ナザレはビッグウエーブの代名詞!大波が起こる理由やスポット情報

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2020年の秋、歴史的な巨大スウェル(うねり)が発生したことで話題となったのが、ポルトガルの「ナザレ」です。ナザレは、ビッグウエーブに挑む、命知らずのサーファーが押し寄せることで有名なサーフスポット。そんなナザレに世界に類をみない巨大波が押し寄せる理由や現地の情報を紹介します。

世界屈指のサーフスポット ナザレとは?

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ナザレは、ビッグウエーブを好むサーファーの聖地ともいえる場所です。巨大波を征服するスリルを求めて、世界中からサーフィン愛好者が集まってきます。ナザレのエリア情報や特徴を解説します。

ナザレはどこにある?

ナザレは、ポルトガルの北大西洋に面した小さな漁師町です。首都のリスボンから北に約120km、車では1時間30分ほどの場所にあります。ポルトガルの中でも、特に古くからの面影が残る町として知られるナザレ。

伝統衣装のカラフルな7枚重ねのスカートを身にまとった女性たちが、売り子として働いていることでも知られています。ナザレビーチは、長く白い砂浜が続く三日月形の美しい海岸です。ナザレの街の玄関口となって、訪れる観光客やサーファーたちを迎えます。

サーフスポット「ナザレ」の特徴

ナザレの名物といえば、大波とサーフィンです。2020年の秋には、ハリケーン・イプシロンがもたらした波が、史上まれに見る高さとなりました。その高さは、60ft超え(約18m)となるため、5~6階建てのビルほどになることに。

この機を逃さず、命知らずのビッグウエーブ・サーファーたちが大波に挑みます。巨大スウェルとサーファーのセッションを見逃すまいと、大勢の見物客も詰めかけました。

コロナ禍において、数千人単位の人が集まる結果を受け、ついにポルトガルの国家衛生委員会がナザレでのサーフィン禁止を発表する事態に。ナザレでは、世界的規模のビッグウェーブイベント「Nazare Tow Surfing Challenge」が毎年行われており、2021年は11月からの開催予定です。(2021年5月時点)

サーファーならずとも、コロナの早期収束が待たれるところです。

「ナザレ」に大波が立つ理由

ナザレには、夏は観光客が海水浴に押し寄せ、冬になると壁のようにせり上がる波が到達します。季節によって、まったく異なる顔を持つナザレ。観光客が来ないシーズンには、田舎の静かな漁師町に戻ります。

そんなナザレに、なぜ世界屈指の波が発生するのでしょうか。大きな波が立つ理由を見ていきます。

三日月形の海岸線

ナザレの海岸線の形状は、丸みを帯びた湾です。波は、常に一方の方向に規則正しく進むわけではなく、地形によって変化。湾曲した海岸線に波がぶつかると、波は内側に向かって集まります。

湾の中心付近では、波の集中するポイントができやすい傾向があります。ナザレの三日月形の美しい海岸線。その形状が波を高くする一因になっていると考えられています。

海底の「ナザレキャニオン」

ナザレ沖には、海岸線に沿った「ナザレキャニオン」と呼ばれる海中峡谷があります。長さは200kmにわたり、その深さはなんと5,000m。ヨーロッパ最大の海中峡谷こそが、大波を作るもっとも大きな要因です。

ナザレキャニオンは、巨大な「じょうご」の役割を果たし、大量の水を海底で集めます。深い海中峡谷の裂け目に集まった海水が、激しい海流を作り出し海岸に集中して押し寄せることで、大波が発生しやすい状態になるのです。

さらに、2020年秋のように大西洋から低気圧による大きなうねりがやってくると、相乗効果によって世界でも最大級の波が発生。こうしてナザレにはモンスタークラスの波が押し寄せ、サーファー垂涎のビッグウエーブスポットを作り出します。

ナザレで受賞したサーファーたち

ナザレは、ビッグウエーブの聖地として、毎年世界的な大会が開催。近年の主な受賞者を紹介します。

Justine Dupont(フランス)

2020年WSL(World Surf League)主催のRIDE OF THE YEARを獲得。その年のもっとも危険で驚きのライディングを見せたサーファーに贈られる、ビッグウェーブアワードです。人間業の限界を超えるパフォーマンスを称える賞金は、35万ドル(1ドル110円換算で約3,850万円)となります。

Justineは、その華麗な技術も認められ、同時にPERFORMANCE OF THE YEARも受賞しています。

Maya Gabeira(ブラジル)

2020年WSL Nazare Tow Surfing Contestの期間中、73.5ft(約22.4m)の波を制し、サーファーが乗ったもっともも高い波の世界記録を更新しました。また、Biggest Wave AwardsとRedBull Big Wave Awardsをダブルで受賞。過去に「ナザレ」で68ftの記録を持つMayaでしたが、男性でもなし得なかった世界記録の塗り替えに成功しました。

Kai Lenny(ハワイ)

Maya Gabeira と同じ大会においてMEN’S部門でBiggest Waveを受賞。記録は70ft。同時にPERFORMANCE OF THE YEARも受賞しています。

まとめ

ナザレは、ポルトガルの小さな漁師町で、リスボンからの海水浴客が訪れる程度で、さほど注目されることはありませんでした。近年は静かなシーズンとなる秋から冬にかけて、世界中のサーファーが押し寄せ、大々的に大会が開かれます。

これこそが、まれに見るビッグウエーブによる賜物。地形と海底深く存在する「ナザレキャニオン」が、小さな町をサーファーにとって世界一有名なビッグウエーブスポットへと押し上げました。サーファーであれば大波の地、ナザレをぜひ一度は訪れてみたいものです。

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