スケボー界の異端児「Jason Dill(ジェイソン・ディル)」とは?

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▲イメージ画像

スケボー界の重要人物であると同時にファッションアイコンとしても強い影響力を持つ「Jason Dill(ジェイソン・ディル)」。日本にもそのファンは多く、彼をまねたファッションを意識している方も多いことでしょう。ここではそうしたジェイソン・ディルの経歴やファッションの特徴などを紹介します。

Jason Dill(ジェイソン・ディル)とは?

出典:superelaks / PIXTA

ここでは、ジェイソン・ディルの経歴やエピソードについて解説します。

ジェイソン・ディルの経歴

ジェイソン・ディルは、1980年代の終わりから1990年代にかけて、ニューヨークのスケボーシーンで頭角を現して、瞬く間に強い影響力を持つようになりました。

8歳でスケボーを始めた彼は12歳で初めてスポンサーを獲得し、その後は順調にスケーターとしてのキャリアを築き上げていきました。

一方、彼の人間性に対して、風変わりという印象を持つ人が多く、現在ではそれもまた彼の魅力の一つとして広く認識されています。 特に、早口でまくしたてるようにしゃべる彼のスタイルはもはやトレードマークのようになっており、一度話したら忘れられない人物です。

そうしたジェイソンには、スケーターとしてだけではなく、ファッションアイコンとしての人気も高いという側面もあります。今日のスケーターのファッションの多くは彼の影響下にあり、カルチャーとしてスケボーを発展させたという点でも彼は重要な人物でしょう。

ジェイソン・ディルのエピソード

8歳でスケボーを始めるまでのジェイソンは、決して恵まれた環境ではありませんでした。ドラッグの売人であった父親の存在は、幼少期のジェイソンにも悪影響を及ぼしました。

彼が8歳を迎えたころ、父は逮捕・収監され、以後は母親と2人の兄の手によって育てられたのです。このことからジェイソンは不安定な幼少期を送ることとなり、引っ越しを22回も経験したと彼は証言しています。

しかし、父親が逮捕された直後に引っ越した先でプロスケーターのエド・テンプルトンと出会ったことで彼の日常は一変。以後はスケボーにのめり込むようになり、その実力をつけました。

Jason Dill(ジェイソン・ディル)のスケーターファッション

出典:Supawat / PIXTA

ここでは、ファッションアイコンとしての一面を持つジェイソン・ディルのファッションについて解説します。

Supreme(シュプリーム)のファッションアイコン

40代を過ぎてからのジェイソンの影響力は、主にファッション業界で特に強くなりました。

そのことを象徴するエピソードの一つが、日本においても絶大な人気を誇るブランド「Supreme(シュプリーム)」のコレクションに関するもの。2015AWと2016AWにおいてジェイソンは、スケーターでありながらシュプリームのコレクションに登場し、大きな話題になりました。

これ以降ジェイソンはシュプリームのファッションアイコンとしても広く認知されるようになり、彼がスケーターであることを知らずにそのファッションをまねする人もいました。

その後、ファッション業界における影響力を手にしたジェイソンは、シュプリーム以外のブランドでもモデルとして活躍しました。 彼をモデルとして起用するブランドの多くは、ストリート系のブランドでした。

このことはニューヨーク仕込みの彼のスケーターとしてのイメージが、多くのストリート系ブランドのイメージと合致しているためでしょう。

ジェイソン・ディルが身に着けているブランド

ファッションアイコンとしての強い影響力を持つジェイソン・ディル。彼が身に着けているブランドのアイテムは、今日のストリート系ファッションにおいては欠かすことができません。

  • Supreme(シュプリーム)

いわずと知れたニューヨークで生まれたブランド。日本での人気も高いアイテムは、ジェイソンも愛用しています。モデルを努めたこともある同ブランドのアイテムは、彼にとってマストアイテムの一つになっているでしょう。

  • Fucking Awesome(ファッキンオーサム)

「Fucking Awesome」は、ジェイソンがフォトグラファーのマイク・ピシテリとともに立ち上げたブランドです。スニーカーやキャップ、スエットを始めとしたアパレルアイテムだけではなく、デッキなどのスケボー用品も展開。同ブランドの商品もまた、ジェイソンのマストアイテムとなっています。

  • Ray-ban (レイバン)

アイウェアブランド「Ray-ban」のアイテムもジェイソンは愛用しています。ストリートファッションとの相性がよい一方で高級感のあるアイテムは、年を重ねたことで大人の男の魅力が増したジェイソンにピッタリといえます。

  • VANS (バンズ)

