スケボーのトリックには、さまざまな種類が存在し、それぞれ難易度が異なります。今回は、その中でも中級のトリックにあたる「ヒールフリップ」について紹介します。
「ヒールフリップ」とは、オーリーと組み合わせ、前足をおなか側に蹴り出してデッキを1回転させるトリックのことです。オーリーができて、フリップ系トリックを習得したい方におすすめのトリックです。
ヒールフリップとは?
ヒールフリップはオーリーの応用です。かかとをノーズに当てて、板を縦に回します。おなか側に回すので、レギュラー目線だと右回転・グーフィー目線だと左回転です。
ヒールフリップの基本動作
ヒールフリップの方法は以下の通りです。
- スタンスを整えて、腰を落として力をためる
- テールを蹴り、ノーズを擦り上げる
- 足首のスナップを使い、かかとでデッキを蹴り抜く
- しっかりと両足を上げ、デッキの回転を見る
- よいタイミングで両足同時にキャッチする
- 体勢をキープしたまま、着地する
練習方法
ヒールフリップの練習では、オーリーと同様、手すりにつかまって足の動きを理解します。足の動きを理解して、デッキを回せるようになれば、手すりを離して挑戦しましょう。
- 前足のつま先をデッキから少し出して膝を曲げ、パワーをためる
- よいタイミングで一気にテールを蹴る
- テールを蹴ったら、デッキの回転を邪魔しないように後ろ足をすぐ曲げる
- 前足をつま先側の斜め前に蹴り出して、デッキを体の真下で回転
- 体の真下でデッキが回転しているのをチェック
- ピーク地点でデッキをキャッチする
- 前足はデッキのビス上で、後ろ足はテールに乗ることを意識する
- 膝のクッションで衝撃を吸収して着地する
ヒールフリップ4つのコツ
ヒールフリップが難しいという方に4つのコツを紹介します。
- かかとを真っすぐ振り抜く
- お尻に重心を乗せる
- テールをしっかりと弾く
- 板のしなりを利用する
ヒールフリップがうまくできないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
かかとを真っすぐ振り抜く
ヒールフリップで板が回転しない原因には、「前足でフリップするタイミングが合っていない」「前足でフリップをかける向きが間違っている」ことが考えられます。この2つを解決するためには、進行方向側に真っすぐかかとを振り抜くという意識が大切です。
かかとでフリップをかけると、かかとにノーズがうまく当たらないケースがあります。その際は、進行方向側になるべく真っすぐに、かかとを振り抜くことを意識しましょう。この感覚をつかむとフリップのタイミングが分かるようになり、かける方向も正確になります。
お尻に重心を乗せる
ヒールフリップをする際、オーリーと同じ重心だと自分より後ろのほうで板が回ってしまいます。オーリーよりも「背中側」「お尻」に重心を置くことを意識しましょう。さらにコツとして、腰下をヤンキー座りのようになるイメージで重心を落とすことで、重心が取りやすいです。
テールをしっかりと弾く
デッキは回せるようになったけど、乗りにくいと感じた場合に意識してほしいポイントは、テールをしっかり弾くことです。フリップの回転がわからなくてもいいので、とにかくテールを弾く練習をしましょう。このとき、オーリーより真下に弾くようにすると、きれいに回転して高さのあるヒールになりおすすめです。
テールを引いて弾くと足を抜くタイミングが早くなり、いまいち回転しなかったり高さが出なかったりするので注意しましょう。
板のしなりを利用する
ヒールのスタンスを取り「前足をおなか側」「後ろ足を背中側」に重心をかけます。そうすると前と後ろに向かう力が張り合い、板がしなるのを感じることでしょう。このしなる力がたまった状態でヒールフリップすると、軽い力で板が早く高く上がります。
4つのコツを意識しても板が回らないときの対処法
4つのコツを意識しても板が回らないときは、以下のステップで練習します。
- 板を回すだけで両足とも板に乗らない
- 板を回して前足だけで乗る
- 板を回して後ろ足だけで乗る
上記のステップで練習することで、板を回転させる感覚と、板に乗る感覚がつかめるでしょう。
また、ヒールフリップで板を回すことは実は簡単です。オーリーの動きから前足のつま先を少し出します。そこからオーリーと同じ動きを前足で行うだけで、板を回転させることが可能です。
ヒールフリップ応用編
これまでの説明で、ヒールフリップの基本動作や練習方法、コツなどを紹介しました。
実際に実ヒールフリップをマスターしたら、次はヒールフリップの応用として「バリアルヒールフリップ」「フェイキーヒールフリップ」「BSヒールフリップ」「レーザーフリップ(別名:360ヒールフリップ)」「360インワードフリップ」を練習してはいかがでしょうか。
バリアルヒールフリップ
フロントサイドショービットの回転とヒールフリップの回転を同時に行うトリックです。もともとは「ヒールフリップ・ショービット」という名前でした。現在では「バリアルヒールフリップ」または「バリアルヒール」と呼ばれています。
フェイキーヒールフリップ
テールキックを使用し、板を素早く横向きに1回転させ、自分が着地するタイミングで板を元に戻すトリックです。フェイキーヒールフリップは、ジャンプをしながらかかとを使い、蹴り上げたデッキを擦って回転させます。
BSヒールフリップ
先ほど説明したフェイキーヒールフリップとフェイキーショービットが合体したトリックです。どちらも板を回転させるトリックですが、それぞれ回転させる方向が縦または横と異なります。この2つのトリックの練度が高ければ、BSヒールフリップの習得も可能です。
それぞれのトリックを繰り出す際に蹴り方を少しずつ混ぜて、バランスを保てるように練習すればBSヒールフリップも習得できるでしょう。
レーザーフリップ(別名:360ヒールフリップ)
フロントサイドに360ショービットを繰り出しながら、ヒールフリップの回転も加えるトリックです。2017年のワールドツアーで優勝を果たしたDashawn Jordanが成功させた、難易度の高いトリックです。
360インワードフリップ
ヒールフリップとポップショービットが合体したトリックで、デッキを前後に半回転させながら、横方向にも1回転させます。
前足と後ろ足を反対方向に動かすので、バランスが難しいとされます。難易度が高いことから相当の練習量が必要になりますが、その分魅力的なトリックです。ある程度の技術力がある方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
今回は、ヒールフリップの基本動作や練習方法、コツを詳しく解説しました。ヒールフリップは、前足のかかとをノーズに当てて板を縦に1回転させるトリックです。このヒールフリップの完成度を高めるためには、精度・高さなどが必要です。
「かかとは真っすぐ振り抜く」「お尻に重心を置く」「テールをしっかりと弾く」「板のしなりを利用する」以上の4つのコツで、完成度が高まります。ぜひ参考にしてみてください。