタルカップでは、初めて女子競技が採用され話題となりました。今後は世界選手権やジュニア世界選手権でも女子競技の採用が検討されており、オリンピック正式種目への道も開かれつつあります。
日本人も活躍!ノルディック複合の歴史を解説
ノルディック複合は1924年に開催された第1回冬季オリンピック・シャモニー大会より正式種目として採用されています。日本においては1988年より強化を図り、1992年のアルベールビル大会、1994年のリレハンメル大会にて団体戦で金メダルを獲得。その後、ノルディック複合の日本代表選手は長い間表彰台から離れていました。しかし、2014年のソチ大会で渡部暁斗選手が銀メダルを獲得。20年ぶりの快挙に、日本中が注目しました。今大会では、日本勢の金メダル獲得に期待が寄せられます。
ノルディック複合のルールや用語を解説
ノルディック複合は、スキージャンプとクロスカントリーで構成されているため、そのルールや方式にもさまざまな種類があります。ここでは、ノルディック複合を観戦する上で覚えておきたいルールや用語を解説。ぜひチェックしてみてください。
グンダーセン方式
「グンダーセン方式」は前半にジャンプを行い、そのポイントをタイムに換算する方式。後半のクロスカントリーでは、ジャンプの成績が良かった順に時間差でスタート。ジャンプは個人では1回、団体ではチームから2人が1回ずつ飛びます。オリンピックで採用されているのもこの方式です。
マススタート方式
「マススタート方式」は前半にクロスカントリーを行い、クロスカントリーのタイム差をポイントに換算する方式。クロスカントリーで最下位だった選手からジャンプを行います。ジャンプは2回行い、最もポイントの高い選手もしくはチームの勝利が決定する方式です。
ペナルティー方式
「ペナルティー方式」は2011〜12シーズンから採用された方式です。グンダーセン方式と同じく、前半にジャンプを行います。クロスカントリーでは、ジャンプの成績に応じてペナルティーを加算。選手は一斉にスタートし、その着順で勝敗が決まります。
【2022冬季五輪】ノルディック複合の日程
北京オリンピックでも、ノルディック複合に注目が集まっています。ノルディック複合は、以下の日程で行われます。
・2月9日(水)
16:00〜 グンダーセン方式 個人ノーマルヒル10km ジャンプ
19:00〜 グンダーセン方式 個人ノーマルヒル10km クロスカントリー
・2月15日(火)
16:00〜 グンダーセン方式 個人ラージルヒル10km ジャンプ
19:00〜 グンダーセン方式 個人ラージルヒル10km クロスカントリー
・2月17日(木)
16:00〜グンダーセン方式 団体ラージヒル4x5km
19:00〜グンダーセン方式 団体ラージヒル4x5km クロスカントリー
ノルディック複合の日本代表選手を紹介
日本代表選手の活躍もたびたび話題となる、ノルディック複合。ここでは、ノルディック複合の日本代表選手を紹介します。
渡部暁斗
渡部暁斗(わたべあきと)選手は1988年5月26日生まれ、長野県出身です。ソチオリンピック、平昌オリンピックでは銀メダルを獲得。2017〜2018シーズンのワールドカップでは個人総合で優勝を飾り、話題となりました。
山本涼太
山本涼太(やまもとりょうた)選手は1997年5月13日生まれ、長野県出身です。2022年1月に行われたワールドカップ第11戦で3位となり、注目を集めました。2011年には国際スキー連盟によりアスリート・オブ・ザ・ウィークにも選出された、今注目の選手です。
渡部善斗
渡部善斗(わたべよしと)選手は1991年10月4日生まれ、長野県出身です。渡部暁斗選手の弟であり、ソチオリンピックでは同じチームとして競技に参加したことでも有名。2017年のワールドカップでは団体で銅メダルを獲得しています。
永井秀昭
永井秀昭(ながいひであき)選手は1983年9月5日生まれ、岩手県出身です。2012〜2013シーズンのワールドカップで8位をマーク。ソチオリンピックでは団体5位、個人ノーマルヒルでは22位。平昌オリンピックでは団体で4位、個人ラージヒルで12位の好成績を収めました。
谷地宙
谷地宙(やちそら)選手は2000年5月4日生まれ、岩手県出身です。2019年の全日本コンバインド大会で2位入賞。2020年の世界ジュニア選手権では、個人24位となりました。
海外の注目選手は?
北京オリンピックでは、海外の強豪選手にも注目が集まります。特に、ノルウェーはこれまでに31個のメダルを獲得し、圧倒的な強さを見せていることでも有名。ここからは、海外の注目選手を紹介します。
ヤールマグヌス・リーベル
ヤールマグヌス・リーベル選手は1997年10月15日生まれ、ノルウェー・オスロ出身です。平昌オリンピックでは団体で銀メダルを獲得。また、2019年と2021年の世界選手権でも優勝を果たしました。ワールドカップでも2019年から3年連続で王者の座を獲得しており、ノルディック複合選手たちの間でも「別次元」との評価を受けています。
ヨハネス・ルゼック
ヨハネス・ルゼック選手は1991年12月9日生まれ、ドイツ・オーバーストドルフ出身です。平昌オリンピックでは団体、個人ともに金メダルを獲得。ノルディックスキー世界選手権では、金メダルを通算6回獲得している注目の選手です。
ファビアン・リースレ
ファビアン・リースレ選手は1990年12月18日生まれ、ドイツ・フライブルク出身です。ソチオリンピックでは銅メダル、平昌オリンピックでは銀メダルを獲得。2020年にはクロスカントリースキーのサンドラ・リングウォルド選手との結婚を発表し、話題となりました。
ノルディック複合男子団体の活躍に期待!
今回は、ノルディック複合の特徴や注目選手を紹介しました。北京オリンピックでは、ノルディック複合は男子団体、個人が3日間のスケジュールで競われます。ノルディック複合のルールを覚えて、日本代表選手の活躍を応援しましょう。