サーフィンの上達には、トレーニングによる筋力の向上が欠かせません。特にパドリングでは肩回りの筋肉を使うので、サーフィン以外でもトレーニングが必要です。今回は、肩のトレーニングの重要性やトレーニング方法、肩の可動域を無理なく広げるストレッチなどを紹介します。
肩のトレーニングは重要!
サーフィンの上達には、肩のトレーニングが不可欠です。ここでは、サーフィンにおいて肩のトレーニングが必要な理由を解説します。
パドリングには肩のトレーニングが大切
サーフィンにおける基本の動作であるパドリングを行うために、肩のトレーニングは大切です。パドリングを行う際、肩の外側の筋肉だけ使っていると、すぐに筋肉が硬くなってしまうことも。そこで肩の回りの筋肉をバランスよく鍛えることで、パドルをより楽に行い回転数を上げられます。
肩の回りには多くの筋肉が付いています。肩のトレーニングはそれぞれの筋肉を意識して行い、バランスよく鍛えることが重要です。
筋力だけでなく可動域も大切
パドルを効率的に行うためには、肩の筋力を上げるだけではなく可動域を広げることも大切です。パドリングのやり方を教わって実践しても、上達しない方は多くいます。実はそういった方の多くが、可動域が狭いことによってなかなか上達しません。
海中で突然肩の可動域を上げることはできませんので、まずは普段の生活の中で肩のストレッチを行うことが重要です。可動域が広がって肩の動きが滑らかになれば、より楽にパドリングできます。
サーフィンで鍛えたい肩などの筋肉
サーフィンのパドリングを上手に楽に行うためには、肩の筋肉を鍛えることが重要です。ここでは、サーフィンをするために必要な肩の筋肉を紹介します。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は二の腕の後ろ側にある筋肉です。日常で使うことが少ない筋肉ですが、パドリングのストロークでは水をサーフボードのノーズからテール近くまで力強くこぐために使います。机を手のひらで押し下げたときに、硬くなる二の腕部分の筋肉が上腕三頭筋です。
普段は使うことがない筋肉は、どうすれば力が入るのかをイメージがしにくいです。そのためにトレーニングをして鍛えておくことで、サーフィンのときにも上腕三頭筋を意識しやすく、楽にパドリングできるでしょう。上腕三頭筋が強くなれば、パドリングの推進力が増します。
三角筋
三角筋は、肩の外回りに盛り上がるようにして付いている筋肉です。三角筋の働きにより、腕を360度さまざまな方向に回すことができます。日常生活では腕を上げる際などに使いますが、比較的小さい筋肉なので、パドリングをやっていると早めに疲れてくる筋肉です。
三角筋はパドリングのときに腕を前に出すときに使う筋肉であり、肩関節を守る役割もあります。そのためにパドリングで傷めてしまわないように、普段から鍛えておくことが重要でしょう。
僧帽筋
僧帽筋は、背中の上部から首や肩に広がっている大きな筋肉です。肩甲骨を動かすために使われる筋肉であり、パドリングでは腕を前に出す際に使います。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背骨周辺に付いている筋肉のことです。サーフィンのパドリングは、上体を反らすようにして行います。そのときの体勢を支えているのが脊柱起立筋です。
上体を反らすことは、パドリング時のバランスを保つために重要です。脊柱起立筋を鍛えておくことで、姿勢の維持が楽になるでしょう。
肩周辺のトレーニング方法
肩の筋肉を鍛えるには、効果的な方法があります。ここで紹介するのは、肩の効果的なトレーニング方法です。無理は禁物なので、自分のペースで行いましょう。
バイクプレス
バイクプレスは、主に三角筋を鍛えるために行うトレーニングです。まず四つん這いになり、両手のひらと両脚で体を支えます。そしてお尻を高くつき上げるため、手足の幅を狭めてください。この状態が、基本姿勢です。
トレーニング方法はシンプルで、三角筋に力が入っていることを感じながら体を斜めにゆっくりと倒します。この際、お尻から顔までが一直線になるように意識してください。呼吸を安定させながら行い、肘が外に広がらないように注意しましょう。
10回を1セットとし、1分のインターバルを入れて3セット行います。初めのうちは少ないセット数で大丈夫です。
ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスは、両手にダンベルを持ち、椅子に座った姿勢で行います。ダンベルを肩の前方に上げて横向きにし、ゆっくりと頭上まで持ち上げ、頭上に上げたらゆっくりと肩の高さまで戻しましょう。ここまでの動作が1回のカウントです。ダンベルを下した際の肘の角度は、90度にしてください。
10回を1セットとし、2~3セット実施しましょう。
脊柱起立筋のトレーニング
まず、背筋を伸ばして椅子に座ります。この際、フェイスタオルなどを丸めてお尻の下に敷くようにしてください。次に、両腕を広げた状態から、手を内側にひねりながら閉じ、背中を丸めます。この際、骨盤を後ろに押すことを意識しましょう。
そして今度は両腕を広げながら手のひらを外に向け、胸を張ります。最初の状態に戻すことをイメージし、骨盤を前に倒すことを意識するのがポイントです。日常的に行うことで脊柱起立筋の緊張がほぐれて、パドリング中に上体のバランスを保ちやすくなります。
肩の可動域を広げるトレーニング方法
パドリングの上達には、肩の筋肉を鍛えるだけではなく可動域を広げるストレッチを行うことも重要です。そのためここでは、肩の可動域を広げるトレーニング方法を紹介します。
基本的なトレーニング
仰向けに床へ寝そべり、両腕を前方に向かって垂直に上げます。そして手のひらをできるだけ直角にし、肘を伸ばしてください。肩甲骨を簡単に動かすことができます。
キャット&ドッグ
肩の真下に両手を置き、股関節の真下に膝が来るような体制で、四つん這いになります。ちょうど、犬や猫のまねをするような格好です。次に骨盤側から猫のように背中を丸めていきます。このとき、肩甲骨を外に広げる意識を持つことがポイントです。
背中を丸め、今度は犬のように骨盤から背骨を1本ずつ反らしていきます。このときの肩甲骨は、内側に寄せて胸を張るイメージです。
エクスターナルローテーション
椅子に座り、肘を90度に曲げて体の側面に付けます。ちょうど、トレーを下から支えるような姿勢です。次に、肘を体に付けたまま腕を外に開きます。開ききったら3秒間姿勢を保ち、力を緩めましょう。この動きを繰り返すことで、肩甲骨がストレッチできます。
まとめ
サーフィンの上達には肩のトレーニングが重要です。さらに、可動域を広げていくことでパドリングがスムーズにできるでしょう。パドリングには、上腕三頭筋のように日常生活で使わない筋肉も使います。肩の筋肉を使うため、日ごろから意識的に鍛えることが大切です。
それぞれの筋肉のトレーニング方法を知って実践することで、よりパドリングがしやすくなり、サーフィンが楽しくなるでしょう。ただし、無理なトレーニングは筋肉を傷めるので、自分のペースで行うようにしてください。