アシックスといえば日本を代表するスポーツ用品メーカーですが、2020年にスケシューをリリースしたことで話題になっています。日本におけるスポーツメーカーの代表格であるアシックスのスケシューは特筆すべき点が多数あるのも魅力です。
今回は、アシックスのスケシューにスポットを当てて、その凄さを徹底解説していきます。
アシックス?スケシュー?
アシックスのスケシューに触れる前に、各単語の概要について簡単に触れていきます。
アシックスとは
アシックスの代表作はオニツカタイガーです。この商品名にあるように、アシックスは、鬼塚喜八郎によって戦後設立された会社です。スニーカーが有名なアシックスですが、元々はバスケットボールシューズの製造からスタートした会社です。
その後マラソンシューズなど、数々の競技用シューズを手がけるようになりました。そのような経緯で、日本ならずとも世界に名を馳せるスポーツ用品メーカーとして成長を遂げました。そんなアシックスからついにスケシューが登場したとなると、まさしく満を持してという言葉がぴったりです。
スケシューとは
スケートボード用のシューズをスケシューと呼びます。スケシューの特徴は、ソールがフラットであること。つま先からかかとまでが平らであることから、デッキの上で滑らないメリットがあります。多くのスニーカーは土踏まずの部分が凹んでいたりスパイクが付いていたりしますが、それらは全く存在しません。
また、スケボーでトリックを決めるとき、足の裏でデッキの感覚を掴むことが大切です。凹凸があると感覚が掴みづらくなることから、フラットなソールになっています。
もう一つ欠かせない特徴は、素材の耐久性が高い点です。スケボーでトリックを行う際には、足にデッキを絡ませたり、回転させたりといった動きをすることから、耐久性がないとすぐにダメになってしまう可能性があります。そこで、多くのメーカーはスウェードやヌバックという素材を導入しています。
アシックスのスケシューのすごさはここ
アシックスのスケシューは、これまでのスケシューから一線を画した新しい展開を見せています。その背景には、プロスケーターにヒアリングを行い、よりストレスなく使えるスケシューを作るところからきていると考えられます。以下に、アシックスのスケシューが持つ魅力を紐解いていきます。
そもそもなぜアシックスがスケシューを?
アシックスではここ近年、経営改革を行なっています。その中で、カテゴリー別の経営手法を取り入れており、重要な役割を担うカテゴリーに「スポーツスタイル」を掲げています。アシックスの歴史を取り入れながら、若い世代へ行動的なライフスタイルを提供するという目的で定められたカテゴリーです。
そういった中で、スケートボードはスポーツの一面も持ちながら、ライフスタイルとして欠かせないアイテムと考えられます。そのような点から、アシックスの目的にマッチしているといえるでしょう。
また、スケートボードはオリンピックでも正式種目に取り入れられたことから、スケートボードに大きな可能性を感じている点も、アシックスにスケシューが取り入れられた一つの要因といえます。
アシンメトリーなデザイン
アシックスのスケシューで一際目を引くのは、アシンメトリーなデザインでしょう。単なる表面的なデザインではないのがアシックスたる表現であり、ここにもプロスケーターから得たヒントが盛り込まれています。
スケーターがトリックを行うにあたってよく感じるストレスが、シューレースの傷みです。これを解消することがアシンメトリーを採用した一つのきっかけだといいます。つまり、アシックスのスケシューが持つ魅力は、全てのデザインがスケーターにとって必要な形であることです。
シュータンのこと
アシックスのスケシューで見逃せないのが、折り返されたシュータンです。これもシューレースを傷みにくくするための工夫であり、結び目を隠す目的があります。まさしく、日本の企業だからこそできる細やかな配慮であり、世界中のスケーターの心をくすぐるデザインといえるのではないでしょうか。
屈曲性の高さ
アシックスのスケシューは、ボードと接触する部分が広く取られています。また、ソール部分に溝が切られており、屈曲性が高いのが特徴です。これは、アシックスが歴代のスポーツシューズから得た技術でもあり、ここへきてスケシューにも大きく反映されているのがわかります。
また、どんなシューズでも新品は硬くて馴染みにくいものです。しかし、アシックスのスケシューは屈曲性の高さや足の甲をホールドする設計により、すぐに履き慣れる点も見逃せないポイントです。
全く新しいスケシュー
2017年から開発を続けてきたというアシックスのスケシューは、自社の開発担当者だけではなく、プロスケーターとの繋がりから、これまでにない全く新しいスケシューへたどり着いたといえます。
スケーターが持つ想いに応えながら、研究を深めトレンドとは全く異なる商品を作るあたりは、さすがアシックスといっても過言ではありません。
アシックスがサポートするライダー
アシックスでは、アスリートに寄り添うことも大切にしており、三人のプロスケーターのサポートをしています。アシックスのスケシューが、大会でも最大限に生かされることで、スポーツとファッションカルチャーをつなぐ架け橋になるでしょう。
発売当初は、スケートショップのみで取り扱われていたアシックスのスケシューですが、地域に根付いたスケーターから徐々に浸透し、その人気は広がりを見せています。
アシックスのスケシューから3タイプを紹介
アシックスは、スケシューのデザイン展開を少しずつ広げています。以下に、注目したいアシックスのスケシューから3タイプを紹介しましょう。
GEL-FLEXKEE PRO
アシックスのスケシューが登場したのは、このモデルからでした。プロスケーターである中村貴咲さんのシグネチャーデザインです。ヒール部分には、アシックスの代名詞でもある衝撃緩衝材「GEL」を導入。
アッパーの前部分には、アシックスがテニスシューズでも取り入れたポリウレタン樹脂を採用しており、摩耗しにくいスタイルを確立しました。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 着地時に負荷がかかりにくい
- バランスを保ちやすい
AARON PRO
アシックスのアーロンというシューズをベースに誕生したのがこちらのモデルです。バスケットシューズに影響を受けたソールが導入されており、耐久性も抜群です。デザインもクラシックで、懐かしさがありながら多くの方に人気が高いモデルでもあります。
中敷には、プロスケーターの動きから分析された設計が取り入れられており、パンチングの穴が施されているのが特徴です。これにより、より安定した状態でスケボーを楽しめます。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 軽くてシンプルなデザイン
- スケボーシーンのみならず楽しめるシューズ
GELFLEXKEE slip-on
スケシューといえば欠かせないのがスリッポンタイプです。アシックスでも、GEL-FLEXKEEからスリッポンがリリースされています。こちらのタイプでは、GEL-FLEXKEEの特徴であったアシンメトリーなデザインが引き継がれ、スケーターにとって魅力的な一品といえます。
また、中村貴咲選手の意見もしっかりと導入されており、パフォーマンス向上が期待できるスケシューです。
【Xadventureのおすすめポイント】
- つま先にラバーガードを導入
- 靴底に衝撃緩和材を導入
まとめ
アシックスのスケシューは、これまでアシックスが培ってきた技術がしっかりと導入されています。それでいて、非常に新しい角度からデザインを展開しており、流行に左右されることなく研究開発を突き進める姿はさすがアシックスです。
また、スケボーをするときだけではなく、日常に使うアイテムとして取り入れやすい点もアシックスのスケシューの魅力といえます。ぜひ、ファッションシーンのアイテムの一つとして手に入れたい一品です。