先日行われた東京オリンピックの新種目スケートボードのストリートで男女共に解説を担当したプロスケーターの瀬尻稜。飾らない素の言葉を並べた解説が話題になっています。今回はそんな瀬尻稜について紹介します!
瀬尻稜の経歴やプロフィール
オリンピックの解説で話題になった瀬尻稜。スケーターとしての実力も日本トップクラスで幼少期から最前線で活躍し続けています。まずはじめに彼のプロフィールについて紹介。
名前:瀬尻稜(せじりりょう)
生年月日:1996年12月11日
身長:177cm
出身地:東京都練馬区
スタンス:レギュラー
年収
スケーターの収入源は主に2つあり、大会での賞金とスポンサーとの契約金です。瀬尻稜は公表されているだけで14社以上の企業とスポンサー契約を結んでいます。実力は世界でもトップクラスなので、年収は少なくても500万〜ほどです。
瀬尻稜のスケートスタイル
瀬尻稜のスケートスタイルは、派手さはないが他のスケーターにはできない動きやトリックを組み合わせます。他のスケーターにはない独自の動きとトリックが魅力で、完成度もとても高いです。自分の一番やりたいことをやり、心からスケボーを楽しんでいる様子は映像を見ていてもとても伝わってきます。
Instagramでも彼のスケートスタイルや活躍をチェックできます!
Instagramアカウントはこちら→@ryosejiri
主な大会の成績
ここでは主に幼少期から世界のトップクラスで活躍してきた瀬尻稜のこれまでの大会の成績について紹介します。
最年少で日本年間チャンピオン
瀬尻稜は2006年に11歳にして史上最年少で日本スケートボード協会(AJSA)でプロクラスグランドチャンピオンを獲得して、日本一になりました。その後2010〜2012年まで3連続でグランドチャンピオンに輝いています。幼少期の頃から日本トップクラスのスケーターとして活躍しています。
世界大会で5度の優勝経験
幼少期から日本トップクラスだった瀬尻稜は、2010年頃から世界大会に出場し始めて、2013年に若干17歳にして世界大会で初優勝を飾りました。以降、合計で5回世界大会で優勝し、「世界の稜」として最前線で活躍し続けています。
現在は大会に出ている?
現在は大会メインではなく、ストリートでのビデオパートの作成に精進しています。自身のフルパートを制作して、大きなブランドから自身のシグネチャーモデルを出すことが目標だと語ります。また、CMなどメディアへの出演も積極的で、スケートボードのイメージを変え続けているスケーターの1人です。
瀬尻稜の意外なスポンサー
瀬尻稜さんはスケボーブランドに限らず、様々な企業からスポンサーを受けています。ここではスケボーブランドから意外と感じるスポンサーまでいくつか紹介します。
ムラサキスポーツ
ムラサキスポーツは、サーフィン、ボディーボード、スノーボード、スケートボード、BMXなどのアクションスポーツの商品の取り扱い、大会の主催、カルチャーの普及活動などをしている日本の大手スポーツショップ。瀬尻稜はムラサキスポーツの契約ライダーとして現在もサポートを受けながら活躍しています。
ELEMENT JAPAN(エレメント・ジャパン)
ELEMENTはストリートスケート創世記に活躍したジョニー・シラレフによって1992年にアメリカ東海岸のストリートから派生したスケートボードブランドです。ELEMENT JAPANはその日本チームで、これまで数多くの日本人プロスケーターが所属し、世界へと送り出しました。
OAKLEY
1975年にジャム・ジャナードによってカリフォルニア州で設立したスポーツ&ライフスタイルブランド。「Technology Wrappend in Art」という最新の科学と芸術を融合させた様々な商品を世に送り出していて、製品の質の高さに定評があります。
RED BULL
1987年にオーストラリアで誕生したエナジードリンクのレッドブルを販売している会社。エナジードリンクの販売以外にも、プロ選手のサポートや、大会の主催などスポーツに関する多岐にわたる活動をしています。
XFLAG
携帯型ゲーム「モンスターストライク」が代表的なゲームややスポーツ、アニメなどの様々なエンタメ事業を運営している会社。スポーツ事業ではバスケットボールに参入したことを皮切りに個人やプロスポーツチームのサポート活動も行っています。
瀬尻稜のセットアップ
ここでは瀬尻稜のセットアップについて紹介します。
デッキ
ELEMENTの8.5インチモデルを使用。こだわりは縦のコンケーブはきつすぎず、横のコンケーブはにはしっかりとコンケーブがあることです。デッキテープは粗すぎないものを好んで使っています。
トラック
THUNDERのHighの149を使用。オーリーの時に重心がぶれてしまうことから、トラックは硬めにセットします。THUNDERは他のトラックに比べて軽く、オーリーがしやすく安定するためここ数年はTHUNDERを使用。
ウィール
FEATHER WHEELSの53mmを使用。形はコニカルシェイプ(地面の接地面が広いモデル)を好んでいます。FEATHER WHEELSはウィールの耐久性が高いため、パンクなどの心配をせずに思い切って滑ることができると語ります。
瀬尻稜のスケートビデオ
ここでは瀬尻稜の代表的なスケートビデオを3つ紹介します。彼のスタイルが存分に発揮されている作品ばかりです!
