2014年に発表されたSupremeの初フルレングススケートビデオ「cherry」。この作品の発表から4年後、全世界のファンが待ち続けた待望の二作目「BLESSED」が2018年発表されました。今回は「BLESSED」について詳しく紹介します。
Supremeについて
はじめに、Supremeというブランドについて詳しく紹介します。Supremeとは日本語に訳すと「最高」「至高」という意味で、James Jebbia(ジェームス・ジェビア)が1994年4月にニューヨークのマンハッタンのラファイエット通り274に設立したスケボーブランドです。
スケボーショップにありがちな暗くて物が敷き詰められている内装ではなく、ハイブランドのような高級さをイメージした高い天井と真っ白な内装、広々とした空間が特徴的。店内中央は組み立てたスケートボードを試しのりできるように空スペースが設けられていて、地元のスケーターが気軽に入れる雰囲気を大事にしました。
また、この店内の内装は現在世界中に展開されている各店舗でも引き継がれていて、どのスケボーブランドよりも店内の雰囲気作りにこだわっています。
最初はセレクトショップ
Supremeはオープン当初、THRASHER、SPITFIRE、DC SHOESなどスケボーブランドを中心に取り扱うセレクトショップでした。Supremeのオリジナルアイテムはジェームス・ジェビアがデザインしたTシャツを数点取り扱っている程度。しかしオリジナルアイテムが徐々に人気を博していくと、オリジナルアイテムの割合が増えていききました。
ジェームス・ジェビアは「シンプルでクリーンな物、当時の人が思いもしないような服を作っていた。僕は服を作るときは、自分が着たいと思うものしか作らない。」と語っています。
世界的なブランドへ成長
Supremeの広告の仕方は伝説として語り継がれています。設立当時、ケイト・モスをモデルに起用したカルバン・クラインのモノクロロゴにSupremeロゴのステッカーを貼るプロモーションを行い、知名度を一気にあげました。10,000枚のステッカーをニューヨークの街中に貼り付け、ニュースで特集され流ほどの騒ぎになったという話もあります。ストリートカルチャーらしい斬新な広告の打ち出し方でSupremeは飛躍的に知名度をあげていきました。
やがて、現在も盛んに行われている他ブランドとのコラボレーションを積極的に行うようになりました。アパレルブランド全体で見ても他ブランドとのコラボ回数は圧倒的で、スケーター以外からの知名度も獲得していき、世界的なブランドへと成長。2017年は世界的ラグジュアリーブランド「Louis Vuitton」とのコラボレーションを実現し、スケボーブランドの域を超えた世界から注目されるブランドの地位を獲得しました。
「BLESSED」について
BLESSEDは、2018年に発表されたSupreme二作目のフルレングススケートビデオです。前作の「Cherry」がとても話題になったので、二作目となる今作にも大変注目が集まりました。ここではBLESSEDを詳しく紹介していきます。
参加スケーター
BLESSEDでは、豪華なSupremeファミリーが勢ぞろいしています。ショーン・パブロ、ナケル・スミス、ベン・キャドウ、エイダン・マッケイ、ケビン・フラットレー、セージ・エルレッサー、タイショーン・ジョーンズ、のパートを中心としたビデオ。Suprmeの主力スケーターが勢ぞろいした本気の滑りは、Supremeの世界観が存分に味わえます。
「BLESSED」
こちらがBLESSEDのフルパートになります。
「BLESSED」はどんな作品?
前作のcherryはスケボーよりも、リアルなストリートの現状にスポットを当てた作品となっていました。ストリートで仲間たちが集まっているシーンなどが多く映っていて斬新な作品となっていましたが、今作はスケボーにスポットを当てた作品となっています。
ディラン・リーダーへ向けた作品
BLESSEDは2016年に白血病で亡くなったディラン・リーダーへ向けた作品でもあります。生前のディランリーダーのスケートビデオと見比べるとわかりますが、ディラン・リーダーが攻略したスポットが多く登場し、彼へのリスペクトが伝わる多くのカットが入っています。ビデオに参加しているスケーターもディラン・リーダーを間近で観て多くの影響を受けてきました。
粗い画質を使用してストリートを表現
Supremeのスケボーシーンはストリートが基盤です。荒々しく、粗い路面で力強くデッキを弾き、仲間と本気になって喜び合う、そんなストリートの雰囲気を表現するため、あえて粗い画質を使用してより視聴者がストリート感を味わえるようになっています。
「BLESSED」で有名になったスケーター
ここではBLESSEDで一躍有名になったスケーターを2名紹介します。
タイショーン・ジョーンズ
圧倒的なスキルとポップの高さ、彼のスケボーには桁違いの迫力があります。2018年の「スケーター・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれ、現在ではSupremeを代表するスケーターの1人です。また、ストリートで育った悪ガキっぽさ全開で、どんなスポットでもお構いなしに攻め続けます。この悪ガキっぽさも愛嬌として人気を博しています。
タイショーン・ジョーンズのインスタグラムはこちらから→@tyshawn
ショーン・パブロ
ファッションセンス、容姿、Supremeのライダーにふさわしい絵になるスケーターです。そのスタイルはディラン・リーダーを彷彿とさせ、ファッション、スケボー、アーティストなど幅広い分野で活躍しています。ビデオの中では過去にディラン・リーダーが攻略していたスポットをリスペクトを込め再度挑戦していました。
ショーン・パブロのインスタグラムはこちらから→@_streethassle
前作「cherry」について
ここでは今作との比較として前作のcherryを紹介します。
待望の初作品
Supremeは1994年の創立以降、フルレングスビデオを20年間の間出しませんでした。しかし、2014年、全世界が待ち続けた初のフルレングスビデオが、ウィリアム・ストロベック監修のもと発表されました。
ストリートで滑る子供を撮影
cherryでは、Supremeの店舗にたむろしている子供達にスポットを当てて撮影を行いました。Supremeのライダーではなく、実際にスケボーのストリートカルチャーのなかで生きる子供達を出演させることで、リアルなストリートが映し出されました。
2020年発表「CANDY LAND」
2020年に新たに発表されたフルレングスビデオの「CANDY LAND」。新たなスーパールーキーのケイダー・シラなどをむかい入れ、新しい色のSupremeを体感できます。
ウィリアム・ストロベック
ウィリアム・ストロベックは通称ビルという愛称で親しまれていて、スケボー業界における世界的なフィルマーです。ここではビルについて紹介します。
今までになかった新しい撮り方
ウィリアム・ストロベックはこれまでになかった遠くから足下や顔をアップした撮り方で、今までとは全く違うスケボーの見せ方をしていて、臨場感が強く、仲間との喜び合う場面などスケボー以外のシーンを大事にしています。
Supremeのスケートビデオ 全作担当
ウィリアム・ストロベックは「cherry」「BLESSED」「CANDY LAND」の三作全てを担当しています。彼の世界観の作り方とSupremeの世界観は完全にマッチしていて、これからも素晴らしい作品をたくさん作ってくれるでしょう。
まとめ
2014年に発表され話題になったスケートビデオ 「BLESSED」の紹介でした。Supremeから出されるスケートビデオは毎回私たちの想像を大きく超えてきます。今後のSupremeの動きもぜひチェックしましょう。