東京オリンピックで見たあの技は?スケボーのかっこいい技名とやり方を解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スケボーの技は非常にバリエーション豊富です。技名だけ聞いても、実際にどのような動きなのかわからないでしょう。技名を系統別に詳しく解説。さらに東京オリンピックでプロスケーターが見せたかっこいい技や、過去の大会で成功した「世界一難しい技」などを紹介します。

系統別!スケボーの技名を紹介

スケボーの技名は主に6種類に分類できます。ジャンプ技や回転技、複合技などさまざまです。複雑な動きほど高い難易度をもちます。1つずつ段階を追いながら技名を覚えましょう。

初心者はここから!基本動作系

スケボー初心者が最初に覚える動作です。スケボーを片足で漕いで前進する動作の「プッシュ」や、

左右に曲がる「ターン」などが存在します。基本動作に慣れると安定したボードコントロール、バランス感覚を習得するでしょう。

技の中には開始時と終了時で、スタンス(立ち位置)や進行方向が逆になる場合があります。逆のスタンスで滑る「スイッチ」や、通常のスタンスのままバック滑走する「フェイキー」。これらの条件の有無で技名の呼称が変化します。

ジャンプ技の基本!オーリー系

オーリーとはテールを弾き、ノーズ側のデッキを足で擦り上げるジャンプ技です。オーリーを起点とした技は非常に多く存在します。そのため初心者が本格的な技に挑戦する始まりとして、オーリーが挙げられるでしょう。

ノーズを弾きテールを持ち上げてジャンプした場合は「ノーリー」、フェイキーでオーリーすると「フェイキーオーリー」と呼びます。さらにスイッチの状態でのオーリーした場合の技名は「スイッチオーリー」です。

回転技の基本!ショービット系

前足を基準にスケボーだけをつま先側に180°回す技「ショービット」。スタイリッシュで「おしゃれトリック」とも呼ばれます。ショービットはオーリー同様、基本となる技です。そのためオーリーと並行して練習するとよいでしょう。

ショービットと逆方向、つまりかかと側へ180°回した場合は「F/S(フロントサイド)ショービット」と呼びます。またオーリーにより高い位置で回した場合には「ポップショービット」です。360°回した場合は「360(サブロク)ポップショービット」と呼びます。

板も身体も回転!スピン系

ショービットのようにスケボーのみを回すのではなく、身体も回す技をスピン系と呼びます。高いオーリーに加えて身体の捻りも重要です。スケボーに乗ったまま、空中で進行方向にお腹を向けて180°回ると「F/S180(フロントサイドワンエイティー)」。逆に、進行方向に背中を向けて180°回る技を「B/S180(バックサイドワンエイティー)」と呼びます。

技名が変化するポイントはフェイキーの有無です。フェイキーでB/S180すると「ハーフキャブ」、F/S180すると「F/Sハーフキャブ」と呼称します。

ジャンプ技とスピン技の組み合わせ!フリップ系

スケボーをつま先側に裏表方向に横1回転させる技を「キックフリップ」、かかと側に回す技を「ヒールフリップ」と呼びます。その他のフリップ系はこの2種類を基本とし、スピン系の技と組み合わせた技です。

フリップ系とスピン系、それぞれの技名から特徴ある単語をとって呼称します。そのため技名だけでも動作が想像しやすいでしょう。

フリップ系の技名と組み合わせの内容は以下の通りです。

・F/Sフリップ:F/S180+キックフリップ
・B/Sフリップ:B/S180+キックフリップ
・F/Sヒールフリップ:F/S180+ヒールフリップ
・B/Sヒールフリップ:B/S180+ヒールフリップ
・キャブフリップ:ハーフキャブ+キックフリップ
・F/Sキャブフリップ:F/Sハーフキャブ+キックフリップ
・キャブヒール:ハーフキャブ+ヒールフリップ
・F/Sキャブヒール:F/Sハーフキャブ+ヒールフリップ

高難易度の応用技!バリアル系

バリアル系は上級者向けの技です。世界大会でも数多くのプロスケーターが挑戦し、高得点を狙いました。非常に難易度が高く、一発勝負の場で成功させるプロスケーターの日頃の努力がうかがえます。

バリアル系の技は、フリップ系の技と高く跳び上がるポップショービットが複合した技です。スケボーにそれぞれの回転が加わるため、非常に繊細な足さばきが求められます。

バリアル系の技名と組み合わせの内容は以下の通りです。

・バリアルフリップ:ポップショービット+キックフリップ
・ハードフリップ:F/Sポップショービット+キックフリップ
・バリアルヒール:F/Sポップショービット+ヒールフリップ
・インワードヒール:ポップショービット+ヒールフリップ
・トレフリップ:360ポップショービット+キックフリップ
・レイザーフリップ:360F/Sポップショービット+ヒールフリップ

東京オリンピックで見たあの技名は?セクションを使った技名を紹介

セクションと呼ばれる障害物や、お椀型の地形を利用して実現できる技です。それぞれに適したスケボーのセッティングがあるため、大会では種目別に分類されます。中には東京オリンピックでプロスケーターが見せた技もあるでしょう。

