パワースライドをダイナミックに決めよう!やり方やコツを解説

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スケートボードのトリックのひとつに、「パワースライド」があります。ジャンプを伴わないトリックのため、初心者でもチャレンジしやすいトリックです。今回はパワースライドの種類とやり方やコツなどについて説明します。

パワースライドのやり方を徹底解説!

出典:Supawat / PIXTA

スケートボードのさまざまなトリックの中で、パワースライドはそれほど難しいトリックではありません。けれども、やり方やコツをきちんと抑えるとカッコよく決められるようになります。

パワースライドとは?

パワースライドとは、滑っている最中のスケボーを垂直にスライドさせるトリックです。パワースライドにはスケボーのブレーキングが必要となります。

スケートボードでブレーキをかける方法には2種類の方法があります。ひとつは、靴の裏を地面と摩擦させてブレーキをかけるフットブレーキと呼ばれる方法と、もうひとつがこのパワースライドです。

フットブレーキの場合は片足をスケートボードから離すことになりますが、パワースライドは、スケートボードに乗ったまま身体の重心移動や力の加重などを使って減速させます。

こうした重心の移動や加重に関するフィーリングは、スケーティングにおいて極めて重要な要素です。パワースライドのほうがスタイリッシュに見えることと、さまざまなトリックのベースにもなることから、ぜひマスターしたいトリックといえるでしょう。

パワースライドの種類

パワースライドには、フロントサイドとバックサイドの2種類があります。

フロントサイドのパワースライドは、その名のとおり、足の力を利用して進行方向に対してスケートボードを垂直に押し出して、ウィール(タイヤ)でスライドさせます。

一方、バックサイドのパワースライドは、フロントサイドのパワースライドとは反対の向きで進行方向を背にしながらスライドするトリックをいいます。 まず、フロントサイドをマスターしてからバックサイドを練習するとスムーズにできるようになるでしょう。

パワースライドのブレーキング

普通に走っているデッキに対してどのようにブレーキをかけるのでしょうか。ここではフロントサイドのパワースライドのブレーキングについて説明します。

前述したとおり、パワースライドのブレーキングではスケボーから足を下ろしません。足の力でスケートボードを垂直に押し出して回転させます。車のドリフト走行をイメージするとよいでしょう。

たとえば、ストリートを滑っていて下り坂(ダウンヒル)を下る際に、早くなり過ぎてしまったスピードを減速するために利用することが多いトリックです。他にも、パークなどでスケーティング中に速度が下がらずに誰かにぶつかってしまいそうな場合にも役立ちます。

フロントサイドパワースライドのコツとは?

出典:Supawat / PIXTA

パワースライドは難しいトリックではありませんが、カッコよく決めるコツがあります。フロントサイドのパワースライドのコツを説明します。

スタンス

フロントサイドのパワースライドをするときは、自分の後ろ足はスライドを開始するときにテールを押し出すことになるので、後ろ足はテールの先端に置きましょう。足の指から足裏の親指の付け根にかけて力を入れるようにします。

自分の前足は回転の軸になるので、デッキ前方にあるビス辺りに置き、足の裏全体に力を入れます。このとき、身体の重心がデッキの中心にくるような姿勢をとってください。

後ろ足と全身でデッキを押すことで、パワースライドの状態を保持したまま前へ進むことになります。身体の真正面は進行方向を向いていますが、そのときに肩を開くと身体が完全に開いてしまい、スライドの形を保てなくなります。そのため、肩と腕の位置は身体が開く方向とは反対の方向に向けるようにしましょう。

フロントサイドパワースライドのやり方

フロントサイドのパワースライドのトリックは、以下のような流れで進めます。

(1) トリックに入る前段階であるアプローチの状態のまま、膝を曲げて重心を落とします。

(2) 身体の重心をデッキの真ん中に置き、前足を軸にして後ろ足を進行方向に向かって押し出します。進行方向と垂直の方向に向けて一気に傾けた状態で、4輪車で突っ張るような感覚でブレーキをかけます。

(3) スケボーが止まってしまう前に、進行方向に対して垂直なデッキの状態から、進行方向と同じ方向へデッキの向きを調整します。踏ん張っていた下半身の力を解放して、肩を進行方向に戻すようにしながらデッキも戻すようにしてバランスを安定させていくとよいでしょう。

パワースライドのコツ

パワースライドのコツは「身体はできる限り進行方向へ向けたままにする」ことです。後ろ足と全身でデッキを押すような動作になりますが、このとき身体はできるだけ回転させないように注意しましょう。完全に肩まで開いてしまうとパワースライド状態が維持できなくなってしまいます。

肩と腕は身体が開く方向とは反対側に向け、身体と腕が完全に開ききらないように意識することが必要です。また、頭の位置はデッキの真上に、重心は前に傾き過ぎないように意識してみましょう。

フロントサイドを習得したら、バックサイドを練習しよう!

フロントサイドのパワースライドを習得したら、バックサイドのパワースライドを練習するようにしましょう。

B / S(バックサイド)パワースライドとは?

バックサイドのパワースライドとは、フロントサイドのパワースライドとは反対向きで、背面を進行方向にしてスライドするトリックのことです。

バックサイドのパワースライドは、進行方向を背にした後ろ向きのパワースライドとなるので、フロントサイドのパワースライドよりも怖いと感じるかもしれません。しかし、フロントサイドのパワースライドの動きを頭に入れておけば、安定したバックサイドのパワースライドを決められるようになります。

バックサイドパワースライドのスタンス

バックサイドのパワースライドにおけるスタンスでは、後ろ足をテールの先端に置きます。このとき、つま先を中心よりもすこしだけお腹の側にずらしておくようにしましょう。前足はフロントサイドと同様に、前方のビス周辺に置くようにします。

身体の重心はデッキ中央、あるいは少々前足方向にあるようにしておくのが理想的なスタンスです。

パワースライドのやり方

バックサイドのパワースライドは以下の手順で行います。

(1) 膝を軽く曲げて勢いを付け、前足を軸にしながら後ろ足のつま先でテールを背中側に押し出します。このとき身体は正面に向くようにしましょう。

この状態のままで身体が後ろを向いてしまうと、バランスを保持することができなくなってしまうので、進行方向に対して正面を向くように身体を大きく捻るようにします。板を押してスライドさせる際にも、後ろに重心が傾き過ぎることのないように意識することが大切です。

(2) スライド中はウィールが地面に詰まってしまわないように、つま先に重心を乗せたまま体全体、特に腰を回すように意識して押し出します。

(3) バックサイドのパワースライドを終えるには、捻っていた身体を元に戻します。後ろ足の力を緩めて、捻っていた身体を元の状態に戻すとともにデッキも元に戻すようにします。

バックサイドパワースライドのコツ

バックサイドのパワースライドを上手に決めるコツは、トリック中は進行方向に視線を向けて一定の体制を保つことです。足元を見過ぎてしまうと進行方向からそれてしまう恐れがあり、転倒や衝突といった危険が高まります。

まとめ

スケートボードのパワースライドというトリックは、基本的な技ではありますが、習得することで他の高度なトリックへのつなぎがしやすくなります。まずはフロントサイドのパワースライドで重心移動やスライドのコツをマスターしてからバックサイドのパワースライドを練習するのがおすすめです。

初心者はでこぼこの無い平坦な道でゆっくり滑りながらチャレンジしてみましょう。

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