サンスクリット語で「生命科学」を意味するインド、スリランカ発祥の伝統医療、「アーユルヴェーダ」。心身のバランスを整える効果があるとされ、アーユルヴェーダを取り入れた食事やケアを実践しているサーファーも増えてきています。今回は、ダイエットにも最適なアーユルヴェーダ式の食事やライフスタイルを紹介します。
アーユルヴェーダの食事とは
世界三大伝統医療のひとつとして世界中に知られている「アーユルヴェーダ」。しかし名前は知っていても、どういうものなのか分からないという人もいるでしょう。ここでは、「アーユルヴェーダ」の食事について解説します。
サーファーも行うインド発祥の食事療法
5000年以上もの伝統を持つアーユルヴェーダの考え方を取り入れた健康的な食生活は、多くの芸能人やサーファーが実践していることで、近年話題になりました。「アーユルヴェーダ」とは、インドやスリランカに古くから伝わる伝統医療のこと。生命を意味するAyus(アーユス)と、科学や真理を意味するVeda(ヴェーダ)と2つの単語を組み合わせた「生命科学」と言う意味です。アーユルヴェーダにおいて、人の体は、風のエネルギーを持つ「ヴァータ」、火のエネルギーを持つ「ピッタ」、水のエネルギーを持つ「カパ」と、3つのタイプに分けられます。この3種類のエネルギーはドーシャと呼ばれ、自分のドーシャに合った食事を摂ることで、心身のバランスが整えられると考えられているのです。
効果的な食事時間は?
アーユルヴェーダにおいては時間も、人の体同様に3つのドーシャに分けられます。6~10時、18〜22時がカパ、10~14時、22〜2時がピッタ、14~18時、2〜6時=ヴァータとされ、アーユルヴェーダではこの時間に合わせて食事の時間や内容を設定。
重たく冷たいという特徴を持つカパ(水)の時間、つまり6〜10時は消化力が良くない為、暖かいスープやライ麦のパンなどの軽めの朝食がおすすめ。熱く流動的な特徴を持つピッタ(火)の時間、10〜14時は消化力も高まります。ボリュームのあるランチを摂るならこの時間がおすすめです。14〜18時は、乾燥、不規則という特徴があるヴァータ(風)の時間。ヴァータは疲れやすいという特徴もあるので、この時間におやつやコーヒーの時間を設けてリフレッシュしたり、軽めの夕食で済ませると良質な睡眠にも繋がります。ぜひ挑戦してみてください。
自分のタイプは?ドーシャ診断をしてみよう
アーユルヴェーダの食事を取り入れるのなら知っておきたい、ドーシャ。自分のドーシャを知ることでバランスの良い食生活や生活リズムがわかってきます。ここではドーシャ診断とそのタイプについて解説。ぜひチェックしてみてください。
日本人に多い!ヴァータ
- スリムな体型
- 爪が白っぽい
- 皮膚が乾燥しやすい
- 髪が細い
- 食事は少量をこまめに食べる
- 寝つきが悪い
上記の特徴が多い人は風のエネルギーを司るヴァータタイプ。体型はスリムで華奢であることが多く、寒がりで冷え性の傾向があります。また風のように変化が激しく活動的です。想像力が豊かで、話し上手なので初対面の人や新しい環境にも馴染みやすい性格です。
明るい自信家!ピッタ
- 中肉中背
- 爪が整っている、赤みがある
- 日焼けしやすい
- 髪が柔らかい、白髪になりやすい
- お腹が空くとイライラする
- 暑くなければ眠れる
上記の特徴が多い人は火のエネルギーを司るピッタタイプ。体型は中肉中背、均整のとれた骨格を持ちます。暑さに弱く、日焼けしやすい傾向が。強い意志を持ち、几帳面なのでリーダーシップを発揮します。完璧主義が故にイライラしやすいとうい人もいるでしょう。
のんびりタイプ!カパ
- 油断すると太りやすい
- 爪が大きい、丈夫
- 皮膚がしっとりして冷たい
- 髪が黒くてしっかりしている
- 食べることが好き
- よく眠れる
上記の特徴が多い人は水のエネルギーを司るカパタイプ。骨太でハリがあり艶やかな肌を持つ人が多いです。感情豊かで温和、思慮深い性格で落ち着いた話し方やゆっくりとした動作が特徴。対立を避ける傾向にあり、人生の変化を好まず、現状維持を求めています。
ドーシャ別!ダイエットにもおすすめの食材やレシピを紹介
アーユルヴェーダでは、食事を摂る時間はもちろん、自分のドーシャに合った食材を使うことでよりバランスの取れた食事が摂れるとされています。ここでは、ドーシャ別におすすめの食材やダイエットにもおすすめのレシピを紹介。
【ヴァータ】穀物や野菜をメインに
