サーフボードの割れや傷。リペアを正しく行うための基本的な知識と方法を解説

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サーフィンを楽しんだ後には、サーフボードの点検が必須です。キズを見つけたら、レベルに合わせてリペアしなければなりません。放置しておくとボードの寿命を縮めることになるかもしれないからです。正しいケアをするためのサーフボードリペアについての知識と修理のやり方、リペアのおすすめサイトを紹介します。

サーフボードのこまめなリペアが大切な理由

一見頑丈そうに見えるサーフボード。なぜリペアを心がける必要があるのでしょうか。サーフボードのリペアの基礎知識を解説します。

サーフボードはとてもデリケート

強い波にもびくともしないサーフボードですが、実はとてもデリケート。本体が折れるような大事故に遭遇しなくても、サーフィンをすれば知らず知らずのうちに小さなキズが次第に増えていくものです。陸上では、特に扱いに注意が必要です。

どこかに少しぶつけたり、地面に落としたりするだけでキズは入ってしまいます。また、水中での軽い接触でも、思いがけずダメージを負うことは少なくありません。自分では、まったく意識していないのに、よく見たら大きなキズができていることもあります。

ダメージチェックを欠かさずに

サーフボードのダメージは、軽度であればセルフリペアが可能です。しかし、小さいキズでも深くなると、内側に海水が浸み込んで腐食の原因となりかねません。ひび割れや、こすりキズなど異常がないか常にチェックしておかないと、大きな危険を招く可能性もあります。

気になる部分が見つかった場合は、ワックスを落としてゆっくりと柔らかい布やティッシュでなぞってみましょう。引っかかりがある場合は、キズになっていることがあります。状態をしっかりと観察してください。もし、内側に浸水が見られるときは、水抜きをしなければなりません。

この場合、難しい作業となるため、プロに相談する必要が出てきます。いずれにしても、キズを発見したらできるだけ早期に処置することが大切です。

自分でできるサーフボードの修理方法

出典:metamorworks / PIXTA

軽いダメージであれば、サーフボードのリペアは誰にでもできます。リペアキットも販売されているので、修理に備えてそろえておくと安心です。それでは自分で修理をするときの方法を紹介します。

サーフボードのリペアで必要となるアイテム

サーフボードを自分で修理するときには、以下のようなアイテムが必要です。

・ガラスクロス
・レジン
・サンドペーパー・コンパウンド
・ヘラ・刷毛
・マスキングテープ
・防塵用マスク・手袋
・ペンキ・塗料など

ガラスクロスは、ガラス繊維の布でサーフボードに強度を与え、キズを保護します。縦横に伸縮性があり、ボードにフィットさせられます。ガラスクロスには、重さによって4~8ozといった種類がありますが、一般的に使われるのは4~6ozです。

普通のレジンは、作業途中で硬化してしまうなど扱いが難しいため、初心者であればUVレジンがおすすめです。UVレジンの場合、光が当たるまで硬化しないため、ゆっくりと作業ができます。UVレジンは、日光でも固まりますが、UVライトがあれば作業を早く進めることが可能です。

サーフボードのリペアでは、ガラス繊維が散ったり、溶剤を吸い込んだりする危険性があります。そのため、換気に気を付け、防塵対策を徹底して作業を行いましょう。

サーフボードリペアの手順

準備が整ったら作業を開始します。サーフボードの修理の方法は、以下の手順で進めていきます。

1.キズの様子を再度良く確認する

浸水していないかをしっかりと確認していきます。内部が湿っている場合は、乾くまで作業ができません。そのまま表面を修理してしまうと強度が低下し、サーフボードが重くなるため、注意が必要です。

2.キズにサンドペーパーをかける

キズ周辺をサンドペーパーで削ります。軽度のキズであれば、ごく表面だけで大丈夫です。このとき、心材となるフォームをキズつけないように注意しましょう。フォームをキズつけてしまうと、見栄えが悪くなるだけでなく、修理が難しくなります。

サンドペーパーをかける範囲は、キズ部分よりも広め。徐々に周囲に向かって、浅くなるように削ります。目安としては、キズの3倍程度です。

3.ガラスクロスの貼り付け

ガラスクロスをキズの3倍以上の大きさにカットし、たるみがないようにマスキングテープで仮止めします。この後、樹脂で固める際、余計な箇所への液だれを防止するためにマスキングテープを広めに貼ります。

