東京オリンピックで大注目!「エクストリームスケボー」の魅力とは

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これまでスケボーは、根強い人気を誇るもののストリートカルチャー・ファッションとしてのイメージが強く、競技としてはあまり認識されてきませんでした。しかし東京オリンピック2020でエクストリームスケボーが種目として採用されたことで、競技としての魅力に注目が集まっています。本記事ではそんなエクストリームスケボーについて、概要や魅力、主なスタイルについて解説しましょう。

世界的な人気を誇る「エクストリームスポーツ」としてのスケボー

東京オリンピックでは、空中を華麗に舞うプロのスケートボーダーに目が釘付けになった方も多いのではないでしょうか。こういった離れ業を売りにするスポーツのことを「エクストリームスポーツ(Extreme Sports)」と呼びます。

そもそもエクストリームスポーツとは?

エクストリームスポーツの種類は、スケボーに限らず多岐にわたります。例えばマウンテンバイクを使う「BMX」や、フリーランニングの亜種「パルクール」などもエクストリームスポーツの一種。明確な範囲が決まっているわけではなく、過激で危険度の高いアクティブな競技を総称する単語と言えるでしょう。

エクストリームスポーツは世界中で若者を中心に盛り上がりを見せており、発祥はオックスフォード大学生の「Dangerous Sports Club」による世界初のバンジージャンプだという説があります。それが徐々に別の競技にへエクストリームな要素を加える方向で広まっていき、多様な競技でエクストリームスポーツが生まれました。

今ではスリルを求める多くの若者に受け入れられ、アメリカでは「X Games」というエクストリームスポーツの大会が絶大な人気を誇っています。X Gameの競技レベルは極めて高く、ワールドカップを差し置いて大会に出場する選手がいるほどです。映像は世界60か国以上で放映され、アメリカのほかにアジア・ヨーロッパ・中南米でも大会が開かれています。

エクストリームスケボーの歴史や人気

スケボーは、1950年代に「波のない場所でもサーフィンを楽しむ」ために発明された競技と考えられています。日本ではアメリカでの人気爆発に伴って1960年代にスケボーブームが到来し、90年代になってからトリックを追求するカルチャーへと変化していきます。

そんな中で普及し始めた「スポーツのエクストリーム化」の影響を受け、アメリカを中心にエクストリームスケボーも広まっていきました。エクストリームスケボーは都市でできるアーバンスポーツに分類され、特に都市部の若者に人気が高いです。

そんなときに、スケートボーディングの「ストリート」「パーク」男女4種目が東京2020オリンピックの種目として採用されます。それによって競技としてのスケボーの人気が急上昇!この勢いはとどまるところを知らず、2028年にもスケボーの本場、ロサンゼルスで開催されるオリンピックが控えており、このブームはさらに加熱していくことが予想されます。

エクストリームスケボーの魅力とは?

エクストリームスケボーの楽しみ方は、実際に自分で実践する楽しみ方と、観戦する楽しみ方があります。そこで次に、エクストリームスケボーの魅力に迫りましょう。

エクストリームスケボーを「実践」する楽しさ

多くの若者がエクストリームスケボーに惹かれる理由は、トリックのカッコよさ、自分の限界やスリリングな状況へ挑戦する楽しみはもちろん、若者文化にもフィットしている事が大きな理由です。

元々スケボーはカルチャーとして意味合いが強く、音楽・ファッションとも深く結びついています。エクストリームスケボーのBGMには一般的にヒップホップやメタルが使われ、スケートボーダーもそのイメージに合うファッションに身を包むことが多いです。

こういった若者文化と結びついたエンターテインメント性の高さも、若者が魅力を感じる要因の一つでしょう。スポーツとして離れ業を決める爽快感は当然のこと、スケボーを通じたコミュニティやカルチャーに浸れる事もエクストリームスケボーの魅力なのです。

エクストリームスケボーを「観戦」する楽しさ

鮮やかなトリックや、繰り出される派手な技の数々が特徴のエクストリームスケボーは、観ているだけでも迫力があって大いに魅力的。大会を観戦したり、お気に入りの選手を見つけて応援する楽しさもあります。

スケボーではコース取りやトリックの種類などはすべて選手側が決められ、同じトリックでもスピードや独創性によって評価が変化。競技における得点は、トリックの難易度や全体の流れ、ダイナミックさや安定感なども総合的に評価されます。そのため、トリックの種類などについて知れば知るほど面白い奥の深さも特徴です。

エクストリームスケボーの主なスタイル

続いて、エクストリームスケボーを始めたい方・より深く知って観戦を楽しみたい方人向けて、主なスタイルを紹介します。

フリースタイル

「フリースタイル」は、スケボーとして最も古いスタイルとされています。プロのフリースタイル大会では、特に障害物のない平らな地面の上で、音楽と振り付けを含めてスケボー技術を競います。

バート

「バート(Vert)」は、垂直に近い急斜面をライディングし、ランプの端でトリックの技術を競うスタイルです。水を抜いたスイミングプールでスケボーの練習を重ねていたスケートボーダーたちがパイオニアと言われています。

ストリート

「ストリート(Street)」は、よりアーバンスポーツとしての色が濃いスタイルです。階段や手すり、公園のベンチなど都会の障害物を使ってトリックを決めます。競技では都会を模したステージが準備され、ボーダーたちは準備された障害物の周りや上でトリックを披露し技術を競います。

パーク

「パーク(Park)」は、波打つ水面のような曲線状の複雑なコースでトリックを競います。窪地状になっている底から曲面を滑りあがり、空中に飛び出したところでトリックを決める「エアトリック」が中心です。

エクストリームスケボーの始め方

最後に、これからさらに盛り上がり、競技人口も増えていくであろうエクストリームスケボーを始める方法を大まかに解説します。

  1. ボードを購入
  2. 基本のライディングから練習
  3. トリックに耐えうる耐久力を持つ本格ボードを準備
  4. 上級者用のスクールで本格的に練習

まず初心者の場合は、1枚目のボードを購入するところから始めます。初心者向けのボードを選ぶ条件は、板が7.75~8インチと太めで安定感があること。始めから本格的なボードを手に入れる必要はありません。

自分用のボードが手に入ったら、まずは一般的なスケボーの基本的テクニックから練習を始めましょう。この段階では近所の集団スクールに通ってもいいですし、YouTubeなどの動画を見て自分で練習もできます。

基本のライディングが充分に上達し、スケボーでやりたいことが固まってきたら少人数制の上級者用スクールへ移行。集団スクールよりも人数が少ないため、講師が一人一人に割く時間も長く、細かい指導を受けつつさらに技術を上達させていきます。

そのさらに上、全国大会出場やプロのレベルを目指す場合は、本格的なマンツーマン指導のスクールへ通うのがおすすめ。ただ注意点として、日本では本場アメリカに比べてプロ級の講師の数は少なく、スケボー人気の高まりとともに自分の目標に適した講師を見つけるのは難しくなっていくことも予想されます。本気でプロを目指すのであれば、思い切って本場アメリカへ留学する選択肢を検討しても良いでしょう。

エクストリームスケボーを始める

実践しても観戦しても魅力的なエクストリームスケボーは、オリンピックへの採用と共に日本の若者の間でもカルチャー・競技として広まりつつあります。今後さらなる盛り上がりが予想されるエクストリームスケボーの世界に、ぜひ一度触れてみてはいかがでしょうか。

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