ヴァータの人は、小食なことが多く、エネルギーが不足しがち。食べた方が良い食材は、穀物やバナナ、ベリー、ナッツやごま油など。暖かい野菜などもおすすめです。なるべく避けた方が良い食材は、冷たいもの、ドライフルーツ、冷凍食品、生の葉野菜など。
バナナとオートミールのクッキー
ヴァータの人におすすめの食材、バナナとナッツ、オートミールを使ったレシピを紹介します。
「材料」
・バナナ…1本(160g)
・オートミール…80g
・ミックスナッツ…30g
「作り方」
ミックスナッツを砕いておきます。バナナをフォークで潰し、オートミールと砕いたナッツを入れてよく混ぜます。天板にアルミホイルを敷き、サラダ油を塗ります。生地をスプーンで1杯ずつのせ、お好みでアーモンドをトッピングします。210℃のトースターで10〜15分ほど焼いたら完成です。
【ピッタ】チーズやヨーグルトを
ピッタの人は喉が乾きやすく、食べることが好きな傾向があります。食べた方が良い食材は、牛乳やチーズ、ブロッコリーやピーマン、ゴーヤなどの渋み、苦味のある野菜。避けた方が良い食材は、胡椒やニンニクなどの刺激のあるもの、グレープフルーツやトマト、酢などの酸っぱいものです。
ブロッコリーのチーズ焼き
ピッタの人におすすめの食材、チーズやブロッコリーを使ったレシピを紹介します。
「材料」
・シュレッドチーズ…50g
・ブロッコリー…100g
・マヨネーズ…大さじ2
「作り方」
ブロッコリーは食べやすい大きさに分け、茹でます。耐熱容器に茹でたブロッコリーを入れ、マヨネーズをかけます。シュレッドチーズをのせ、オーブントースターで焼き色がつくまで4〜5分ほど焼いたら完成です。
【カパ】鶏肉や魚もバランス良く
カパの人は甘いものが好きな人が多いですが、控えめにしましょう。食べた方が良い食材は、生姜やコリアンダーなどのスパイスやとうもろこし、茄子、アスパラなどの地上で育つ野菜です。また、鶏肉や魚など脂質の少ない食材もおすすめ。避けた方が良い食材は、根菜や油をたくさん使ったフライなどです。
白身魚とアスパラのソテー
カパの人におすすめの食材、アスパラと魚を使ったレシピを紹介します。
「材料」
・白身魚(たらやさわらなど)…2切れ
・アスパラガス…1束
・スナップエンドウ…10個
・塩胡椒…少々
・小麦粉…適量
・バター…大さじ1
・醤油…大さじ1
・みりん…大さじ1
「作り方」
白身魚は1cmの厚さに切り、両面に塩胡椒して10分おき水気をふきます。スナップエンドウはヘタと筋をとり、アスパラは斜めに切り、塩少々を入れた熱湯で軽く茹でましょう。その間に白身魚に小麦粉をまぶし、バターを溶かしたフライパンで焼きます。焼き目がついたら、スナップエンドウとアスパラを入れ、醤油とみりんで炒め合わせたら完成です。
併せて取り入れたいアーユルヴェーダのライフスタイル
アーユルヴェーダでは、食事の他にもスカルプケアやマッサージなどを取り入れたライフスタイルを実践。ここでは、ドーシャ別のケアの方法や、本場スリランカのサーフリトリートまで紹介します。
入浴、保湿ケア
ヴァータの人は、水分や油分が不足しがちで冷えやすい体質なため、お風呂で体を温めることを意識しましょう。ドライヤーで髪を乾かす際はオイルなどで保湿することも忘れずに。
スカルプケア
ピッタの人は、代謝がよく汗をかきやすいのでスカルプケアを日課にしてみましょう。頭皮をマッサージすることでリラックスでき、よく眠れます。クールダウン効果のあるペパーミントのアロマなどもおすすめです。
マッサージやストレッチ
カパの人は、溜め込みやすい性質を持つため、半身浴などで汗をかく習慣をつけてみましょう。また入浴後は、ストレッチやオイルマッサージなどのケアを行うと代謝促進に効果的です。
アーユルヴェーダフードマイスター資格もチェック
アーユルヴェーダの食事に興味がある人は、資格を取ってみるのもおすすめです。アーユルヴェーダの理論や食事療法についてしっかり学べるので、仕事や日々の生活にも知識を活かせると話題になっています。
スリランカでアーユルヴェーダ&サーフリトリート
アーユルヴェーダの聖地、スリランカではアーユルヴェーダの基礎をスクールで学んだり、スパに通ったりといった経験が可能。また、海に囲まれたスリランカはサーファーたちからも人気のサーフポイントがたくさん。ぜひアーユルヴェーダとサーフィンを楽しんでみてください。
アーユルヴェーダ式の食事でヘルシーライフを送ろう
世界三代伝統医療のひとつ、アーユルヴェーダ。心身のバランスを整える為、多くのサーファーがその食生活や生活習慣を取り入れています。ぜひ、挑戦してみてください。