ストリートとパークの違い

もともとはスケーターのスタイルの違いから生まれました。街中の縁石やレールの上を滑るスタイルを「ストリート」と呼びます。大会やパーク内ではそれらに見立てたセクションが設置され、技の難易度を競う種目です。

空中へ高く舞い上がり技に挑戦する「パーク」。オーリーよりも高い位置からの空中技が特徴です。そのためパークは湾曲形状のセクションが数多く設置されます。

セクション技の注意点

ストリート種目であるグラインド系やスライド系の技名にも「F/S」「B/S」の言葉が使用されます。しかしスピン系やフリップ系の技と意味合いが異なるため注意しましょう。スピン系の技は進行方向に対して回転方向がお腹を向くとフロントサイド、背中を向くとバックサイドです。

対してセクションを使った技は、セクションへの侵入方向を基準にします。お腹側から侵入するとフロントサイド、背中側からだとバックサイドです。勘違いする場合が多く、そのまま覚えると技名が想像しにくいので注意しましょう。

トラックで滑る!グラインド系

スケボーのトラック(ウィールとデッキを繋ぐ金属パーツ)でレールなどのセクションを滑る技です。前後のトラックを乗せて滑ると「50-50(フィフティーフィフティー)」。マニュアルで滑ると「5-0(ファイブオー)」です。

セクションへ侵入する方向やマニュアルの有無だけでなく、技中のスケボーの向きや上下の角度などでも技名が違います。例えばF/S5-0の状態からノーズをかかと側に20°ほど回し、下に押し下げると「F/Sスミスグラインド」です。テールをつま先側に回して下に押し下げると「F/Sフィーブルグラインド」と技名が変化します。

デッキで滑る!スライド系

グラインド系と同じくスケボーの一部で滑る技です。スライド系の技はデッキ裏面で滑り、セクションに対してスケボーを90°回して乗ります。回転方向やデッキの位置、セクションから降りた時のスタンスの向き。組み合わせで技名が違うため、スライド系の技は非常に種類が豊富です。東京オリンピックでは、ストリートとパークの両種目で多彩なスライド技が披露されました。

「F/Sボードスライド」はフロントサイドから侵入し、スケボーをお腹側に90°に回転します。セクションにデッキの真ん中を乗せて滑り、元のスタンスに戻して着地する技です。また背中側に90°回転させた場合は「F/Sリップスライド」と呼ばれます。

パークの基本技!アール系

アールとは湾曲したセクションで、主に大会ではパーク種目で使用されます。勢いよく助走をつけたり、空中に跳び上がったりするために使用するセクションです。エアー系の技するための基本テクニックとして覚えましょう。またコーピング(アールの最後部にある縁部分)を利用し、グラインド系やスライド系の技も可能です。

平面な路面で加速するプッシュと違い、アールでは重心移動で加速します。「パンピング」と呼ばれ、アールの最後部から膝を曲げて踏み込んで下り、上昇時に膝を伸ばす動作を繰り返し加速する技です。

アールに侵入する基本技を「ドロップイン」と呼びます。コーピングにデッキのテール部を掛けておき、ノーズから滑り降りる動作です。またドロップインせずに勢いよく侵入した場合は「ロールイン」と呼びます。

デッキを掴む!グラブ系

グラブ系は手でデッキを掴む技です。セクションから降りる時や、空中でスピン技をする時に使用されます。ノーズを掴むと「ノーズグラブ」、テールを掴むと「テールグラブ」です。

主に掴む位置で技名が異なるグラブ技。高難易度になると、デッキの中央を掴む技が多くあります。ノーズ側の手でデッキの中央、かかと側を掴むと「メランコリー」、つま先側を掴むと「ミュートグラブ」です。掴む手やデッキの位置によってバランスが取りにくく、技の難易度が上がります。

高難易度のパーク技!エアー系

エアー系は、アールなどのセクションから勢いよく空中に舞い上がる空中技です。東京オリンピックのパーク種目では、空中で多彩な技が披露されました。主にフリップ系やスピン系、グラブ系の技を組み合わせるため、非常にバリエーション豊富な技です。

その他にもエアー系の技には、空中でポーズを決める技も存在します。ノーズグラブの状態から両足を前後に動かす技「エアウォーク」。身体とスケボーを一時的に離した動作で、滞空時間が長いからこそ実現できる技でしょう。

初心者におすすめ!かっこいい技や練習のやり方を解説

初心者におすすめのかっこいい技や練習のやり方を解説します。まずは簡単な基本動作、プッシュとターンでバランス感覚とボードコントロールを覚えましょう。またオーリーとショービットも解説します。高難易度に応用する重要な技です。単体でもかっこいい技なので練習して覚えましょう。

基本動作、プッシュとターンのやり方

プッシュはノーズ側のデッキに逆足を乗せ、利き足で地面を進行方向に蹴り出します。スケボーが滑り出すため、利き足をテール側のデッキに乗せましょう。蹴る回数、力が強いほどスピードが出るため、バランスをとりながら加速します。スケボーが傾き転倒しないよう、デッキのビスを目印に足を乗せるのがポイントです。

