東京2020オリンピックで新競技になるサーフィン。新型コロナウィルス感染拡大で延期になったものの、2021年夏に開催予定です。(2021年5月時点)世界トップサーファーが日本の海でサーフする貴重な機会。オリンピックのサーフィン会場や日程、競技の魅力について紹介します。
東京オリンピックはいつどこで行われる？
東京2020オリンピックの追加種目に選ばれたサーフィンは、若者になじみのあるマリンスポーツです。東京大会のサーフィン会場や日程は、どうなっているのでしょうか。
東京2020オリンピックのサーフィン会場
サーフィン会場に選ばれたのは、世界的に良い波がやって来ると有名な釣ヶ崎海岸サーフィンビーチです。千葉県長生郡一宮町の海岸で、収容人数は6,000人。このビーチは。通称「志田下」と呼ばれています。
外房と呼ばれる房総半島の太平洋岸に位置する一宮町。釣ヶ崎海岸は、九十九里浜の南端に位置していて、かつて地びき網や塩づくりなど海の恵みを生かした産業でにぎわっていました。釣ヶ崎には、一宮海水浴場があり、夏は家族連れやグループが集まるスポットです。
また、1970年代に入ると、サーフィンブームに乗って良質な波を求めるサーファーたちが世界中から訪れるようになります。町としてサーフィンをはじめ、九十九里トライアスロンや観光地びき網、海開きのイベントとして南九十九里はまぐり祭りなどを推進。マリンスポーツや海遊びをベースにしたまちづくりを続けてきました。
サーフィンの競技スケジュール
2020年の夏に開催予定だった東京オリンピックは、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、延期となりました。開催期間の日程は、1年後の2021年の7～8月に競技スケジュールをスライド。会場は、当初の釣ヶ崎海岸サーフィンビーチのままです。
サーフィン競技のスケジュールは、2021年7月25日(日)～7月28日(水)までの4日間。具体的な日程と競技内容を見ていきましょう。
・1日目：7月25日(日) 7:00～16:20
[男子] 第1ラウンド
[女子] 第1ラウンド
[男子] 第2ラウンド
[女子] 第2ラウンド
・2日目：7月26日(月) 7:00～16:40
[男子] 第3ラウンド
[女子] 第3ラウンド
・3日目：7月27日(火) 7:00～14:20
[男子] 準々決勝
[女子] 準々決勝
[男子] 準決勝
[女子] 準決勝
・4日目：7月28日(水) 8:00～11:35
[女子] 3位決定戦
[男子] 3位決定戦
[女子] 決勝戦
[男子] 決勝戦
[女子] 表彰式
[男子] 表彰式
なお、7月29日(木)～8月1日(日)までの4日間は予備日です。サーフィン競技は、競技にふさわしい波の状態を確認しながら実施されます。そのため、波が良ければ4日間で終了予定ですが、状況に応じて日程が予備日まで後ろ倒しになる可能性もあるので注意してください。
オリンピックの新競技
サーフィンが東京オリンピック2020で追加種目になったいきさつや、競技のポイントについて調べてみました。
東京オリンピックとサーフィン
サーフィンは、現在のハワイやタヒチに住んでいた、古代ポリネシア人がはじめた海遊びといわれています。オリンピックとサーフィンのつながりは、1世紀も前にさかのぼります。
1912年のストックホルム大会と1920年のアントワープ大会の金メダリスト、デューク・カハナモクはハワイ出身のアメリカ人選手。水泳で金メダルを獲得した一方で、「オリンピック種目にサーフィン競技が追加してほしい」という夢を語りました。
東京2020オリンピックでは、組織委員会がサーフィンを追加種目として提案。近代サーフィンの父と呼ばれるカハナモクの夢が100年のときを超えて、ようやく実現したのです。
サーフィンの競技ポイント
東京2020大会のサーフィン競技は、ショートボードが採用されました。競技サーフィンには、大きく分けてロングボードとショートボードの2種類があります。ショートボードは、ロングボードに比べて小回りが効き細かいターンがしやすい分、ダイナミックなテクニックを重視。
1ヒート(1試合)は、通常約30分。相手は自然の海なので、当然波も風も常に変わり続けます。サーフィンは、同じ波は2度と来ない独特の条件の中で競技するため、採点基準も細かく、複雑です。5名の審査員がジャッジします。
技ごとに決められた点数はありません。総合的にジャッジされて、加点を積み上げていくのがオリンピックのサーフィン競技の特徴です。
東京2020オリンピックの注目ポイント
今回の東京大会が初めてのオリンピック競技となるサーフィン。サーフィン文化の根強い国々を中心に、メダルにかける意気込みは大きく、白熱した戦いが予想されます。サーフィン発祥のアメリカや世界的に活躍するサーファーを多く抱えるオーストラリアの2ヵ国は、これまでさまざまなサーフィンコンテストでトップ争いを繰り広げてきました。
また、近年はサッカーの国・ブラジルもサーフィンブームのため、上位に食い込むと予想されます。日本からは、男子の五十嵐カノアや村上舜、女子の松田詩野をはじめ、2020年に強化指定選手71名が出場権を争っています。
まとめ
2020東京五輪で初めて競技が行われるサーフィン。世界トップクラスのサーファーが房総の九十久里浜に集まることから、レベルの高い競技が期待できます。東京五輪は、およそ100年前、近代サーフィンの父・カハナモクの夢がやっと実現したサーフィンにとって記念すべき大会です。
サーフィン愛好者はもちろん一般の方からの注目度も高く、今後オリンピックのサーフィンの行方を占う重要な大会になるでしょう。