福岡県出身の田中大貴選手は、高校2年生でプロサーファーになりました。現在は世界大会にも積極的に出場するトップアスリートですが、その道のりは順調ではありませんでした。この記事では田中選手のサーファーとしての略歴や今後の目標などを紹介します。
サーファーとしての生い立ち
田中大貴選手は、福岡市出身で1998年6月14日生まれのA型。サーファーとしての生い立ちに迫ってみましょう。
サーフィンとの出合いは両親の影響
幼少時代は、サッカーに親しんでいたものの、サーフィンに親しむ両親の影響から海で遊ぶ機会が多く7歳から本格的にサーフィンを始めました。毎年家族旅行でインドネシアのバリ島のロンボク島を訪れていたため、現地でサーフィンの楽しさや自然の中で楽しい時間を過ごしながらさまざまなことを学んだといいます。
サーファーは、海の豊かさを守るため独自に海岸のごみを拾うビーチクリーン活動をする人も少なくありません。自然の魅力を知る田中選手も、自然を守るビーチクリーン活動を行っています。サーフィンの魅力を実感した田中選手は、その後福岡の海で練習を重ね、小学校3年生のときに「38th 立神杯 キッズクラス」に出場。
初出場した大会で見事3位に入賞し、「さらに上を目指したい」という気持ちが高まったといいます。
挫折が目標になり練習を積み重ねる
しかし、小学校6年生だった2010年に出場した「全日本ジュニアオープン選手権」では、全国で争うライバルたちとのレベルが違いすぎることに衝撃を受けます。そこで決してあきらめることがなく、全国の壁は「いつかは勝ってみたい」という目標になりました。
福岡は小さな波が多く、毎日練習ができなかったため、両親に協力してもらい週末になると宮崎県の日南市など、必ずサーフィンができる海へ連れて行ってもらい練習を積み重ねました。一方、福岡の波が小さいからこそ、どんな波でも乗りこなせるようになるきっかけになったとも語ります。
日南でサーフィンの技を磨く過程で、日南市サーフィン連盟の理事長兼サーフショップ「FREEDOM SURFBOARDS」のオーナー、川畑龍一氏と出会いました。川畑氏にサーフボードのスポンサーになってもらったところから、さらに技術が向上し、全国クラスの大会で優勝できるようになりました。
高校は日南学園の特待生としてサーフィン部に所属
2012年には、「NSA 全日本級別サーフィン選手権大会 3rdクラス」で優勝するなど頭角を現します。毎日練習がしたいと思いが強くなってきた中、日南学園のサーフィン部に特待生として入学が決まり、日南市で暮らすことになりました。
学校指定の寮は「FREEDOM SURFBOARDS」の宿であり、本格的に練習を始めると高校1年生だった2014年に「NSA 全日本サーフィン選手権大会ボーイズクラス」で優勝。2015年には「NSA 全日本サーフィン選手権大会 ジュニアクラス」で優勝するなど、結果を残せるようになりました。
2015年からプロサーファー契約し世界を舞台に活躍
高校2年生だった2015年には、「JPSA(日本プロサーフィン連盟)の田原オープン」に出場し、プロ公認を獲得。本格的にプロサーファーとして活動を始めています。同時に、世界選手権の日本代表選手として出場する機会も増え、2017年には2020東京オリンピックの強化指定選手に選出されるまでに至りました。
スポンサーとなっているブランド
田中選手のスポンサーは、ウエットスーツなどのアパレルブランドの「ハーレー(Hurley)」やデッキパッド、リーシュコード、フィン、ボードケースのサポートを「マニューバーライン」、フィンシステムブランドの「futures.」など多数。また、両親が経営するディスプレイなどの空間プロデュース・デザインを行う企業や、母校日南学園も田中選手の活動をサポートしています。
今の目標はCTサーファーになること
田中選手は、サーフィンのプロツアーを運営する組織WSL(World Surf League)の大会を中心に世界中の波に乗っています。目標は、世界最高峰のチャンピオンシップツアーに出場するCTサーファーになること。CTサーファーになるには、WSLが主催する5ランクのQS(Qualifying Series)の大会を勝ち上がる必要があります。
今後大会が通常通り開催されるようになり次第、田中選手の活躍が期待されるでしょう。
気さくな人柄でオンラインコーチングの受講も可能
2020・2021年は、新型コロナウィルス感染症の蔓延などにより、さまざまな大会が中止や延期を余儀なくされ、田中選手も活動の場が制限されています。しかし、同じくプロサーファーの山中海輝選手や野呂海利選手、野呂玲花選手などとも親交があり、一緒にトレーニングや練習に励む様子などをYouTubeやInstagramで公開しています。
また、田中選手は有料のスポーツコーチングサービスに登録していて、遠征や移動などがなければ映像を送ってチェックしてもらえるオンライン診断を行っています。
直接田中選手の指導が受けられるので「あと少しのはずなのにできない」「近くに乗り方を教えてくれる人がいない」という場合におすすめです。
まとめ
田中選手は、サーフィンの面白さを「短い時間の中で技が決まった場合に達成感がある」と語っています。楽しいサーフィンから上位を目指すサーフィンに変わっていく中で、うまくいかなかったときにも、結果を出すには、あきらめない強い気持ちが必要だと感じるでしょう。
子どもの頃からコツコツと練習を重ねることで実績を積み上げてきた田中選手。今後のさらなる活躍が期待されます。