ELEMENT JAPAN 「FAR EAST FROW」
難しいトリックを簡単そうに次々と決めていきます。派手さはなく力が程よく抜けていて瀬尻稜らしさがとても際立っている作品となっています。
「MONSTER CRUISE」
少し昔の映像です。積極的大会に参加していた時期の映像なので、着地やトリックの完成度がとてもきれい。しかし、この頃から力が抜けた瀬尻稜らしさがしっかりと出ています。
ELEMENT JAPAN「NEW WORLD」
ELEMENT JAPANから発表された日本若手スケーターで構成された作品。このビデオで瀬尻稜はトリを担当しています。
話題のスケボー解説について
先日行われたスケートボードの男女ストリートで解説を担当した瀬尻稜。飾らない若者らしい言葉が話題となりました。ここでは話題になった言葉や瀬尻稜のオリンピックに対する思いを紹介します。
スケーターが普段から使う言葉
「鬼ヤバイ」「アツい!」など、飾らない言葉での解説がとても話題になった瀬尻稜。NHKでの実況と解説は丁寧な言葉使いのイメージが強い分、インパクトが大きかったです。しかし、この言葉たちは普段からスケーター達が日常的に使っている言葉、さらには若者の間でもよく使われている言葉でした。大会会場も音楽を聴きながらプレーしたり、ライバル同士が仲良く喋っていたりと、大会だけれども自由なスポーツという印象がとても強かったです。瀬尻稜の解説を聞いていた人たちは、今までとは違う自由で魅力的なスポーツということがとても伝わる結果となりました。
瀬尻稜が語ったスケボーへの思い
瀬尻稜は解説の中で「今までスケボーって、少し不良のイメージもあったと思うんですけど、10代の選手が頑張ったことでイメージが変わると思いますね。たくさんの人に魅力が伝わったと思います。いろんな環境が、ここから変わっていくと思います。スケーターとしても楽しみですね。スケボーしてない人と、スケーターが共存していけたらいいですね。みんなを認め合える環境が、これからできたらいいっすよね。」と語りました。
これからのスケートボードが変わるきっかけ
スケートボードを見たことすらなかった人たちが心から感動できる、それほどスケートボードにはたくさんの魅力が詰まっています。スケートボードにはスポーツという顔もあり、カルチャーという顔もあります。自由な自己表現、カルチャーという顔がとても大事にされているから、競技での点数の付け方も明確なルールはなく、「ヤバイ」「かっこいい」「すごい」といった感覚的なもので得点がつけられます。
多くの人にスケートボードの魅力が伝わった反面、日本ではまだスケボーはただの迷惑行為だという印象はぬぐいきれていないです。その証拠にあちこちで「スケボー禁止」の表記を見かけます。すぐに世の中の常識が変わることはありませんが、今回のオリンピックを通じて様々な場所でスケボーに対して議論するきっかけが生まれました。このチャンスを逃さずにスケーターと一般人が問題に向き合いながらスケボーに対して真摯に向き合っていくことが重要です。
まとめ
スケボー解説で話題になった瀬尻稜の紹介でした。オリンピックでの活躍でこれからスケートボードはさらにメジャーなスポーツになります。スケボーの魅力が多くの人に伝わって、スケーターとそうでない人が共存する時代が楽しみですね!