4.レジンを塗り込む

ガラスクロスの上からレジンを塗布していきます。わりばしや、アイスクリームのヘラ、ゴムベラなど、使いやすいもので問題ありません。気泡がガラスクロスの網目の中にできないよう、慎重に塗り込みます。

レジンは、乾くと補修箇所が目立つため、気になる場合はあらかじめレジンに塗料などで色を混ぜておくと周囲と同化しやすくなります。初心者のうちは、一度できれいに塗り込むのが容易ではありません。一度薄く塗って固めた後、再度塗布する方法がおすすめです。

レジンを盛り過ぎず、滑らかな仕上がりに近づけられます。

5.仕上げ

サンドペーパーとコンパウンドで修理箇所を削り、仕上げます。このとき、決して削り過ぎないこと。せっかく貼り込んだガラスクロスや樹脂がはがれてしまっては、何にもなりません。表面だけを薄く削るよう、丁寧に作業していきます。

手に負えない場合はプロにお任せ 

「浸水がひどい」「キズの範囲が広い」「セルフリペアに失敗した」といった場合には、プロにお任せするのが確実です。かなりひどい状態でも、復旧してもらえる可能性があります。修理依頼の相場と、おすすめサイトを紹介するので参考にしてください。

プロに修理依頼するときの相場は?

・破損個所:クラック

[期間] 約2週間
[料金] 4,000円~
浸水している場合でも、内部までしっかりと乾燥してもらえます。

・破損個所:レール部分

[期間] 約1~2週間
[料金] 2,500円~
ボード同士での接触などで起こりがちなキズは、軽いものであればセルフリペアできますが、カラー合わせが必要な場合にはプロに任せるのが安心です。

・破損個所:レール(剥離)

[期間] 約3週間
[料金] 6,000円
樹脂が剥離している場合、放置すると突然折れる危険性もあります。早期の修復が必要です。

・破損個所:フィンプラグ

[期間] 約1~2週間
[料金] 3,000円~
プラグの破損では、周囲をくり抜いて新しいカップを埋め込みます。一見簡単そうですが、素人がきれいに作業をするのは難しい箇所です。

・破損個所:ノーズ部分

[期間] 約2週間
[料金] 3,000円
ダメージを受けやすい箇所です。フォームまでキズが達している場合には、プロの手による補修が必要です。

・破損個所:ノーズ(折れ)

[期間] 約1~2週間
[料金] 8,000円~
浅瀬などに突き刺さって、ノーズが折れる場合があります。そのままでは浸水するため、放置は厳禁です。素人では修復不可能なため、直ちにプロに依頼する必要があります。

サーフボードリペア依頼のおすすめサイト

・ムラサキスポーツ(八王子店)

自社ブランドだけではなく、他社ブランドのボードにも対応しています。専門のリペア工場と提携しており、安心して任せられます。

サイトURL:https://bit.ly/3eB6rqJ

・USED SURF

独自のリペア工場で年間500本以上のリペアに対応しています。熟練の職人たちの手による修理で、高品質の仕上がりが期待できます。遠隔地からの依頼についても、郵送で対応しています。

サイトURL:http://www.usedsurf.jp/repair/

・iSLAND FACTORY

サーフボードとウィンドサーフボードのリペア専門店で、千葉・関東を中心に、全国配送対応をしています。リペア専門店ならではの高い技術で、他店で断られた修理にも相談可能です。最後の頼みの綱となりそうな、心強いお店です。

サイトURL:https://islandfactory.net/

まとめ

使えば使うほど愛着がわくサーフボード。海から戻ったら、すぐにダメージのチェックをするのがおすすめです。キズが小さく浅いうちであれば、自分でも修理は可能です。

ただし、正しい知識なしに修繕をすると、浸水やキズが広がる恐れもあります。手順に従い、慎重に作業することが大切です。自分での修理が不安な場合やキズが深刻なときには、なるべく早めにプロに相談してください。デリケートなサーフボードも適切なケアがあれば、長く愛用できます。

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