世界でも指折りのサーフボードブランド「チャネルアイランズ」は、さまざまな歴史を乗り越えて、現在も多くのサーファーの心をつかむブランドとして君臨しています。親子三代に渡り、受け継がれる技術は誇りといえるでしょう。今回は、チャネルアイランズの歴史や背景、おすすめのサーフボードも紹介します。
チャネルアイランズとは
チャネルアイランズが設立されたのは1969年にアル・メリックとテリー・メリック夫妻がサンタバーバラで始めたサーフボードブランドです。50年を超える歴史の中には、紆余曲折があって今に至ります。
小さな工場から始まった
チャネルアイランズは、当初小さな工場からスタートしました。ブランド名となった「チャネルアイランズ」は、サンタバーバラの沖合にあるチャンネル諸島が由来です。
創設者であるアル・メリックが14歳でサーフィンを始めた頃は、サーフボードの長さが平均10フィートでした。しかし、急速にボードが短くなる傾向にあり、アル・メリックもその影響を受けます。
そして、地元のサーフショップにてチャネルアイランズの活動が始まりました。アル・メリックは自身のことを「デザイナーではあるけれど、発明家ではない」と語っています。
ショートボードを基本とするチャネルアイランズ
チャネルアイランズが生まれるターニングポイントとなったショートボードの登場。それは、ロングボードが主流とされていた当時のサーファーにも大きな影響を与えました。現在もチャネルアイランズのサーフボードは、その当時の流れが受け継がれ、ショートボードがメインの商品です。
バートンの傘下に入った2006年
1969年の誕生以来、洗練された技術が評価され世界中のサーファーから信頼を得たチャネルアイランズ。世界でもトップレベルのサーフボードブランドとしての地位を確立しました。そして、サーフボードのさらなる向上を目指して、スノーボード界のトップでもあるバートンの傘下に入ったのが2006年のことです。
スノーボードの技術や知識を得ることで、よりサーフボードのパフォーマンスをあげる目的がありました。さらに、バートンの創設者であるジェイク・バートンがサーフィンに熱い思いを持っていたことも影響していました。
バートンから独立し再びメリック家の元へ
2006年から傘下にあったチャネルアイランズですが、2019年にジェイク・バートンが逝去しました。このことをきっかけに、バートンはサーフィン部門を売却することを決定しました。
バートン自身も、チャネルアイランズがいずれメリック家の元に戻ることを望んでいました。バートンは、チャネルアイランズの歴史における一ページを飾ったといえるでしょう。
現在は、彼の息子であるブリット・メリックが技術を引き継いでいます。彼は会社のオーナーに就任し、ヘッドシェイパーとデザイナーの仕事も兼務。多くの有名サーファーのサーフボードをデザインしています。
そして、アル・メリックが培った技術は、孫であるイザヤ・メリックへと。三世代に渡るサーフィンへの情熱と技術は、世界中のサーファーの心をつかむゆえんともいえるでしょう。
ミッドレングスもチャネルアイランズの顔
ショートボードが主流のチャネルアイランズですが、ショートボードとロングボードの間にあるミッドレングスも主力商品として掲げています。
これまで、初心者が乗るためのサーフボードとされ、「ファンボード」とも称された中間的存在のミッドレングス。オリジナルのパフォーマンスを導入することをうたって誕生したのがチャネルアイランズの「CL Mid」でした。
スピード感も残しながら、魅力的なターンを決めるためのミッドレングスとして、今や世界中に定着しています。CL Midには、さまざまなラインアップがそろっており、海外のダイナミックなビーチだけではなく日本でも十分に楽しむことが可能です。
50年の歴史があるからこそのチャレンジ
チャネルアイランズが次に進めるのも、アル・メリックが培ってきた歴史があってこそ。息子であるブレット・メリックは、残された多くのテンプレートがあることに触れ、ミッドレングスを作るうえでも欠かせないものだったといいます。
技術やテンプレートはもちろん、DNAとして受け継がれたシェイパーとしての腕や幼い頃からブレッド・メリックに染み付いたサーフィンへの思いも影響していることでしょう。
チャネルアイランズのおすすめサーフボード
数あるチャネルアイランズのサーフボードの中でも、おすすめのサーフボードを紹介します。それぞれの特性も踏まえた上で、一つ一つ解説していきましょう。初心者向けのサーフボードもあるので要チェックです。
sampler
いわゆるステップダウンボードと呼ばれる、さざ波用のサーフボードです。大きな波に乗らなくてもスピードがつくように設計されており、ノーズにボリュームがあるのが特徴です。また、浮力が大きいこともあり、パワーが弱い小さな波でもロングライドができるといった魅力もあります。
デメリットは、浮力が大きいことから沈まないことです。ドルフィンスルーをする場合はやりにくさを感じるでしょう。重いため、持ち運びに不便です。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 波の状態を選ばないボード
- さざ波に向いている
Happy
ショートボードの中でも、パフォーマンスが高く自由なスタイルでのサーフィンが楽しめるのが魅力です。ハッピーのテールには、水色のカーボンが施されており「ハッピーパッチ」と呼ばれています。
これは、単なるデザインではなく強度を保ちながらフレックス制を向上させるという代物。このハッピーパッチがあるおかげで、ターンのパフォーマンスが上がったという声もあります。これまで流行していた短めのボードから、長いボードへとの原点回帰をほうふつとさせるのも特徴です。
【Xadventureのおすすめポイント】
- レスポンスのよさが特徴
- 上級者向けのボード
ULTRA JOE
2019年に発売されたミッドレングス。シンプルで乗りやすいミッドレングスを追求した「Average Joe」のリバイバルとして、新たなデザインを施したタイプです。アグレッシブなサーフィンではなく、ゆったりと波を楽しみたいときに選ぶとよいサーフボードでしょう。初心者にもおすすめしたい一品です。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 初心者から上級者まで楽しめる
- パフォーマンス要素を取り入れたボード
Rocket Wide
日本の波を乗りこなすなら一本は持っておきたいボードです。 Rocket 9から進化したボードは、長めのデザインでさざ波用のボードとしてオールラウンドなアイテムです。
乗る人にあわせて機能してくれるサーフボードで、さまざまなシーンで活躍してくれるのが特徴です。コンパクトなタイプなので、女性でも楽しめるサーフボードです。
初心者のみならず、プロも愛用しているボードであり上級者が好むポケットに留まるサーフィンも可能です。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 上級者は長めのサイズを選ぶのがおすすめ
- メインボードとしても問題のないデザイン
NeckBeard2
2012年にサーフボードオブザイヤーを獲得したモデルがこちらです。非常に評判が高くチャネルアイランズの中でも多く売れているサーフボード。
波の状態を選ばずに楽しめることから、一本持っていると便利なサーフボードです。日本の波にもマッチしており、年齢を問わずに使用できるのも魅力でしょう。
【Xadventureのおすすめポイント】
- 弱い波でも楽しく乗れる
- 運動性を補うデザイン
まとめ
これだけの歴史と家族の思いが詰まったチャネルアイランズ。世代が変わり技術が受け継がれても、根底に流れるDNAは変わらず、今も真剣にサーフボードと向き合っています。
当初のショートボードから、新たなラインアップも加わった、チャネルアイランズの今後の展開に期待しましょう。