カリフォルニアで誕生し、以後スケボー業界では欠かすことができないブランドとなった「VANS」のアイテムもジェイソンのお気に入り。昨今のバンズはスニーカーだけではなく、幅広いアパレルアイテムを展開していますが、彼は最もスタンダードなオーセンティックのスニーカーを愛用しています。

  • 古着

古着もまたジェイソンが愛用するファッションアイテムの一つです。彼が愛用しているのはミッキーなどのキャラクターがプリントされたスエットで、有名ブランドのアイテムとともに着こなす彼の姿は、インスタグラムで目にすることが可能です。

Jason Dill(ジェイソン・ディル)が立ち上げたブランド

ここでは、ジェイソン・ディルが立ち上げたブランド「Fucking Awesome(ファッキンオーサム)」について解説します。

Fucking Awesome(ファッキンオーサム)

ジェイソン・ディルのキャリアにおいて重要なポイントの一つとなったのが、彼自身も愛用するブランド「Fucking Awesome」の設立です。

ジェイソンとフォトグラファーのマイク・ピシテリによる同ブランドは、ジェイソンのユーモアとマイクが撮影した写真を加工した個性的なデザインが見事に融合しており、ストリート系ブランドの中でも異彩を放っています。

ファッキンオーサムのアイテムはジェイソン自身だけではなく、ジャスティン・ビーバーやトラビス・スコットといった、若者への強い影響力を持つ有名人も着用。これにより、ブランド自体の知名度も高くなった背景があります。

また、ファッキンオーサムには有名ブランドでありながら、手頃な価格設定が魅力で、若者を中心としたストリートカルチャーを大事にしたいという、ジェイソンとマイクの思いが込められているのかもしれません。

有名ブランドとのコラボ

ファッキンオーサムは、有名ブランドとのコラボを積極的に行っています。なかでも以下の3つのアイテムは同ブランドが行った代表的なコラボです。

  • Fucking Awesome×Vans Syndicate 2013 Authentic Collection

ジェイソン自身も愛用するバンズのなかでも「Vans Syndicate」は、デザインや素材に強いこだわりを持って製造されているシリーズです。こちらのファッキンオーサムとのコラボスニーカーは発売前から大きな話題を呼び、瞬く間に入手が困難になりました。

  • Jason Dill×Vans Syndicate OG Authentic “S”

ジェイソン自身がバンズとコラボして販売されたこのアイテムは、2015年に発売されました。Vansを代表する「Authentic(オーセンティック)」をベースに、ジェイソンのイラストや写真など、個性的なデザインが大きな特徴です。こちらも販売開始からすぐに入手が困難になりました。

  • Fucking Awesome×Hockey×Thrasher T Shirt

ファッキンオーサムの姉妹ブランド「Hockey Skateboards」とストリートファッションにおいて欠かせない「Thrasher」とのトリプルネームで販売されたのがこちらのTシャツ。2015年に発売されたこちらのアイテムもまた、現在では入手が困難になっています。

ファッキンオーサムのおすすめアイテム

2021年時点でファッキンオーサムの正式な日本展開はしていません。しかし、一部ネットショップでは同ブランドのアイテムを入手することが可能です。最後にファッキンオーサムのおすすめアイテムを3つを紹介します。

Dill Felt CP Tee

ジェイソンのスクール時代の写真をフロントにプリントした、ファッキンオーサムの象徴ともいえるTシャツ。全体的にシンプルなデザインとなっているため、他のファッションアイテムに合わせやすく、同ブランドのファンであれば必ず持っておきたい一品です。

Fucking Awesome×adidas Skateboarding FA EXPERIMENT 2

2021年に発売されたファッキンオーサムとアディダスのコラボスニーカー。バスケットシューズをベースにしたこちらのアイテムは、スケボーをするときに向いており、スケーターからも高い評価を得ています。

Extinction Hoody

ファッキンオーサムのブランドロゴをフロントに施したシンプルなデザインのパーカー。大きめのものを買って、ゆったりと着こなすのがおすすめです。

まとめ

今やスケボー界だけではなく、ファッションを中心としたストリートカルチャー全体で強い影響力を持つジェイソン・ディル。自然に人が集まってくる不思議な魅力を持つ彼は、インスタグラムをはじめとしたSNSやさまざまなツールを活用して情報を発信しており、その動向には多くのファンが熱い視線を送っています。

また、彼のブランド、「ファッキンオーサム」では他のブランドとの商品展開も積極的に行っているため、今後もさまざまなコラボレーションでファンを驚かせてくれるかもしれません。

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