スケボーに乗れた次はターンを覚えましょう。ターンしたい方向にデッキを傾けると自然に曲がる仕組みです。デッキを傾けるにはつま先側とかかと側、どちらか一方に重心をかけます。目線と上半身を曲がりたい方向に軽く向けておくと、よりスムーズに曲がれるでしょう。

すべての起点技、オーリーのやり方

オーリーはいきなり滑走中にすると転倒の恐れがあり危険です。必ず停止した状態から始めましょう。テールを弾くように強く踏み込み、ノーズを跳ね上げます。踏み込みの勢いでジャンプし、ノーズ側のデッキを前足の小指付け根辺りを使って擦り上げましょう。両膝を深く曲げジャンプすると、より高くジャンプできます。着地はしっかりとデッキの上に両足を乗せましょう。

オーリーのコツはテールを弾く感覚と、ノーズを擦り上げる感覚を覚えることです。2つの動作が上手くできると、より高く安定したオーリーができます。分割して動作を練習すると早く上達するでしょう。

おしゃれトリック、ショービットのやり方

ショービットはオーリーと同じく、高難易度技のほとんどに組み合わされる基本技です。ショービット単体でもスタイリッシュな動きをするため、「おしゃれトリック」として覚えるとよいでしょう。

停止した状態から練習します。通常のスタンスから少し後ろに足を乗せましょう。前足はデッキ中央、後ろ足はテール先端に置くのが目安です。後ろ足はテールの側面につま先を出しておきます。次に軽く膝を曲げた状態から真上に跳びましょう。準備した後ろ足のつま先でテールの側面を蹴り抜きます。上手くスケボーが180°回り着地するとショービットの完成です。

常に重心を前足に意識しましょう。ジャンプやテールを蹴る勢いで身体がぶれないよう注意が必要です。また前足は邪魔にならないよう、しっかり真上に引き上げます。

世界一難しい技を紹介

難しい技は習得までに年単位の期間が必要です。しかしプロスケーターは、さらに進化させたオリジナル技や組み合わせた技を大会で成功させます。中には特定のプロスケーターにしか成功できない「世界一難しい技」と称賛される技もあるでしょう。世界中から認められる、世界一と評価された技の数々を紹介します。

「世界一」といっても色々ある

まず知っておきたいことは「世界一難しい技」の基準です。ただ難しいだけでは技単体の難易度から判断できるでしょう。難易度が低い技でもスケボーや身体の回転数やジャンプの高さ、スイッチやフェイキーの有無で難易度は大きく異なります。そのため紹介する「世界一難しい技」とは、世界大会などで高評価を受けた技です。

2013年X Gamesで見る世界一の技「Big Air 1080」

2013年にスペインで開催された世界大会「X Games(エックスゲームズ)」。当時16歳のアマチュアスケーター、ミッチーブラスコ選手は大技「Big Air 1080(ビッグエアーテンエイティー)」を成功させました。技名通り、空中で1080°(3回転)回転させるシンプルかつ高難易度な技です。これまでに成功者はおらず「世界一難しい技」と呼べるでしょう。

東京オリンピックストリートで見る世界一の技

東京オリンピックのストリート種目から、世界一に評価された技をチェックしましょう。金メダルを獲得した堀米雄斗選手。実は決勝戦で見せた技のほぼすべては「ノーリーバックサイド270」が基本動作です。バックサイドからノーリーで飛び上がり、270°回転しながらセクションに飛び乗ります。セクションに乗るだけでも複数の技が含まれており、その難しさがわかるでしょう。

「世界一難しい技」となったのは堀米雄斗選手の4回目の挑戦。ノーリーバックサイド270で飛び乗り、ノーズでセクションを滑り降ります。「ノーリーバックサイド270ノーズスライド」と呼ばれる技は大会最高点を記録しました。

▲「ノーリーバックサイド270ノーズスライド」の映像は3:30〜4:50

東京オリンピックパークで見る世界一の技

東京オリンピックのパーク種目、金メダリストの四十住さくら選手が見せた大技「540(ファイブフォーティー)」。身体とスケボーが空中で横1回転半するスピン技です。540は難易度が高いため、大会でも高得点が期待できます。

オリンピックのパーク種目は、45秒間の自由滑走を3回滑り評価するルールです。一度でも転倒するとその回の挑戦が終了します。そんなプレッシャーの中、四十住さくら選手は1回目の滑走中で540を2回も成功させました。大会最高点を記録し「世界一難しい技」となります。

▲「540」の映像は19:01〜

高難易度、かっこいい技は小さな技の積み重ねが大事

スケボーの技名について、系統やセクション別に解説しました。初心者がかっこいい技に挑戦したい場合は、オーリーやショービットを練習しましょう。また東京オリンピックなどでプロスケーターが見せた「世界一難しい技」も紹介しました。小さな技の組み合わせが高難易度技に繋がるため、日々積み重ねて練習しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加